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Twilight Struggle(以下、本作)は、米GMT社が2005年に発売したシミュレーションゲームだ。本作は、WW2終了直後から1989年冷戦終結までの約30年間にわたる約半世紀の冷戦時代を扱う。全10Turnなので、1Turnは実際の4~5年間に相当する。プレイヤーは米ソそれぞれの首脳を演じる。2014年には完全日本語版も発売されており、日本でもプレイし易くなった。
本作のシステムについては、 以前の記事 で紹介しているので、そちらを参照されたい。

今回は、本作をVASSALでソロプレイしてみた。以下はその記録である。

1Turn

Card11_朝鮮戦争ヘッドラインはソ連が「朝鮮戦争」、米が「封じ込め政策」。「朝鮮戦争」は史実通り痛み分けに終わり、韓国は緩い親米政権に留まる。

朝鮮戦争に失敗したソ連は韓国(南朝鮮)に対して政治的浸透を実施。早くも親ソ政権を韓国に樹立することに成功した。史実よりも約70年早い文在寅政権の誕生か?。米側は日本と台湾に強力な親米政権を樹立。「ドミノ理論」でアジアにおける共産勢力拡大を阻止する。







Turn01a


ヨーロッパでは米側はイギリス、フランス、西ドイツの3ヵ国をガッチリ固めていたが、その間ソ連はワルシャワ条約機構を成立させるなど、着々と鉄のカーテンの東側で地歩を固めていく。

逆に中東方面では米側がイスラエルを拠点としてエジプト、湾岸諸国に地歩を固めていく。さらにイランにも親米政権を樹立した。

Turn01b

最後に宇宙開発だが、ソ連が世界初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功している。

このTurn終了時点でのVPはソ連側2点

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2Turn

Card09_ベルリン封鎖ヘッドラインはソ連が「ベルリン封鎖」、米が「トルーマンドクトリン」。「ベルリン封鎖」に対して西側陣営が対抗できなかったため、西ドイツが崩壊。ドイツ全土を共産勢力が支配した。統一ドイツ人民共和国の成立である。これによってヨーロッパでは東側が優勢となり、VP獲得に成功した。

中東ではこれまでは米側が一方的に支配していたが、ソ連側が急速に勢力を拡大。イラクを支配し、サウジアラビアを支配し、さらにエジプトではナセル政権が樹立されてソ連側が勢力を拡大した。

米側は欧州でも中東でも防戦一方だが、その理由はこのTurnに引いたカードのOPが低すぎることだ。3OP以上のカードがないのだから、手の打ちようがない、というのが実態だ。ここは耐えるしかない。

宇宙では、ソ連が犬の乗せた人工衛星を周回軌道に投入した。対するNASAは未だに人工衛星すら打ち上げることができない。アメリカではミサイルギャップ論が盛んになる。

このTurn終了時点でのVPはソ連側6点

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3Turn

Card08_カストロヘッドラインはソ連が「社会党政権」、米が「5か年計画」。ソ連側はイタリアで社会党政権を樹立し、さらに米側の地盤を弱めていく。一方で「日米安保条約」が締結され、東アジアにおいては米側が地歩を固めていく。

ソ連はイタリアを支配した後、ドゴール政権がフランスに樹立されたのに合わせてフランスに対しても浸透した。しかし米側も黙っていない。イタリアでクーデターを仕掛けて親ソ政権を転覆。フランスにも影響力を投入して親米政権に戻した。

中南米ではキューバで革命が起こり、カストロが政権を把握。アメリカは自らの膝元に共産勢力の存在を抱えることになる。

このTurn終了時点でのVPは0点。ソ連側は軍事行動を行わなかったことによる失点が大きかった。

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4Turn

Card77_国が何をしてくれるかではなくこのTurnから中盤戦に入る。一旦捨て札を山札に戻し、中盤戦カードを加えてシャッフルし、デッキを再構築する。
ヘッドラインはソ連が「ケンブリッジファイブ」、米が「中東得点」。まあそんなものでしょう。米は中東で3点を獲得し、初めてVPで優位にたった。

このTurnは南米、アフリカ、西アジアで両陣営が覇を競った。ソ連側が「お前らを埋めるのは我らだ」というオッかないカードを使ったとか。アメリカでは新大統領J.F.ケネディが叫ぶ。「国があなたに何をできるかではなく・・・」。
アジア方面では、アフガニスタンから南下を目指すソ連側はパキスタンに親ソ政権を樹立(イスラム教と共産主義は親和性が高い???)。対する米側はインドに親米政権を樹立して共産主義に対する阻止線とする。

さらにこのTurnは南米が新たな係争地となる。まずソ連側がチリに親ソ政権を樹立すると、米側もすかさず隣接するアルゼンチンに親米政権を樹立。その後ソ連は太平洋岸に沿ってペルー、エクアドルを支配。対する米陣営は、大西洋岸に沿ってウルグアイ、ブラジルへと地歩を広げる。

Turn04a


このTurn終了時点でのVPは米側3点

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5Turn

Card80_一人の人間にヘッドラインはソ連が「欧州得点」、米が「ワン・スモール・ステップ」。欧州で優勢に立っているソ連側は一気に5点を獲得する。一方アメリカ陣営は人工衛星を打ち上げた後、ハムという名前のついた猿を宇宙に打ち上げた。次は有人宇宙飛行をどちらが最初に行うかである。

ソ連側は「ベトナム革命」で東南アジアの一角に拠点を築き、さらにラオス/カンボジア、ビルマへ共産勢力を拡大。さらに親米政権が支配するタイにも進出し、タイを政情不安に陥れる。対する米側はタイで共産側の勢力拡大に対抗する一方、「ボイス・オブ・アメリカ」により韓国の左派勢力に揺さぶりをかけた。

宇宙では、一度はアメリカがソ連に追いついたが、ソ連はガガーリン少佐による初の有人宇宙飛行に成功し、宇宙開発でまたもやソ連が一歩リードした。

そして突然に「ニクソン訪中」によってこれまで犬猿の仲であった米国と共産中国がアジアで手を握った。世界はまたもや新しい方向に向かって進み始めることになる。

このTurn終了時点でのVPはソ連側2点

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6Turn

42_ベトナムの泥沼 ヘッドラインはソ連が「ベトナムの泥沼」、米が「ソ連の小麦輸入」。遂にアメリカがベトナムの泥沼に足を取られることになる。

何とかベトナム戦争を始末した(多分撤退したのだろう)アメリカは、アジア方面で攻勢を強める。パキスタンでクーデターを起こして共産勢力を排除。親米軍事政権を打ち立てる。また韓国では親ソ左派の現行政権に揺さぶりをかける。対するソ連は日本で共産活動を活発化させるが、共産主義嫌いの日本で共産主義が浸透する訳もなく、すぐに沈静化されてしまう。

このTurn終了時点でのVPは0点



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7Turn

Card36_限定戦争ヘッドラインはソ連が「地域紛争」、米が「処刑部隊」。ソ連はブラジルで地域紛争を起こし、現政権を打倒。した。一方アメリカは中南米でのクーデター攻勢を準備する。

今度はソ連軍はアフガンの泥沼に両足を捉えられる。「ベアトラップ」。ソ連がアフガンで藻掻いている間、米側は「ラテンアメリカ処刑部隊」を駆使して中南米でクーデター攻勢を仕掛ける。ブラジルで一度は親ソ政権が樹立されるも、すぐにクーデターで親米軍事政権を樹立する。さらにベネゼエラ、パナマに親米政権を樹立し、南米で米側が有利に立った。
さらにアジアで優位に立つ米側は「アジア得点」で大きく加点した。

このTurn終了時点でのVPは米側8点

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つづく
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