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Empire of the Sun(以下、本作)は、米国GMT社が2005年に発表したシミュレーションゲームだ。テーマは太平洋戦争。1941年12から始まる太平洋戦争全体を1Turn=3か月、1Hex=150マイル(約240km)のスケールで再現する。

本作は2000年代前半に一世を風靡した「カードドリブンシステム」(CDS)を採用している。各Turnの最初に両プレイヤーは自身のカードデッキからランダムに4~7枚の戦略カードを引く。カードの枚数は基本7枚だが、欧州おけるドイツの快進撃やインド/オーストラリア等の主要連合国が脱落すると連合軍側のカードが減少し、米潜水艦による通商破壊、B-29による戦略爆撃、南方資源地帯の損失等により日本軍側のカードが減少する。一般的に連合軍側カードが減少することは稀であり、多くの場合日本軍側のカードが減少する。付け加えると、第3Turnまでは連合軍側のカードが自動的に減少する。
続いて両プレイヤーが交互にカードを使用してアクションを実行する。アクションには「イベント」と「オペレーション」の2種類があり、前者が歴史的イベント、後者が軍事行動になっている。プレイヤーはイベント/アクションのいずれか一方を実施する。なお、本作では、「軍事イベント」といって通常の「オペレーション」よりも大規模な軍事行動を行う特殊なイベントが存在する。わかりやすく言えば、史実におけるMO作戦やMI作戦、コーストウォッチャー作戦、アイスバーグ作戦等を現すものである。
アクションの進め方はオペレーション/軍事イベントとその他のイベントで異なっている。その他のイベントの場合はカードの記載に従って処置するだけだ。オペレーション/軍事イベントの場合は、まず活性化する自軍HQを選択する。その指揮範囲内のユニットをカードの内容とHQの能力によって決まる数値まで活性化する。なお優秀な司令部は指揮範囲と活性化能力が高い。ちなみに最も優秀なHQは、ニミッツ提督率いる米中部太平洋方面司令部(C Pac HQ)である。
オペレーション/軍事イベントを実行する側は、活性化したユニットを移動力の範囲内で移動させる。その際、敵ユニットの存在するヘクスを攻撃する場合には「戦闘マーカー」を置かなければならない。配置可能な戦闘マーカーの数は、オペレーションの場合は最大1ヶ所、軍事イベントの場合は上限なしである。
移動及び戦闘マーカーの配置が終わると、非活性化プレイヤーは奇襲チェックを行う。ダイスを振って一定の出目が出ると奇襲となり、非活性側プレイヤーは反応行動ができなくなる。奇襲の成功率は、作戦規模が大きく、敵航空機による哨戒網が及ばない場合に高くなる。また一部の軍事イベントは自動的に奇襲が成功するものがあり、それに対抗して反応カードの中に自動的に奇襲を失敗させるものもある。
奇襲が失敗した場合、非活性側プレイヤーは、戦闘ヘクスを指揮範囲内に持つHQを選択し、指揮範囲内のユニットを一定数まで活性化させることができる。活性化したユニットはリアクション移動を行い、戦闘ヘクスの戦闘に介入できるという訳。
これを史実に合わせて考えると、例えば日本軍は軍事イベントで「MI作戦」を選択。ミッドウェー島の攻撃を宣言したとしよう。米軍は奇襲判定を通過するか、または反応カードを使用して奇襲を失敗させる。そして真珠湾にあるC Pac HQを活性化し、空母や水上艦艇を結集してミッドウェーに向かわせる。そしてミッドウェー海戦。という案配になる。
このあたりの作戦の流れは、太平洋戦争における軍事行動を上手く再現しており、私的には本作で気に入っている部分である。

他には欧州情勢、植民地の攻略、米国の戦意等のルールがある。特に「米国の戦意」は重要で、本作の勝敗は「米国の戦意」の状況如何に関わっていると言っても過言ではない。

今回、本作の1942年シナリオをVASSALを使ってソロプレイしてみた。今回のプレイの目的は、近日本作で対戦することになったので、ルールや定石を再確認するということにあった。(ただし、このソロプレイの直後で私が大怪我をしてしまったことで対戦そのものは延期になっている)

なお今回のプレイにあたってルール及びコンポーネントは2007年発表の2.0版を利用した。因みに現時点(2022年1月)での最新版は3.2版である。



Turn02

2Turn

IJN_CV翔鶴日本軍としては速やかに資源ヘクス14個所を支配し、長期不敗体制を固めたい。しかしこれは言うほど優しくはない。まずは「第2段階作戦」カードをECとして使用。まず連合軍の航空戦力を撃破し、極東方面の連合軍HQ(SWPacHQ,MalayaHQ)を孤立化させたい。そのためにフィリピン方面のFEAF(極東空軍4-9-2)とMA(マレー空軍6-9-2)に対して空母及び基地航空兵力で攻撃を仕掛ける。出目によっては撃破に失敗する可能性もあったが、日本軍にとっては幸いにも攻撃に成功。極東方面における連合軍の航空兵力は壊滅的打撃を被り、残ったのはジャワ島に布陣する極東オランダ空軍のみとなった。
また残った活性化能力を使ってボルネオ島北東端のタラカン(Tarakan 2616)に強襲上陸を敢行。オランダ軍守備隊を撃破し、同地を占領した。この攻撃でもし日本軍が"0"の目を出していれば、攻撃は失敗に終わる所であった。これは日本軍が最も有効に支援を提供した場合の結果であり、もし日本軍が支援に手を抜けば、リスクはさらに増大する。

Turn02a


IJA_第38軍 連合軍が1回目のパスを行ったので、日本軍は作戦を継続する。日本軍が選んだのは「辻大佐の第82部隊」。日本人にはやや意味不明なイベントカードだが、自動的に奇襲攻撃となり、しかも攻撃に有利なDRMがつく。ただし後者はマレー半島でしか適用されないので、マレー半島に攻撃の軸を置く。
クワンタン(Kuantan 2015)には第15軍(18-12)と第25軍(9-12)が共同攻撃。同地を守る第3インド軍を攻撃。日本軍の攻撃は大成功で、インド軍は文字通り壊滅した。
他にはビルマ方面へ進撃する日本軍がビルマ・タイ国境を守るインド第18師団を1.5個軍で攻撃。インド師団の撃破には成功したものの、日本軍も第28軍(9-12)が撃破されてしまう。
他にはバリクパパン(Balikpapan 2517)に対する上陸を実施したが、出目に恵まれずに作戦失敗。「作戦の神様」辻参謀の魔力も、ボルネオでは通用しなかったか・・・。

Turn02b


IJA_第25軍裏その後日本軍は2OCでシンガポールを攻撃。これを陥落せしめた。連合軍がSWPac HQをマニラから撤退させたのを見て、マニラ侵攻を実施。これに成功して(成功率90%)、フィリピン全土が陥落した。マレー、フィリピン占領によって連合軍のPolitical Will(政治動向)が2段階低下して6になる。

連合軍はラングーンに迫る日本軍を阻止せんとラングーンにインド軍を集結せしめ、これを死守する構えだ。ビルマはインドへの門になる重要拠点。連合軍としては是が非でも守り抜きたい要域である。

ABDAHQさらに連合軍は「アルカディア会談」を実施。新らたにABDA軍を発足。その司令部をセレベス島の要域ケンダリー(Kendari 2719)に配置した。このケンダリーは、日本軍のどのHQからも補給が届かない厄介な場所であり、日本軍としては手を出しにくい場所と言えよう。

Marker_WIEそして連合軍は最後の1枚に「欧州戦線」を使用。これによって欧州戦線のレベルが"0"に戻った。これによって連合軍の増援遅延が非適用になる。序盤で増援の有無は結構大きい。


Turn02c


つづく