Blue Water Navy(以下、本作)は、米Compass Games社が2019年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは1980年代における西半球全域を舞台とした米ソ両陣営の海上戦闘である。実際のは起こらなかった第3次世界大戦を扱った仮想戦ゲームだ。
今回、VASSALによるソロプレイにチャレンジしてみることにした


本作については、以下の紹介動画も参考にされたい。



こちら

2Turn前半(開戦3日目)

このTurn、ソ連軍の増援として揚陸船団が登場する。コラ半島かバルト海に配置可能だが、次のTurnにノルウェー方面にソ連軍のTroops(地上部隊)が登場するので、揚陸船団はバルト海方面へ回すことにした。

SO_SS_Foxtrot 両軍とも15OPを投入した。ソ連軍は大西洋を進むNATO船団を捕捉すべく複数回に渡って哨戒機を放ったが、NATO側の電波管制や哨戒機自体の不手際等があって船団発見に悉く失敗した。業を煮やしたソ連軍は、付近を行動中のフォクストロット型潜水艦を使って船団攻撃を実施した。2枚の反応カード"Good Intercept"と"Expert Skipper"を使って輸送船団に2Hitを与え、護衛にあたっていたフランス空母「フォッシュ」も大破せしめた。

Turn02a


SO_SSBN_Yankee米本土東岸沖では米対潜部隊が全力でソ連SSBN群を追った。護衛を失い、スパイによる支援も欠いたソ連SSBN群は、最早精鋭を誇る米ハンターキラー群にとっては単なる獲物でしかなかった。ソ連軍は慌ててキューバからタンゴ型通常動力潜水艦を護衛のため出撃させたが、静粛だが鈍足のタンゴ型では護衛の用をなさず、かえって米対潜哨戒機によってステップロスを強いられる有様。
結局、この日の終わりには米東岸沖に展開中のソ連SSBN群は壊滅した。ソ連は米本土に圧力を加えていた貴重な核打撃力を失ったのである。またその結果、ソ連軍は第1撃ポイントを1ポイント失い、政治的安定度も1段階低下した。(「安定」から「同盟放棄」へ)

Turn02b


SO_Sveldrovソ連軍が新たな攻勢を仕掛けてきたのはバルト海方面である。デンマーク上陸を実行すべく揚陸部隊を編成し、バルト海へ出撃させたのだ。しかし極端な北方偏重策がここでは裏目に出て、バルト海進攻艦隊の対空対潜防御は決して十分なものではなかった。
ソ連側のデンマーク進攻作戦を遂行する上で脅威となるのは、バルト海に展開する西ドイツ海軍の小型潜水艦群(Uボート)とユトランド半島のエスビアウ(Esbjerg)に展開する西ドイツ海軍航空隊(トーネード戦闘攻撃機)である。特に後者は強力な対艦ミサイル火力(約100発の同時発射能力)を誇り、さらに戦闘機でガッチリ防御されているので、非常に厄介である。

Turn02c


ソ連軍はまずエスビアウのトーネードと制圧すべくエコー2型SSGN3ユニットを動員してエスビアウに対して巡航ミサイル攻撃を実施した。しかし出目振るわず、エスビアウの基地を一時的に使用不能にしただけで、数時間後に復旧されてしまう。

SO_STK_Tu16そこでソ連軍は次に航空攻撃によるエスビアウ制圧を考えた。MiG25戦闘機2ユニットに護衛されたTu16Gバジャーが巡航ミサイル攻撃を加える。バジャー隊は西ドイツ空軍のファントム隊の反撃でステップロスを強いられたが、エスビアウ基地には巡航ミサイルを命中させた。
さらにコラ半島からはTu22バックファイアが護衛なしで飛来。西ドイツ空軍ファントム隊の攻撃を躱して巡航ミサイルを発射し、エスビアウにさらなる打撃を与えた。これらの攻撃によりエスビアウ基地は最低2日間程度機能を失うことなる。ソ連側からすれば、西ドイツ海軍の強力なトーネード攻撃機を一時的にせよ無力化したのは大きい。

WG_SS_Type206対するNATO軍は、オランダ海軍のアトランティック哨戒機をバルト海に派遣し、接近するソ連艦隊を発見した。直ちに西ドイツ海軍のUボートが攻撃を行い、揚陸艦数隻を撃沈したが、揚陸そのものを阻止するには不十分であった。

WG_Type206A_Sub


その頃フランスでは、最初の増援部隊がフランス西部の港町に続々と到着していた。また船団の一部が分離し、英空母「イラストリアス」に掩護されながら地中海へ向かっていた。


2Turn後半(開戦4日目)

両軍とも12OPを使用。ただし残OPはソ連が13、NATOが15となる。
ソ連軍はスペツナズの特殊部隊を投入。キール軍港で出撃準備中の西ドイツ駆逐艦数隻を撃破した(まるでイタリア海軍だ)。さらにバルト海での対潜戦を活発化させ、西ドイツ海軍のUボート部隊をほぼ壊滅状態に追い込んだ。さらにNATOは米空母最大の脅威となるヴィクター3型SSNを集中的に攻撃し、1ユニットを完全撃破、1ユニットをステップロスせしめた。

NATO_Patriot_SAMNATO側はエスビアウにパトリオット地対空ミサイル部隊を緊急展開し、同地の防空能力を強化する。さらにイギリス、フランス、ノルウェー等で港内で待機していた通常動力潜水艦を次々と北海やバレンツ海へ出撃させていった。北海ではNATO側が激しい対潜戦を展開し、ソ連エコー2型SSGN部隊に大損害を与えていた。

Turn02d



SO_Sveldrovソ連軍はユトランド半島に上陸を敢行した。デンマーク海軍や西ドイツ海軍の高速攻撃艇や小型艦艇による反撃が激しく、揚陸部隊は大損害を被った。上陸援護にあたっていたスヴェルドルフ級巡洋艦が機雷に触れて轟沈。上陸自体も危うく失敗する所だったが、何とか最小限の上陸には成功し、橋頭保を確保した。ただし兵力が十分ではなく、さらに奥地へ進撃を続けるためには後続波の上陸が必要になる。

地中海でも戦いは始まっていた。シリアを出撃したソ連地中海艦隊の潜水艦とトルコ海軍の潜水艦が東地中海で激突し、トルコ海軍の新型Type209潜水艦がステップロスした。

Turn02e



Turn終了時に各戦線での戦況推移があり、南ヨーロッパとデンマークでは順調にソ連軍が進撃を行っているが、ノルウェーは進撃が頓挫し、肝心の中央ヨーロッパでもフルダ峡谷における米軍の激しい抵抗によりソ連側の前進が頓挫していた。

つづく