BCA_Arracourt表紙


BCS(Battalion Combat Series)とは、WW2における陸上戦闘を大隊規模で再現するシミュレーション・ウォーゲームのシリーズである。BCSの概要については、 こちらの記事 を参照されたい。

今回は、BCSシリーズの1作「Arracourt」のキャンペーンシナリオに挑戦してみた。これは、1944年9月にフランス・ロレーヌ地方のアラクール周辺で戦われた米軍とドイツ軍との戦いを描いたシナリオである。

以前に紹介したプレイでは、第3Turnまでプレイした が、途中で終わらせておくのは惜しい。
そこで、前回の対戦記録をそのまま引き継ぎ、ソロプレイでキャンペーンシナリオを続けてみることにした。

Turn03d


4Turn(9月21日)

天候は晴れ。米軍は補充ダイスに恵まれて、第4機甲師団CCAの戦車大隊を復活させた。
GE_111Pz_2111裏この日の戦いはまず戦線中央のアラコートで始まる。米第4機甲師団CCRがアラコートを守るドイツ第111装甲旅団の歩兵大隊を攻撃する。第111装甲旅団は装甲旅団とは名ばかり。度重なる激戦によって装甲兵力の大半を失い、今や歩兵部隊とそれを支援する突撃砲部隊のみの編制となっていた。米側は装甲兵力の優位を生かして一度はアラコートを占領した。しかし直ちにドイツ軍も反撃を実施。砲兵火力を使って米軍の機械化歩兵を撃破、アラコートを奪回した。

GE_15PG_III_115その南、ルネヴィル方面では、比較的大兵力を保持しているドイツ軍第15装甲擲弾兵師団がルネヴィルに籠る米第2騎兵戦闘グループの騎兵大隊を攻撃。遂にこれを撃破してルネヴィルを占領した。米軍部隊も直ちに反撃に転じたが、ドイツ軍の守りは固く、ルネヴィルを奪回するには至らない。

Turn04a


US_4A_CCA_A37裏北方では、戦力を回復した米第4機甲師団CCAがドイツ第113装甲旅団に襲いかかる。戦車性能ではパンター戦車を装備するドイツ側に分があったが、練度で勝る米戦車部隊はドイツ軍を圧倒した。米戦車大隊がドイツ軍戦車を次々と撃破し、第113装甲旅団は装甲兵力の大半を失った。
引き続き米第4機甲師団CCBが、北部の要域シャトー・サリーを攻撃する。シャトー・サリーを守るドイツ軍は強力であったが、砲兵支援を受け、さらに歩戦連合で攻撃する米軍部隊が遂にドイツ軍を撃破。米軍が初めてシャトー・サリーを占領した。

Turn04b


5Turn(9月22日)

FR_2Dio_Noiret裏天候は晴れ。先手を取った連合軍は、マップ南端から自由フランス軍第2機甲師団が登場。ドイツ第21装甲師団の補給線を遮断した。危機に陥った第21装甲師団は、フランス第2機甲師団に反撃を行い、何とか重囲を脱してムルト川東岸まで撤退した。

Turn05a


その北に隣接したルネヴィルでは、米第2騎兵戦闘グループとドイツ第15装甲擲弾兵師団が激しく戦っている。第2騎兵戦闘グループがルネヴィルを一度は奪回したものの、兵力に勝るドイツ軍がすぐに奪回する。

さらに北部戦線では、アラコートを巡る米第4機甲師団とドイツ第111,113装甲旅団が激戦を繰り広げている。米軍がアラコートを一度奪回したが、すぐにドイツ軍がそれを奪い返した。

Turn05b


ちなみに、ここでショートキャンペーンは終了となる。この時点でのVPはお互いに2VPずつ。引き分けの状況である。しかし今回はここで終わりではない。

6Turn(9月23日)

天候は雨。航空機も登場しない。このTurn、ドイツ側に増援部隊である第11装甲師団が登場する。米軍はなおもルネヴィルへ攻勢を加えるが、ドイツ軍第15装甲擲弾兵師団の奮戦でルネヴィルは落ちない。天候が悪いと、攻勢の勢いはどうしても殺がれてしまう。

7Turn(9月24日)

GE_559_2_106またもや天候は雨である。ドイツ軍第559歩兵師団が戦線北部から登場する。第559師団は米第4機甲師団の後方に回り込み、同師団の補給段列を攻撃する。米軍に主力である第4機甲師団は、たちまち混乱を来してしまう。

Turn07a


米軍としては反撃に転じたい所であったが、主要補給線を遮断されてしまったため効果的な反撃は期待できない。仕方なく機甲部隊は休養させて疲労回復に努める。

米第4機甲師団は僅か1本の主要補給ライン(MSR)に依存している。従ってそれを遮断されれば打つ手がなくなる。このような事態を避けるためには、一旦主力を後退させることも必要だったかもしれない。

8Turn(9月25日)

US_35ID_HQ天候は晴れになった。マップ西端から米軍の第35歩兵師団が登場する。第35歩兵師団はドイツ軍第559歩兵師団と交戦し、これを撃退。これにより米第4機甲師団への連絡線を回復した。さらに米第4機甲師団CCBが復活してドイツ第559歩兵師団の補給段列を攻撃し、これを撃破して第559歩兵師団の連絡線を遮断した。
それでもドイツ軍は米第4機甲師団に対して猛烈な攻撃を仕掛けた。米第4機甲師団の中でも主力のCCAは大損害を被ってしまう。

Turn08a


ちなみにこの後ドイツ第559歩兵師団は、第12Turnまで悉くSNAFUチェックに失敗し続けることになる。このように主要補給線を遮断されることは、かくも恐ろしいことなのだ・・・。

9Turn(9月26日)

GE_11Pz_11天候は再び雨。しかも補充ダイスがドイツ側に傾き、ドイツが3ポイントの補充ポイントを得たのに対し、米軍の補充はゼロだった。

先手を取ったのは枢軸軍だ。ドイツ第11装甲師団が活動を実施。先端を進む第11偵察大隊が米第4機甲師団の司令部を追い上げる。CCAの司令部は後退を余儀なくされ、CCB、CCRは連絡線を遮断された。

米軍がCCAの活性化に失敗したため、ドイツ軍が引き続き第113装甲旅団を活性化させる。要域シャトーサリーを攻撃するも、米軍の守りが固く、陥落させるには至らない。。

Turn09a


米軍は第35歩兵師団を活性化し、第4機甲師団の連絡線上に布陣しているドイツ軍偵察大隊を攻撃。これを撃退して第4機甲師団への連絡線を開通した。ドイツ軍は第559歩兵師団が連絡線遮断で動けないため、米第4機甲師団に対応できていない。

Turn09b


南方では大きな動きはなかったが、ドイツ第21装甲師団の行った自由フランス第2機甲師団への攻撃が、ドイツ軍にとっては最悪に近い結果となった。すなわちフランス軍の戦車1ステップの損害と引き換えに、ドイツ軍の強力な戦車大隊2ユニットが失われてしまったのである。

M7_Priest


つづく