例によって時事ネタを何か書こうと思うのですが、あまり思いつきません。お気に入りだった「1リットルの涙」が今日(もう昨日か)最終回だったのですが、ビデオに撮ったまままだ見てません。前半は「一生懸命生きるって大切なことだな」という感じの番組でしたが、後半、特に亜也(本作の主人公)の病気が進行していくと、今度は「人間諦めが肝心だ」という、どこか仏教色の濃い(って書いたら怒られるかな?)内容になってきました。まあ楽しめる作品だったことは間違いないのですけどね。
という訳で本題です。
「ソロモン夜襲戦」小口径砲見直し
前回、英戦艦のデータを見直した際、副砲の性能が問題となりました。例えばKGV級の133mm砲。口径が大きいから日米127mm砲よりも強力な砲であることは間違いないと思うのですが、さて、実際の性能はどのくらい違うのか?。ゲーム上は同じ砲として扱って良いほどの差なのか、それとも全く違う性能なのか?。あるいはQE級戦艦やレナウンが搭載した114mm両用砲。これは127mm砲と100mm砲のどちらに近いのか。あるいは全く別種の砲としてレーティングし直すべきなのか?・・・。そのようなことを明らかにしたかったので、一度調べなおすことにしました。情報のソースは例のNaval Weapons of the Worldです。
[名称] [発射速度] [砲弾重量] [射程] [備考]
-- Royal Navy --
133mmL50 7-8[rps] 80[lbs] 21400[m] KingGerogeV級,Dido級(Vanguardは発射速度が18rpsに向上)
120mmL45 7-10[rps] 50[lbs] 15545[m] Tribal級,J級DD
120mmL40 8-12[rps] 50[lbs] 14780[m] Nelson級
114mmL40 12-20[rps] 55[lbs] 18970[m] QueenElizabeth,Valiant,Renown等
102mmL40 約13[rps] 31[lbs] 10590[m] 駆逐艦用
102mmL45 10-12[rps] 31[lbs] 12660[m] Repulse等
-- US Navy --
127mmL38 12-22[rps] 53[lbs] 16070[m] 米艦の主力両用砲
127mmL25 15-20[rps] 54[lbs] 13259[m] 戦前型戦艦、巡洋艦の両用砲
127mmL51 8-9[rps] 50[lbs] 18420[m] 戦艦副砲用
100mmL50 8-9[rps] 33[lbs] 16730[m] 平甲板型
-- 日本帝国海軍 --
120mmL45 5[rps] 45[lns] 15000[m] 旧式駆逐艦
127mmL50 10[rps] 51[lbs] 18380[m] 駆逐艦用平射砲
127mmL40 8-14[rps] 51[lbs] 14800[m] 松型、主力艦用高角砲
100mmL65 15-21[rps] 29[lbs] 19500[m] 秋月型、大淀
-- Royal Navy --
133mmL50 7-8[rps] 80[lbs] 21400[m] KingGerogeV級,Dido級(Vanguardは発射速度が18rpsに向上)
120mmL45 7-10[rps] 50[lbs] 15545[m] Tribal級,J級DD
120mmL40 8-12[rps] 50[lbs] 14780[m] Nelson級
114mmL40 12-20[rps] 55[lbs] 18970[m] QueenElizabeth,Valiant,Renown等
102mmL40 約13[rps] 31[lbs] 10590[m] 駆逐艦用
102mmL45 10-12[rps] 31[lbs] 12660[m] Repulse等
-- US Navy --
127mmL38 12-22[rps] 53[lbs] 16070[m] 米艦の主力両用砲
127mmL25 15-20[rps] 54[lbs] 13259[m] 戦前型戦艦、巡洋艦の両用砲
127mmL51 8-9[rps] 50[lbs] 18420[m] 戦艦副砲用
100mmL50 8-9[rps] 33[lbs] 16730[m] 平甲板型
-- 日本帝国海軍 --
120mmL45 5[rps] 45[lns] 15000[m] 旧式駆逐艦
127mmL50 10[rps] 51[lbs] 18380[m] 駆逐艦用平射砲
127mmL40 8-14[rps] 51[lbs] 14800[m] 松型、主力艦用高角砲
100mmL65 15-21[rps] 29[lbs] 19500[m] 秋月型、大淀
こうやって並べてみてもウーン、どうでしょうか。余計に悩みが増えました(笑)。今までは127mm砲については日米同等としていたのですが、駆逐艦用の砲を比べると明らかに性能差がありますね。射程では長砲身の日本艦が有利、発射速度では米艦の砲が有利です。日本艦でも松型等は射程の短い砲を積んでいるのだから余計に厄介です。射程の優位だけを考慮すれば日本側の127mmL50の方が米127mmL38よりも強力なのですが、実際問題として射程距離16kmと18kmの違いが実戦での性能にどれほどの違いがあるのでしょうか?。駆逐艦級の主砲の場合、有効射程距離はせいぜい10km以下であり、それ以上の距離では有効な射撃は期待できません。だから16kmと18kmの違いにそれほど固執する必要はないと思われます。無論、日本駆逐艦の長い砲身は近距離における射撃精度に対して有利に作用するでしょう。しかしその優位は米駆逐艦の持つ発射速度の優位によって打ち消されてしまう程度のものと思われます。これらの要素を加味すると、日米の駆逐艦用主砲は(結局のところ)同性能というレーティングでそれほど問題ないと思われます。
日本の旧式駆逐艦用120mmL45については困ったものです。弾丸重量が小さく、射程も短く、発射速度が小さい。ただ別の火砲として扱う程でもないので(登場する隻数が少ないですから)、搭載艦は127mmL50搭載として扱い、搭載艦の火力自体を小さくする(3/4程度)ことで対処することにします。
秋月型の100mmL65についてはどうしましょうか?。1発当たりの威力が小さいですが、それは長砲身による初速の有利と弾道の正確性、そして高発射速度によってカバーできるでしょう。そう考えると127mmmL50と同性能で良いと思われます。秋月の搭載火砲を「127mm砲」なんて書くと、日本艦ファンの中には「秋月の主砲は100mmだ!!」なんて絡む人がいるかも知れませんが(笑)、デザイナーズノートに一文書いておけば納得していただけるでしょう。
松型(及び戦艦搭載の高角砲)の127mmL40については、射程距離で127mmL50よりも不利ですが、発射速度で上回っているので同性能とレーティングしても左程問題はないと思われます。
米艦の127mmL38については、先ほどの考察で日本艦の127mmL50と同性能としました。これが米127mmL25になると少し困ったことになります。この砲は射程距離が14km以下と極端に短いのです。しかしこの砲は多くの場合127mmL51等と混載されていることが多く、個々の艦船の火力を計算する際は両者を混合して考えても良いと思われます。127mmL51は発射速度こそ低いものの射程距離では127mmL38を上回ります。高発射速度の127mmL25と長射程の127mmL51の混載で、その性能は127mmL38と同じにしました。
米フラッシュデッキ型旧式駆逐艦の100mm砲については、射程は127mmL38とほぼ同等。弾丸重量は2/3です。廃艦所要弾数の考えを適用すると1発当たりの威力は3/4になります。発射速度も小さいので一番楽なのは砲の性能は同じにして、艦固有の火力を小さくすることです。弾丸の威力と発射速度を加味すれば2/3ぐらいが適当でしょうね。100mm砲という枠を用意して別種の火砲として扱っても良いのですが、小口径砲にそこまで拘ることもないでしょう。デザイナーズノートに一文書いておいて、100mm砲は127mm砲で代用することにします。
日本の旧式駆逐艦用120mmL45については困ったものです。弾丸重量が小さく、射程も短く、発射速度が小さい。ただ別の火砲として扱う程でもないので(登場する隻数が少ないですから)、搭載艦は127mmL50搭載として扱い、搭載艦の火力自体を小さくする(3/4程度)ことで対処することにします。
秋月型の100mmL65についてはどうしましょうか?。1発当たりの威力が小さいですが、それは長砲身による初速の有利と弾道の正確性、そして高発射速度によってカバーできるでしょう。そう考えると127mmmL50と同性能で良いと思われます。秋月の搭載火砲を「127mm砲」なんて書くと、日本艦ファンの中には「秋月の主砲は100mmだ!!」なんて絡む人がいるかも知れませんが(笑)、デザイナーズノートに一文書いておけば納得していただけるでしょう。
松型(及び戦艦搭載の高角砲)の127mmL40については、射程距離で127mmL50よりも不利ですが、発射速度で上回っているので同性能とレーティングしても左程問題はないと思われます。
米艦の127mmL38については、先ほどの考察で日本艦の127mmL50と同性能としました。これが米127mmL25になると少し困ったことになります。この砲は射程距離が14km以下と極端に短いのです。しかしこの砲は多くの場合127mmL51等と混載されていることが多く、個々の艦船の火力を計算する際は両者を混合して考えても良いと思われます。127mmL51は発射速度こそ低いものの射程距離では127mmL38を上回ります。高発射速度の127mmL25と長射程の127mmL51の混載で、その性能は127mmL38と同じにしました。
米フラッシュデッキ型旧式駆逐艦の100mm砲については、射程は127mmL38とほぼ同等。弾丸重量は2/3です。廃艦所要弾数の考えを適用すると1発当たりの威力は3/4になります。発射速度も小さいので一番楽なのは砲の性能は同じにして、艦固有の火力を小さくすることです。弾丸の威力と発射速度を加味すれば2/3ぐらいが適当でしょうね。100mm砲という枠を用意して別種の火砲として扱っても良いのですが、小口径砲にそこまで拘ることもないでしょう。デザイナーズノートに一文書いておいて、100mm砲は127mm砲で代用することにします。
ここまで考察してようやく本題の英艦の搭載火砲に話が行きました。
まず133mmL50。127mmクラスの砲に比べると射程が大きくまた1発当たりの威力も大です。射程については、射程の短い米127mmL38に比べると3割増で、この両者を同じクラスの砲としてみるには無理があります。1発当たりの威力も127mm砲よりも確実に上回っています。ここは133mmL40砲を他の火砲とは区別して別の砲としてレーティングすべきでしょう。ただこの火砲は発射速度の遅さが気になりますね。実際、射程距離は大でも発射速度が低いため対空火器としての性能は米127mmL38に比べて見劣りしたそうです。対水上戦ならば低発射速度はそれほど極端な不利にはなりませんが、あまり過大評価し過ぎないように注意しましょ。
英駆逐艦等が搭載する120mmクラスの火砲については、1発当たりの重量が50ポンド級で他の127mmクラスの砲とほぼ同等。射程の短さがやや気になる所ですが、それでも米127mmL38とほぼ同等とみなせばそれほど違和感はありません。結論として英120mm砲は米127mmL38と同等としました。
114mmL40砲については、カタログスペックを見る限りは信じられないぐらい高性能ですね(本当かな?、どこかで間違えているのかな?)。55ポンド級の砲弾を毎分12-20発の発射速度で撃ち続け、その射程が約19kmというのはにわかに信じ難い数値です。もしこの数値が本当ならば、米127mmL38を遥かに上回る高性能砲になります。ちょっと自信がないので114mmL40砲はとりあえず米127mm38と同程度の性能と考えることにしました。
英の102mm級の砲については射程も短く威力も小さいですね。発射速度は127mmL38等と大差ありません。射程は米100mmL50と比較して相当落ちます。まあ発射速度の分をプラスに、射程距離をマイナスに評価し、総合的には米100mmL52と同様に127mmL38の2/3程度にしましょう。
まず133mmL50。127mmクラスの砲に比べると射程が大きくまた1発当たりの威力も大です。射程については、射程の短い米127mmL38に比べると3割増で、この両者を同じクラスの砲としてみるには無理があります。1発当たりの威力も127mm砲よりも確実に上回っています。ここは133mmL40砲を他の火砲とは区別して別の砲としてレーティングすべきでしょう。ただこの火砲は発射速度の遅さが気になりますね。実際、射程距離は大でも発射速度が低いため対空火器としての性能は米127mmL38に比べて見劣りしたそうです。対水上戦ならば低発射速度はそれほど極端な不利にはなりませんが、あまり過大評価し過ぎないように注意しましょ。
英駆逐艦等が搭載する120mmクラスの火砲については、1発当たりの重量が50ポンド級で他の127mmクラスの砲とほぼ同等。射程の短さがやや気になる所ですが、それでも米127mmL38とほぼ同等とみなせばそれほど違和感はありません。結論として英120mm砲は米127mmL38と同等としました。
114mmL40砲については、カタログスペックを見る限りは信じられないぐらい高性能ですね(本当かな?、どこかで間違えているのかな?)。55ポンド級の砲弾を毎分12-20発の発射速度で撃ち続け、その射程が約19kmというのはにわかに信じ難い数値です。もしこの数値が本当ならば、米127mmL38を遥かに上回る高性能砲になります。ちょっと自信がないので114mmL40砲はとりあえず米127mm38と同程度の性能と考えることにしました。
英の102mm級の砲については射程も短く威力も小さいですね。発射速度は127mmL38等と大差ありません。射程は米100mmL50と比較して相当落ちます。まあ発射速度の分をプラスに、射程距離をマイナスに評価し、総合的には米100mmL52と同様に127mmL38の2/3程度にしましょう。
そんなこんなで出来上がったのが添付写真の火砲表です。いかがでしょうか?。
今回色々調査してみて、特に英133mmL50と114mmL40には興味が湧きました。機会を見つけてもう少し詳しく調べてみたいと思います。
写真説明
(写真1)英防空巡洋艦シリウス(HMS Sirius)。前後に5基の133mmL50連装両用砲を搭載している。防空艦として期待された同級艦であったが、主兵装の133mm砲が防空用としては能力不足であった。(写真2)米防空巡洋艦アトランタ(CL51 Atlanta)。艦首に並ぶのは127mmL38連装両用砲。同艦は計16門の両用砲を搭載し、強大な防空火力を誇った。
(写真3)「ソロモン夜襲戦」の火砲表(改訂版)
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