欧州海域戦_表紙


「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)で地中海の戦いを再現してみる。
今回挑戦するのは「パンテレリア沖海戦」。「ハープーン作戦」と呼ばれるマルタ島輸送作戦の途中で起こった海戦だ。シナリオの序文からこの戦いの背景を見てみよう。

1942年6月、北アフリカではガザラを巡る戦いが続いていた。地中海中央部に位置するマルタ島は枢軸国にとって北アフリカへの輸送路の障害となっていたが、そのマルタ島も枢軸軍の激しい攻撃によって危機的状況が続いていた。
6月12日、輸送船6隻を伴った輸送船団がジブラルタルを出航してマルタ島に向かった。ハープーン作戦と呼ばれるマルタ島輸送作戦である。船団は軽巡「カイロ」を旗艦とするフォースX(軽巡1、駆逐艦9隻、掃海艇4)によって直接護衛され、さらに間接護衛部隊として戦艦1、空母2、巡洋艦3、駆逐艦8からなるフォースWが随伴した。
対する枢軸軍は航空機、潜水艦による攻撃に加えて戦艦、巡洋艦を含む部隊による迎撃を企図していた。ハープーン作戦と同時に東地中海からマルタ島を目指していたヴィガラス船団を迎撃するため戦艦2、巡洋艦4その他が向かい、ハープーン船団に対してはアルベルト・ダ・ザラ上級少将率いる軽巡2、駆逐艦5からなる部隊が迎撃に向かった。
6月15日早朝、シチリア海峡パンテレリア島沖でハープーン船団とイタリア巡洋艦隊が遭遇した。兵力的にはほぼ互角の両者である。イタリア艦隊はハープーン船団を阻止できるか。


とまあこんな感じの戦いである。戦闘序列(直接水上交戦したもののみ)については、例によってVincent O'Hara氏の 「Struggle For the Middle Sea」 によると、英艦隊が防空軽巡1、駆逐艦5隻、護衛駆逐艦4隻、掃海艇4隻の計14隻。それに輸送船5隻が加わる。対するイタリア艦隊は軽巡2、駆逐艦5の計7隻である。隻数だけを見れば英艦隊が有利だが、英艦隊は輸送船団という足手まといが存在すること、英側の防空軽巡は実質的な砲戦力は駆逐艦クラスと同程度しかないこと、ハント級護衛駆逐艦も対水上戦能力は乏しい事等を加味すると、両者の実質的な戦闘力はほぼ同等だと言える。

なお、シナリオ化するに当たっては、英艦隊のうち水上戦闘力に乏しい掃海艇4隻を戦力外とみなしてシナリオから外した。

Turn00a


1Turn

史実通り英艦隊は麾下の第11駆逐隊に対して速度を上げてイタリア艦隊に向かわせた。この部隊はトライバル級やM級等の新鋭駆逐艦からなる部隊で、英艦隊の中では最も水上戦闘力に秀でた部隊であった。
一方のイタリア艦隊は単縦陣のまま右に60度変針し、英艦隊への距離を詰めていった。

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2Turn

CW_CL10a両軍が砲戦距離に入った。イタリアの軽巡、駆逐艦は距離10~14Hex(15~21km)で主砲射撃を開始した。軽巡部隊は英旗艦の防空巡洋艦「カイロ」を狙い、伊駆逐艦は英第11駆逐隊を狙った。しかしいずれも命中弾なし。英第11駆逐隊も距離10~11Hex(15~17km)で主砲射撃を開始したが、これまた命中弾はなかった。

Turn02a


3Turn

CW_DD15a両者の距離はさらに接近し、砲撃は激しさを増した。最初に命中弾を受けたのは英駆逐艦「マッチレス」。M級の新鋭艦だ。「マッチレス」は小破したが、ただではやられていなかった。「マッチレス」の主砲弾が伊駆逐艦「アルフレッド・オリアーニ」に命中したのである。砲塔誘爆を起こした「オリアーニ」は最大速度20ktまで低下してしまう。戦闘続行困難となった「オリアーニ」は列外に離脱していった。
英艦隊はやや距離が遠いが魚雷を発射する。伊艦隊に対する牽制のためだ。

このTurn、イタリア空軍機による輸送船団攻撃が行われた。狙われたのは最後尾のタンカー「ケンタッキー」である。雲間から急降下したイタリア空軍のスツーカは、上手く対空砲火を躱して爆弾を投下したが、狙いが逸れて「ケンタッキー」は助かった。

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4Turn

イタリア艦隊は右へ変針して魚雷を躱しつつ英艦隊の後尾に着く態勢となる。しかし変針によって乱れた陣形を英第11駆逐隊は見逃さない。伊駆逐隊の先頭を進む駆逐艦「アスカリ」は2発の命中弾を受けて中破。戦闘力を失う。その後方を進む伊駆逐艦「プレムダ」も命中弾を受けて小破。この時点で駆逐艦3隻からなるイタリア第10駆逐隊は事実上戦闘力を失った。

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5Turn

IT_CL7a英第11駆逐隊は右180度旋回を行い、逆順となる。右舷側に見える伊駆逐艦「プレムダ」に対して第11駆逐隊は集中砲火を浴びせた。元ユーゴスラヴィア駆逐艦「ドゥブロヴニク」は、この攻撃により中破し、この時点で文字通りイタリア第10駆逐隊は戦闘力を完全に失う。
イタリア軍もようやく英第11駆逐隊を主目標に変更。軽巡群が第11駆逐隊めがけて射撃を開始した。軽巡「ライモンド・モンテクッコリ」の放った6インチ砲弾2発が英駆逐艦「マッチレス」に命中。「マッチレス」は中破した。

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6Turn

IT_DD13b英第11駆逐隊は、逃げる駆逐艦「プレムダ」に集中砲火を浴びせた。この哀れな元ユーゴスラヴィア駆逐艦は、多数の命中弾を受けてシチリア海峡にその姿を没した。両軍を通じてこの海戦で最初の沈没艦である。
伊軽巡部隊は目標を英第11駆逐隊に変更し、距離9Hex(13km)から6インチ砲による猛射を浴びせた。しかしイタリア側にとっては残念ながら命中弾を得られなかった。

PO_DD27aこのTurn、イタリア空軍機による2回目の輸送船団攻撃が行われた。狙われたのはまたもや最後尾のタンカー「ケンタッキー」である。水面すれすれを突っ込んできたサヴォイア・マルケッティSM.79雷撃機に対して、英駆逐艦「バズワース」とポーランド駆逐艦「クヤヴィアック」が4インチ両用砲で激しい対空弾幕を浴びせる。1発が伊雷撃機の至近距離で炸裂した。破片を浴びた雷撃機は炎に包まれて海面に激突した。

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7Turn

IT_CL10a英第11駆逐隊と伊軽巡部隊が急速に接近する。距離は6Hex(9km)まで近づいて激しい砲火を浴びせた。伊軽巡「エウジェニオ・ディ・サヴォイア」に駆逐艦の主砲弾2発が命中する。そのうちの1発が通信室に飛び込んで炸裂した。混乱を起こす伊軽巡部隊であった。

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8Turn

イタリア軽巡は右へ60度変針し、英駆逐艦との接近戦を嫌う形とする。しかし英駆逐艦は追いすがる。伊軽巡「サヴォイア」にさらに2発の命中弾を与えてこれを小破に追い込んだ。しかしようやくイタリア軽巡の反撃も功を奏し始めた。英駆逐艦「マーン」と「パートリッジ」に伊軽巡の放った6インチ砲が命中。それぞれ小破相当の損害を被った。

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9Turn

英駆逐艦は一旦距離を取るべく左へ変針する。そのため両者の距離は6~7Hex(9~11km)まで遠のいた。両軍の射撃は共に外れである。

このTurn、枢軸軍機による3回目の輸送船団攻撃が行われた。狙われたのはまたもや最後尾のタンカー「ケンタッキー」である。上空から鷹のように舞い降りてきたドイツ空軍のJu-88は、低空から2発の爆弾を投下したが、惜しくも爆弾は目標を逸れた。

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終了

この時点でいったんテストを終了することとした。この時点でイタリア側の損害は駆逐艦1隻沈没、2隻中破。軽巡1小破。対する英軍は、駆逐艦1中破、2小破である。イタリア軍は優勢な兵力を持ちながら、それを有効活用できていない。序盤に英第11駆逐隊に対して全力で立ち向かうのが正しい戦略であった。また航空攻撃の出目が悪かったのもイタリア軍にとってはアンラッキーだった。

という訳で細部を修正して再度本シナリオにチャレンジしてみたい。

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