失敗しないRPA

日経BP

今、RPAが注目を浴びている。RPAとはRobotic Process Automationのこと。一言で言えば「PC上で定型業務を自動化するツール」と理解すれば良いと思う。今までの「マクロ」等との違いは、複数のソフトウェアが連携するような複雑な業務も実行できるということ。それから専門のプログラミングスキルがなくても使いこなせる点だろう。かくいう私もRPAを使ったことはないが、使ってみたいと思った。
ただ、RPAにはいくつかの難点がある。1つは価格だ。例えば、RPAツールとして評価の高いNTTデータのWinActorにしても、導入費用は年間90万円以上とのこと。個人レベルではとても手が出るレベルではなく、企業レベルで考えても「要領の効かない社員を年収90万円で雇う」ぐらいなら、バイトを雇った方が安いかもしれない。
また少しでもプログラムができるエンジニアからすれば、高価なRPAツールを導入しなくても、jenkinsのようなツールを使えばかなり近いレベルのことができそうにも思える。その点からもRPAの旨味が少ない。
最後の疑問は、業務標準化を後回しにしてツールによって解決しようとする経営方針に対する疑問だ。属人化した業務に何ら手を加えず、RPAツールによって「アバター」を増やすことが果たして真の解決策なのだろうか?。そもそもロボットに頼らなければ効率化できない業務スタイル、標準化されずに属人化した業務スタイルこそが問題なのではないか、と、自身の業務を振り返った時そう思える。
ともあれ、RPAが一つのブームになっていることは間違いない、そういった意味からはRPAについて基本的な理解を得るためには良い著作であった。

お奨め度★★★

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