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 (写真1)シナリオシート
 (写真2)米新鋭戦艦「サウスダコタ」:この戦いでは日本艦隊相手に奮戦したが、多数の命中弾(主に重巡クラスの主砲弾)により大きな損害を被った。
 (写真3)日本戦艦「霧島」:戦艦「ワシントン」から放たれた主砲弾9発以上、副砲弾40発以上の命中により撃沈された。

久しぶりに「ソロモン夜襲戦」(自作水上戦ゲームの仮名称)のシナリオを作る。
第3次ソロモン海戦第2次夜戦。太平洋戦争でも数少ない戦艦同士の夜間戦闘だ。
この戦いの特徴は、日本軍の敵情誤認、それに伴う日本軍の対応ミス、そして3式弾による射撃である。
今回、本海戦をシナリオ化するにあたって、3式弾関連のルールは採用を見送った。「難易度を上げたくない」というのが主な理由だが、折角の戦艦対決だから両方ともあまり「縛り」を入れたくない、というのが大きい。
日本側の敵情誤認及び対応ミスについては、シナリオ初期は日本側軽快艦艇だけで米戦艦に立ち向かわなければならないような陰謀ルールを入れてみた。果たしてうまくいくかどうか・・・。

シナリオの背景

 キャラハン部隊の奮戦によってガダルカナルの米軍飛行場は生き残り、日本の増援輸送船団は航空攻撃によって大損害を被ったが、まだ輸送船が4隻残っていた。日本軍としては是が非でもこの4隻をガダルカナルへ送り届けなければならない。そこで日本軍は戦艦霧島を基幹とする飛行場攻撃隊を新たに編成し、ガダルカナルへ向かわせた。
 一方前日の戦闘で巡洋艦隊を失った米海軍は、最後の切り札、つまり新鋭戦艦を投入することにした。すなわち2隻の新鋭戦艦(ワシントン、サウスダコタ)に寄せ集めの駆逐艦4隻をつけ、これをリー少将に預けてガダルカナルへ向かわせたのである。
 こうして日米の戦艦同士が、ガダルカナル近海で激突することになった。

歴史的な結末

 敵兵力を巡洋艦部隊と誤認した日本軍は、軽巡以下の軽艦艇だけで敵戦艦と戦う愚を犯してしまった。それでも日本軍は夜戦技量の冴えを見せ、軽艦艇のみの攻撃により米駆逐艦4隻すべてを撃沈破して敵戦艦を裸にした。続いて戦闘に加入した戦艦1、重巡2の日本主力部隊が砲撃によって米戦艦「サウスダコタ」を撃破した。しかし米艦隊最後の1隻、戦艦「ワシントン」の反撃はすさまじかった。正確な砲撃が日本戦艦「霧島」を襲い、多数の16インチ砲弾を喫した「霧島」はやがて大破炎上した。この時点で日本側は戦艦同士の交戦を諦め、残った艦隊に退避を命じた。一方、米軍もしばらくしての追撃を諦め、ここに第3次ソロモン海戦第2次夜戦は終了した。
 日本軍の損害は、沈没、戦艦1、駆逐艦1、米軍の損害は、沈没、駆逐艦3、損傷、戦艦1、駆逐艦1。日本軍は再び飛行場攻撃に失敗し、やがてガダルカナルを飛び立った米軍機が、残った日本軍輸送船4隻をすべて撃沈するのである。日本軍のガダルカナル増援作戦は完全な失敗に終わり、以後ガダルカナルにおいて日本軍は攻勢に出る力を失った。