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スパルタクスの戦いからそろそろ2週間。
新作ゲームをやりたいと思う。
そこで今回はCMJ#62の付録ゲームTigers in the Mistを取り上げたい。

「霧の中のタイガース」

うーん、嫌な響きだ・・・・。


ゲームの概要

このゲームは言うまでもなくバルジの戦いをテーマとするゲームである。
ユニットの規模は大隊~連隊。例えば独第12SS師団は戦車大隊3ユニット+装甲擲弾兵2ユニット、米第9機甲師団は戦車3ユニット+機械化歩兵1ユニットからなる。ユニットの能力は、ステップ数と1ステップ当たりの攻撃火力-防御火力、そして移動力でレーティングされている。1ステップ当たりの攻防火力は兵科によって一律決まっていて、国籍や装備車両等による際はない。その辺りはステップ数の違いにより表現されているのであろう。
マップはエリア方式。ただし移動は道路沿いにしか行えないため、実質的にはP2P(ポイントトゥポイント)となる。移動力消費は、1級道路=1、2級道路=2で、あとは彼我のユニットの存在、渡河等で移動コストが追加される。敵ユニットはとにかく、味方ユニットの存在によって余分な移動力を消費するのは、言うまでもなく交通渋滞を表したルールだと思う。いかにもバルジというルールだ(とは言っても、私、バルジ戦のことは殆ど知りませんが・・・)
戦闘は、両軍が同じエリアに存在するエリアで発生し、彼我の支援砲撃、防御側射撃、攻撃側射撃の順番で解決される。射撃は射撃ユニットのステップ数分だけダイス(D10)を振り、火力以下の目が出たら命中、目標ユニットが1ステップ失うというもの。後退ルールはなく、射撃戦はかなりブラッディになる。防御側は先に射撃解決ができる点、火力が大きい点(一般に防御火力の方が攻撃火力よりも大きい)、諸兵科連合効果によるペナルティが適用されない点(攻撃側は歩兵、戦車、砲兵がセットになっていないと相手の射撃命中率が+10%されてしまふ)。簡単なルールが特徴のこのゲームの中で、戦闘ルールだけは少し面倒な細則がある。
 曰く「クオリティが自分と同じ以下の敵ユニットを攻撃せよ」
 曰く「敵の全ユニットを攻撃せよ」
 曰く「防御側は敵1ステップユニットを無視して良い」
覚えてしまえば大したルールではないとは思うが、それでも最初に規定や例外をゴチャゴチャ覚えるのはちょっと面倒な感じもした。2度ばかり練習シナリオをプレイした所、最初はやや戸惑ったが、慣れれば大したことはない。ただ大規模なシナリオだと細かい規則を忘れそうで、一々確認しないといけないのは、ちょっと面倒かもしれない。

両軍の戦略

戦力の分析

このゲームは1ステップ当たりの戦闘力が兵科毎に一律で、兵科別の火力差もそれほど大きくはない。従って両軍のステップ数を比較するのも有効だろう。

Turn : German/Allied
16-1 : 184 / 65
16-2 : 184 / 65
16-3 : 189 / 66
17-1 : 193 / 85
17-2 : 193 / 85
17-3 : 196 / 101
18-1 : 248 / 128
18-2 : 248 / 128
18-3 : 248 / 131
19-1 : 255 / 131
19-2 : 255 / 131
19-3 : 259 / 138
20-1 : 283 / 153
20-2 : 283 / 153
20-3 : 285 / 157
21-1 : 291 / 167
21-2 : 291 / 167
21-3 : 291 / 172
22-1 : 291 / 222
(注)予想される両軍の損害は加味していない

全般として連合軍が圧倒的に不利である。ステップ数比較で初期は米独比率は約1対3。第17-3ターンに第10機甲師団を中心とする増援が到着し、ようやく対独軍比率が50%を超えるが、そのまま50%前後の戦力比で推移することになる。第22-1ターンに合計50戦力の増援を得てようやく対独比が80%近くに達するが、そこまで戦線を維持できるかどうか?。
このことから連合軍の戦略は自ずと見えてくる。消耗戦は禁物。敵と同程度の出血を続けていれば戦力比率はどんどん悪化し、いずれは戦線が崩壊するだろう。連合軍としては少なくとも敵に対して2倍程度の損害を強要し続けないと戦力比は維持できない。だから連合軍は無用な消耗を避けて可能な限り部隊を温存し、独軍による消耗戦略に巻き込まれないようにしなければならない。
独軍はその逆。自軍の損害を顧みず敵に出血を強いていけば連合軍はどんどん弱体化していき、やがては敵戦線が崩壊するであろう。

勝利条件の考察

戦力比から考察すると「連合軍がどこかで押し返す」という展開は望めそうにない。連合軍はズルズルと後退しながらも時間切れによる勝利を狙う展開になるだろう。連合軍はVPを24以下に抑えれば勝利する。ここで問題なのはVPが毎ターン加算されていくということ。ゲームの長さは7ターン。従って1ターン当たりの損失VP平均を4点未満に押さえなければ勝利はない。ここでは第3ターン終了時における独軍の獲得VPを3点以下に抑えることを目標に設定してみよう。
最前線に近いLuxembourg[16]、Aachen[37]には固執しない。合計しても2VPにしかならないから、取られても許容範囲である。マップ中央付近のArlon[62]、Bastogne[109]、Aywaille[128]、Liege[131]は是非守りたい。まあArlonは1VPだし、戦線中央から少し離れているので場合によっては放棄もやむを得ないが、後の三箇所は是が非でも保持したい。この3箇所でどれだけ長く保持できるかが勝敗を左右しそうに思う。難しいのはマップ北端の盤端エリアD、E、Fである。エリアE、FはVPの倍数も大きいので保持すべきである。問題はエリアD。VP倍数が小さいので場合によっては放棄もやむを得ないが、VPから判断すると微妙な所である。
独軍の立場から言えば、できるだけ早期にBastogne[109]、Aywaille[128]、Liege[131]ラインを突破したい。しかし兵力に優る独軍の場合、真正面から米軍叩く以外に連合軍戦線を出来る限り広範囲で攻撃を加えて、弱点を作り出して有利な状況を生み出す手もある。独軍は色々と策を弄することができて楽しそうだ。

一般戦術

地形効果は河川だけである。兵力に劣る連合軍は河川の防御効果を生かしてできるだけ独軍の進撃を遅らせたい。工兵隊の使い方が鍵になるだろう。またチャンスがあれば独軍工兵隊を狙い撃ちしたい。工兵がなければ架橋ができず、架橋ができなければ独軍は奥深くまで進撃できない。独軍が余程ヘマをしない限り工兵を潰すチャンスはないだろうが、それでも丹念に橋を潰すことによって独軍の渡河作戦を出血を強いる行為に変えることができるかも知れない。