SRS_Lorov


「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)でソ連海軍の戦いを再現してみたい。

とはいえ、WW2においてソ連海軍の艦艇が水上戦闘で活躍した事例は殆どないのが実情だ。そんな中、最初に考えたのは、1941年6月におけるコンスタンツァ砲撃戦(コンスタンツァ沖でソ連海軍とルーマニア海軍の駆逐艦同士が交戦した)をシナリオ化することだった。しかしコンスタンツァの戦いで勝敗を決したのは機雷源である。機雷源というのは水上戦ゲームで扱うには些か厄介な代物。それに駆逐艦同士というのもちょっと地味な感じもする。そこで史実戦は諦めて仮想戦を考えてみた。

そこで目をつけたのがバルバロッサ作戦初期のバルト海作戦である。中でもタリン撤退戦。1941年8月下旬にドイツ軍に包囲されたタリンからクロンシュタット方面へ撤退するバルチック艦隊は、ドイツ陸軍及び空軍等の攻撃を受けて多大な損害を被ったそうな。
もしタリンから撤退するバルチック艦隊がドイツ海軍水上部隊の攻撃を受けていたら・・・。
そこでソ連バルチック艦隊とドイツバルト海艦隊とがタリン沖で遭遇した状況を想定してシナリオ化してみた。

まずドイツ軍の戦力だが、当時バルト海艦隊には、最新鋭の戦艦「ティルピッツ」を初め、装甲艦「シェアー」、軽巡「ニュルンベルク」以下4隻、駆逐艦7隻、掃海艇その他という兵力があった。
対するソ連バルチック艦隊は、ガングート級戦艦2隻、重巡2隻、軽巡1、駆逐艦21隻、その他という兵力である。隻数ではソ連側が上回っているが、大型艦の戦闘力では最新鋭の「ティルピッツ」を有するドイツ側に分があった。

今回シナリオ化するに当たっては、両軍とも巡洋艦以下の艦艇同士の撃ち合いを想定した。ドイツの「ティルピッツ」は最新鋭艦故に就役直後で戦闘力を発揮できたかどうか疑問だし、ソ連側のガングード級戦艦は低速なので撤退作戦では足手まといだろう。その点を考慮して巡洋艦同士の撃ち合いとしたのである。

ドイツ側の戦力は軽巡4隻を基幹とした。対するソ連軍はキーロフ級重巡2隻である。随伴駆逐艦はドイツ側が15cm砲装備の大型駆逐艦3隻。対するソ連軍は駆逐艦8隻とした。隻数ではソ連軍有利だが、艦の性能を加味して両者ほぼ互角の戦力と考えた。そして指揮能力でドイツ軍を有利にすることで、全体戦力ではドイツ軍をやや有利とした。そしてドイツ側に敵輸送船団撃沈の重荷を背負わせることにし、全体としてのバランス確保を図った。

ゲーム開始時点では、船団を護衛中のバルチック艦隊に対し、ドイツ軍艦隊が斜め後方から接近しつつある状況とする。果たしてバルト海海戦の結末や、如何に・・・。

Turn0


1Turn

SO_CA1a距離17Hex(約26km)の大遠距離からバルチック艦隊の主力である「キーロフ」「マキシム・ゴーリキ」が主砲を発射した。「キーロフ」の放った18cm砲弾がドイツ軽巡「ライプチヒ」に見事命中。それが「ライプチヒ」の弾薬庫を貫いて爆発。「ライプチヒ」は沈没こそ免れたが、中破して戦闘力を失う。

Turn1


2Turn

GE_CL4aまるで「先頭打者ホームラン」のような損害で唖然とするドイツ艦隊であったが、距離15Hex(約22km)でバルチック艦隊と並行砲戦に入る。ドイツ側の軽巡3隻とバルチック艦隊の重巡2隻が激しく撃ちあう。ドイツ側で最も古い軽巡「エムデン」がソ連駆逐艦「グネフヌイ」を捉えた。15cm砲弾1発は「グネフヌイ」の艦橋に命中。方位盤を撃ち抜かれる。

Turn2


3Turn

GE_DD1aドイツ側は後続の駆逐艦も砲戦に加わる。所謂「超駆逐艦」と呼ばれる15cm砲装備の大型駆逐艦だ。駆逐艦というよりも小型巡洋艦とも言うべき艦である。しかし火力で圧倒せんとするドイツ側の砲撃は有効打とはならず。一方のバルチック艦隊はまたもや「キーロフ」が命中弾を得ていた。18cm砲弾1発がドイツの軽巡「ニュルンベルク」に命中する。

Turn3


4Turn

SO_CA3aドイツ艦隊はサルヴォーチェージングで回避を行う。しかしバルチック艦隊はこれを逃がさない。「キーロフ」は「ニュルンベルク」にさらに2発の命中弾を与えて小破に追い込んだ。また、これまで命中弾のなかった「マキシム・ゴーリキ」も独軽巡「ケルン」に2発の命中弾を与えた。小さな誘爆を起こした「ケルン」はやはり小破に追い込まれる。

Turn4


5Turn

ドイツ艦隊は麾下の軽巡1隻が中破、2隻小破と苦しい状況に追い込まれた。このTurn、ドイツ駆逐艦がバルチック艦隊の饗導駆逐艦「レニングラード」に命中弾1を与えてこれを小破せしめた。

6Turn

バルチック艦隊はドイツ艦隊の距離を詰めて一気に勝負に出る。両者の距離は10~11Hex(15~17km)まで近づいたが、共に有効弾はなし。

7Turn

GE_CL4aドイツ艦隊はなおも接近戦に持ち込む。距離10Hex(15km)で射撃戦。軽巡「ケルン」の15cm主砲弾2発が重巡「マキシム・ゴーリキ」に命中した。1発が「ゴーリキ」の方位盤に命中して砲戦能力が殺がれる。
しかしドイツ軍の抵抗もそれまでだった。もう1隻の重巡「キーロフ」がまたもや腕の冴えを見せて軽巡「ニュルンベルク」に2発の主砲弾を命中させた。「ニュルンベルク」の累積損害は6に達して中破相当。この時点でドイツ側は作戦失敗を認めて戦場離脱していった。

Turn7


結果

ドイツ軍の損害

中破:軽巡「ニュルンベルク」「ライプチヒ」
小破:軽巡「ケルン」


ソ連軍の損害

小破:駆逐艦3隻
軽微な損傷:重巡2隻


KMS_Nurunberg


感想

予想外に一方的な展開になってしまった。「プレイボールホームラン」がアンラッキーだった面があるが、ドイツ側の戦術にやや工夫がなかったかもしれない。もう少し調整して、ドイツ側が不利なようであれば、初期兵力を少し変更しようと思う。

第2回テスト

ドイツ艦隊がバルチック艦隊の後方をすり抜けてソ連船団を襲撃。これを全滅させて勝利した。
ドイツ軍の損害:軽巡「ライプチヒ」中破
ソ連軍の損害:
沈没:輸送船6隻
中破:駆逐艦4隻
小破:駆逐艦2隻

第3回テスト

初期配置をドイツ側が有利なように少し変更した。今回もドイツ艦隊がバルチック艦隊の後方をすり抜けてソ連船団を襲撃したが、ソ連軍も何とか対応する。独ソ両艦隊共に損害を被るが、輸送船団に大損害を与えたドイツ艦隊の勝利に終わった。
ドイツ軍の損害:
中破:軽巡「ニュルンベルク」、駆逐艦1隻

ソ連軍の損害:
沈没:輸送船5隻
中破:重巡「キーロフ」「マキシム・ゴーリキ」


全般にややドイツ軍が有利かな?。ただし艦の性能ではソ連側が勝っているので結構面白いシナリオになったと思う。遠距離砲戦でドイツ軽巡が致命傷を食らう可能性も無視できないので、双方とも楽しめるシナリオになったのではないだろうか・・・。