220122_日本学術会議

日本学術会議の研究

白川司 ワック株式会社

2020年10月、コロナ禍の日本。当時の菅義偉首相が日本学術会議の会員任命で、同組織に推薦された105名のうち6名について任命に拒否したことがマスコミによって大きく取り上げれた。所謂「日本学術会議問題」である。それまで殆ど注目されていなかった日本学術会議という組織が大きくクローズアップされることになった。
本書は、日本学術会議という組織について、同組織に対して批判的な視点から記した著作である。本書によれば日本学術会議は左派系学者の巣窟であり、国家の税金が投じられているにも関わらず国益に資することは殆ど行っていないという。さらに言えば、日本を苦しめている慰安婦問題や徴用工問題について韓国側の主張に則った研究を行うなど、むしろ国益を損なう活動ばかりしている。さらには自衛隊のための研究は「軍事研究は行わない」という美名の下に執拗に妨害しておきながら、中国の「千人計画」には積極的に参加し、人民解放軍の軍事技術向上に貢献しているというのだから、一体どこの国の人間なのか、と言いたい。このように我々の常識からは余りにかけ離れた「日本学術会議」なる組織がどのような歴史を辿り現在に至ったのか、さらにその活動が如何に日本国や日本国民にとって「有害」であるかを筆者の主張を交えながら記している。
私は本件については門外漢なので、筆者の主張がどこまで正しいのかは検証できていない。しかし以下の筆者の主張については私も大いに同意する所である。またこの「日本学術会議」なる怪しげな「赤い貴族」達の実態を世に知らしめたという点において、菅義偉内閣の功績は大きい。余談だが、比較的短命に終わった菅義偉内閣だが、コロナ対策、東京五輪開催等、その成果は決して小さくないと私は考える。
「「学問の自由」を叫びながら国家の軍事研究を邪魔する一方で中国とは進んで共同研究をいとわず、人民解放軍とつながる研究機関で良心の呵責もなく働ける学者など日本にとって不要である」
「日本学術会議が国益に役に立つなら残せばいいし、改革して役立てられるなら改革すれば良いし、役に立たないなら廃止すればよい」
「財務的には甘やかされた組織であって、その上さらに反政府的提言まで許されているというのは、どう考えてもおかしなことである」
「共産党の牙城そのままであれば国費を投入すべきではない」

お奨め度★★★★★