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(写真1)セットアップ:3列縦陣の日本軍。日本軍左翼の左舷には距離6kmで反航体勢の米バーク隊が迫る。
(写真2)第2ターン:米軽巡頭上に照明弾が輝き、日本重巡が砲火を浴びせる。
(写真3)第6ターン:煙幕を展開しながら電探射撃を続ける米艦隊に対し、「阿賀野」は酸素魚雷を放った。
(写真4)第8ターン:日米の艦隊が至近距離で砲火を交える。この時既に「阿賀野」「若月」の姿はない。

テスト5:ブーゲンビル島沖海戦

初期配置

日本艦隊は3列に分かれて進撃している。左翼の第3水戦(軽巡1,駆逐艦3)が大きく左に突出し、その右後方から重巡2,軽巡1,駆逐艦3の本隊が追従する形になっている。対する米艦隊は日本艦隊左翼を挟むような形になっている。日本艦隊の針路を扼する形で展開しているのは、メリル少将指揮する軽巡4,駆逐艦4の本隊で、日本艦隊との距離は約14kmである。大きく突出しているのはアーレイ・バーク大佐指揮する第45駆逐隊(駆逐艦4)である。バーク隊と日本艦隊との距離は約6km。バーク隊は今まさに魚雷発射の態勢に入ろうとしている。

第1ターン

このシナリオでは先攻側砲撃フェイスにより開始される。先攻側は米軍と決まっているので、米軍の先制砲撃からゲームは始まる。メリル本隊の軽巡4とバーク隊の駆逐艦4が第3水戦に集中砲火を浴びせた。しかし射撃は拙劣で命中弾は少なかった。6in弾2発と5in弾2発が「時雨」に命中。「時雨」中破。同艦は落伍し始めた。
日本艦隊の反撃はバーク隊を狙う。日本艦隊の砲撃はバークの旗艦「チャールズ・オースバーン」をしばしば夾又したが、運悪く命中弾は皆無であった。
雷撃フェイズ。バーク隊は片舷全魚雷の40本を発射した。日本艦隊も計20本の魚雷をバーク隊に向けて発射した。

第2ターン

主導権は米軍。バーク隊は右へ一斉回頭。迫りくる酸素魚雷から必死に逃れる。イニシアティブの関係から米軍の魚雷が先に目標へ到達した。40本の魚雷は、その大半が傷ついた「時雨」に向かった。3本が命中。そのうち2本は不発であったが、最後の1本が「時雨」の船体を引き裂いた。追加損害の2重適用でなんと損害は20!。累積損害22で「時雨」は瞬時に轟沈した。
米軽巡4隻の砲火がなおも第3水戦に注ぎ込まれる。「モントピリア」の放った6in砲弾2発が「川内」に命中したが、1発は不発、もう1発は装甲板に弾かれて実害なし。「デンバー」の主砲弾は2発が「五月雨」に命中。損害2。「五月雨」中破。さらに「五月雨」は機関部に命中弾を受けて航行不能に陥った。「五月雨」中破により日本軍の指揮値は1低下して5になった。
日本重巡戦隊が距離18kmで米軽巡を捉えた。「妙高」の放った照明弾が米軽巡の頭上を明るく照らす。「妙高」「羽黒」が初めて主砲を放つ。しかし夾叉はなし。

第3ターン

主導権は日本側。先ほど放った魚雷がようやくバーク隊の位置にまで到達した。届いたのは酸素魚雷だけで、「川内」の発射した90式魚雷は燃料切れで水没した。16本の魚雷は米駆逐艦の至近距離を掠めたが、惜しくも命中はなかった。しかしこの回避運動のため。バーク隊は大きく戦場を離れてしまった。
日本艦隊の照明弾が再び米艦隊の頭上を明るく照らし出す。その光の下、米軽巡に対して「妙高」「羽黒」が主砲を放った。しかしまたもや夾叉はなし。日本艦隊は自らの射撃技量に対する自信が揺らいだ。
米艦隊の砲撃は「川内」に6in砲弾3発が命中。損害2。初めて「川内」に損害が出た。

第4ターン

主導権は米軍。早くもバーク隊が戦場に戻ってきた。機関部に命中を受けて動けない「五月雨」を米駆逐艦4隻の集中砲火が襲う。しかし5門艦の悲しさ。夾叉は出るものの命中はない。
一方巡洋艦同士の打ち合いでは、米駆逐艦が煙幕を展張して味方軽巡群を隠した。これには日本艦隊もなす術がない。煙幕の隙間から「妙高」が照明弾を放ったが、狙いが外れてしまった。

第5ターン

主導権は日本側。「川内」「白露」は「五月雨」救援のために反転した。残りの主力6艦は、単縦陣を形成。米艦隊との距離を詰めるべく左60度回頭する。対する米艦隊。バーク隊は「五月雨」を撃沈すべく展開する。メリル隊は前衛駆逐艦に煙幕展張を続けさせる一方、主力の軽巡群は日本軍本隊に対してT字を描く形となった。米軽巡の砲火が再び火を噴く。「阿賀野」には「クリーブランド」の6in砲弾4発が命中。損害2。「阿賀野」は小破した。「長波」には「コロンビア」の主砲弾2発が命中。損害2。「長波」中破。駆逐艦が次々と米軽巡の砲火によって抹殺されていく。バーク隊の砲火は傷ついた「五月雨」に降り注ぐ。5in砲弾2発が命中。損害2。累積損害4で「五月雨」は沈没した。救援に向かっていた「川内」「白露」は9kmの距離からバーク隊に砲撃を加えたが、命中弾はなかった。

第6ターン

主導権は日本。とにかく距離を詰めて有視界戦闘に持ち込むしかない。ここで日本艦隊の砲火がようやく一矢を報いた。バーク隊と撃ち合っていた「白露」が2発の5in砲弾をバークの旗艦「チャールズ・オースバーン」に命中させたのだ。損害2。さらに特殊損傷で機関部がやられた「オースバーン」は航行不能となった。
米艦隊の砲撃は6in砲弾3発が「阿賀野」に命中した。しかし「阿賀野」の装甲に阻まれて損害なし。
「阿賀野」「白露」が魚雷を発射。「阿賀野」は雷数を決めずに発射する。「白露」は4本発射としたが、それは航行不能の「オースバーン」を葬り去るためだ。

第7ターン

主導権は米。「オースバーン」を狙うかに思えた4本の酸素魚雷は、不用意にも舷側を向けた米駆逐艦「ダイソン」の横っ腹に命中した。追加損害も出て損害16。「ダイソン」は何が起こったのかわからないまま真っ二つに割れて轟沈した。
メリル隊も日本艦隊相手に苦戦していた。「阿賀野」の放った本数不明の酸素魚雷は、米艦隊を混乱させるのに十分だった。魚雷回避と隊列立て直しの為に180度一斉回頭を行う米艦隊、その隙を付いて重巡2、駆逐艦2の日本艦隊が遂に米駆逐艦を視認距離に捉えた。猛烈な砲火が接近中の日本艦隊を襲う。しかし回頭中の射撃は正確さを欠き、軽巡4、駆逐艦4の砲撃は1発の命中弾も得られなかった。一方バーク隊は「ダイソン」の仇を取った。2隻の駆逐艦が「白露」に集中砲火を浴びせた。5in砲弾2発が命中。損害2。「白露」中破。しかも追加損害の衝撃も出て「白露」は戦闘能力を失った。
日本艦隊の反撃。「川内」が停止している「オースバーン」を狙った。夾又。5.5in砲弾2発が命中。損害2。累積損害4。「オースバーン」中破日本艦なら沈没している所だが、防御力に優れたフレッチャー級駆逐艦は度重なる打撃に良く耐えていた。
メリル隊に随伴していた米駆逐艦4隻が魚雷を放った。本数不明。

第8ターン

主導権は日本。「阿賀野」の魚雷8本が米駆逐艦に迫る。しかし運悪く全魚雷はずれ。一方米駆逐艦の放った魚雷が「阿賀野」に迫る。発射したのは10本だったが、そのうちの1本が「阿賀野」に命中した。爆発。損害5。さらに特殊損傷のボイラー爆発が出て追加損害3。累積損害10。「阿賀野」は沈没した。日本海軍期待の新鋭軽巡は初陣で倒れたのである。
日本艦隊は距離3kmで米駆逐艦を捉えた。重巡2,駆逐艦2の砲火が米駆逐艦に降り注ぐ。「若月」の放った4in砲弾2発が「サーチャー」に命中。損害2。しかしこのフレッチャー級はまだ戦える。
「川内」は手負いの「オースバーン」にさらに1発命中させた。累積損害5。「オースバーン」撃沈。海に投げ出されたバーク大佐はその後どうなったのだろうか?。
メリル隊の砲火が日本艦隊に降り注いだ。軽巡2、駆逐艦4(残り軽巡2は目標変更とCP不足のため射撃せず)は「初風」に6in砲1発、「若月」に6in砲3発、5in砲4発を命中させた。「初風」は軽微な損害(損害1)であったが、「若月」の損害は7に達した。勿論許容量を超えている。「若月」沈没。日本海軍期待の新鋭防空駆逐艦も米艦隊の餌食となってしまった。
そして魚雷発射フェイズ。米軍は意図を隠す必要は最早ない。残った全魚雷30本を迫りくる日本艦隊向けて発射した。日本艦隊も発射可能な全魚雷24本を放つ。残していても発射する機会はもうないだろうからな。

第9ターン

主導権は米。避けるまもなく魚雷が日本艦隊を襲う。「初風」には2本が命中。1本は不発であったが、もう1本が合計9損害を「初風」に与えた。「初風」轟沈'。
重巡「羽黒」にも1本が命中。損害7で「羽黒」はまだ戦える。しかし特殊損傷がよりによって舵機命中。「羽黒」航行不能。手負いの獅子に米軽巡が迫る。
「初風」が死ぬ間際に放った魚雷8本が米駆逐艦を捉えた。1本が「フート」に命中。損害5。「フート」沈没。米艦隊に3隻目の犠牲が出た。
米艦隊は軽巡2,駆逐艦3で手負いの「羽黒」に集中砲火を浴びせる。6in砲弾4発が命中。損害3。累積損害10で「羽黒」中破。
日本艦隊の反撃。「妙高」の砲撃が米軽巡を捉えた。メリルの旗艦「モントピリア」に8in砲弾2発が命中。損害2。しかし「モントピリア」にとってはかすり傷のようなものだ。

第10ターン

最終ターン。主導権は米。日本側が先ほどの「羽黒」の脱落により指揮値が2にまで落ち込んだ。CPも残りはわずか3点しかない。米軽巡4隻が動けない「羽黒」に集中砲火を浴びせる。6in弾5発が命中。損害3。累積損害13で「羽黒」大破
「妙高」の反撃。「モントピリア」に8in砲弾1発が命中。損害1。累積損害3。しかし「モントピリア」はまだまだ大丈夫だ。
ここでゲームが終了。米側が必要勝利得点を満たし、日本側が達成できなかったので米側の勝利が確定した。しかし少なくとも勝利条件上は惜しかった。もう1隻米駆逐艦が沈むか、あるいは軽巡1隻を中破させていれば、勝利条件上は日本軍の勝利となるのだ。しかしいずれにしても以下のバランスシートを見て「勝利」を感じることができる日本海軍軍人は殆どいなかったとは思うが・・・。

両軍の損害

日本軍
 沈没:軽巡1(阿賀野),駆逐艦4(時雨,五月雨,初風,若月)
 大破:重巡1(羽黒)
 中破:駆逐艦2(白露,長波)
 小破:軽巡1(川内)
(無傷で残ったのは大森少将の旗艦「妙高」だけ)
米軍
 沈没:駆逐艦3(ダイソン,オースバーン,フート)
 軽微な損害:軽巡1(モントピリア),駆逐艦1(サーチャー)

勝利得点
 日本:45、米:125、米艦隊の勝利

プレイ時間:約3時間(記録時間含む)

つづく