欧州海域戦_表紙


「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)で地中海の戦いを再現してみる。
今回挑戦するのは「パンテレリア沖海戦」。「ハープーン作戦」と呼ばれるマルタ島輸送作戦の途中で起こった海戦だ。シナリオの詳細については、 こちらの記事 を参照されたい。

前回はイギリス駆逐艦の活躍の前に全く良い所がなかったイタリア海軍であった。しかし史実では大いに善戦し、ハープーン作戦を失敗に導いた立役者の1人にもなっている。
前回の反省点は、イタリア艦隊が英駆逐艦に不用意に接近し、速射砲によって大損害を被ったこと。そこで今回は伊巡洋艦の砲口径に優位を生かすべく、アウトレンジ戦法で挑むこととした。

Turn00


1Turn

IT_CL7a
「敵艦隊発見」

距離約30kmで敵を認めた両艦隊はそれぞれ対応行動を起こす。
伊艦隊は単縦陣のまま右へ変針。敵との距離を詰める。
対する英艦隊は水上戦闘能力に優れた第11駆逐隊(艦隊型駆逐艦5隻)を増速させて船団前程に進出。伊艦隊を阻止する構えを見せる。
伊巡洋艦2隻(「ライモンド・モンテクッコリ」「エウジェニオ・ディ・サヴォイア」)は、距離15Hex(約22km)から英駆逐艦に対して初弾発砲。しかし些か遠すぎた。6インチ砲弾は大きく目標を逸れた。

Turn01


2Turn

英駆逐艦の接近を見たイタリア艦隊は左へ60度変針。接近経路を避けてT字戦法に出る。この運動で伊艦隊の単縦陣は崩れて2列陣形となった。
対する英艦隊も猪突猛進は避けて距離10Hex(約15km)で右へ60度変針。伊艦隊と並行態勢に入る。船団を守るのが目的なので、距離を取って戦うのが得策と判断したためだ。
2隻の伊軽巡が再び発砲。しかし変針直後の射撃であったこともあり、射弾は目標を逸れた。

Turn02


3Turn

IT_DD14a英輸送船は右へ変針。敵艦隊と距離を取りつつある。一方英第11駆逐隊と伊艦隊は距離10~12Hexを隔てて並行砲戦。しかし距離が遠いためお互いに命中弾なし。
このTurn、枢軸軍による空襲がある。狙われたのはMS05「ケンタッキー」。船尾方向から突入してくるので、恐らくドイツ空軍のJu88爆撃機であろう。進入方向を守る英護衛駆逐艦「バードワーン」等が激しい対空砲火を撃ちあげる。激しい対空砲火に恐れをなしたのか、Ju88は目標の遥か手前で爆弾を投下。爆弾は目標を大きくそれていった。

Turn03


4Turn

IT_CL10aイタリア巡洋艦「エウジェニオ・ディ・サヴォイア」が初めて夾叉弾を得た。狙われたのは英駆逐艦「イシュリール」。艦が小さかったので命中はなかったが、このままだと命中を受けるのは必定である。

5Turn

夾叉を受けた英駆逐艦は右60度変針して敵艦隊からの離隔を図る。それを見たイタリア巡洋艦も変針してこれを追う。

Turn05


6Turn

MS05b 英駆逐艦が速度を30ktまで上げた。これに対してイタリア側には速度の遅いナヴィガトーリ級駆逐艦が混じっているため、無暗に速度を上げる訳には行かない。
伊巡洋艦「サヴォイア」が再び夾叉弾を得た。しかし今回も命中はなし。
このTurn、再び枢軸軍の空襲があった。1機のJu88が雲間から突如急降下し、油槽船「ケンタッキー」に250kg爆弾2発を命中させたのである。火災を起こした「ケンタッキー」は消火活動に大童の状態であった。

Turn06


7Turn

CW_DD15b英駆逐艦は右へ180度一斉回頭を行い、再び伊艦隊への接近経路を取る。それを見た伊艦隊は右120度回頭。英駆逐艦の頭を押さえる位置に布陣する。
伊巡洋艦「サヴォイア」が英駆逐艦「マッチレス」に6インチ砲弾1発を命中させた。両軍を通じてこの戦い初の命中弾である。「マッチレス」は小破し、砲塔の一部が破壊された。

Turn07


8Turn

英艦隊は再び左120度一斉回頭を行い、伊巡洋艦への接近を避ける。
旋回中の英艦隊に対して伊巡洋艦2隻が砲撃を行うが、距離が遠いためか、命中弾は得られず。

Turn08


9Turn

CW_CL10a 伊巡洋艦「サヴォイア」の主砲が再び英駆逐艦「マッチレス」を捉えた。6インチ砲弾1発が命中。船体に命中弾を浴びた「マッチレス」は最大速度が20ktにまで低下してしまう。
伊第10駆逐隊もその射程距離に英駆逐艦を捉えた。駆逐艦「アスカリ」が最大射程距離から放った主砲弾が英駆逐艦「パートリッジ」に命中。「パートリッジ」は小破する。

Turn09


このTurn、またもや空襲があり、ドイツ空軍のJu88が輸送船「オラリー」の船首方向から急降下爆撃を行ったが、防空軽巡「カイロ」の激しい対空砲火を浴びて撃墜された。

HMS_Cairo


10Turn

CW_DD11a英艦隊はここで決断を迫られることになる。すなわちこれまで同様にダラダラとピストン運動を繰り返しながら時間を稼ぐが、それとも間合いを詰めて反撃に出るか。
前者の場合、被弾するリスクは減少するものの英側からの効果的な反撃は難しく、結局はイタリア側の砲火によってすり減らされていく。
一方後者の場合、被弾のリスクは高まるが、こちらからの反撃も有効性を増してくるので、うまく行けば敵艦を撃破できるかもしれない。仮に撃破できなくても、イタリア側が接近戦を嫌がって非敵方向へ舵を切れば、船団への脅威はそれだけ小さくなる。

英艦隊は熟慮の末、後者を選んだ。伊艦隊への接近である。中破した「マッチレス」は左120度変針で敵から離れる一方、残った駆逐艦4隻はなおもイタリア艦隊への接近を図る。
それに対して伊艦隊も猛烈な砲火で迎え撃った。軽巡2隻による射撃はいずれも「外れ」であったが、駆逐艦からの砲撃が目標を捉えた。命中弾を受けたのは英駆逐艦「パートリッジ」。この被弾により中破した「パートリッジ」は、戦闘能力を失った。
英駆逐艦の砲火が漸く一矢を報いた。駆逐艦「マーン」の放った4.7インチ砲弾が伊駆逐艦「プレムダ」に命中したのである。元ユーゴスラヴィア駆逐艦「ドゥブロヴニク」は、この攻撃により小破したが、なおも戦闘可能であった。

Turn10


Ju88


つづく