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(写真)見張台から見た赤石岳


少し間が空きましたが、今回が南アルプスレポートの最終回です。

3日目(つづき)

椹島への下山路については樹林帯の中を歩くだけのある意味「つまらない」登山が続きます。歩き始めて1時間ほどで「見張台」と呼ばれる景観の良い場所に出ます。正面に赤石岳がどーんと見えます。さらに1時間ほど下ると「清水平」と呼ばれる水場に出ます。ここで乾いた喉を潤し、冷たい水で顔を洗います。

(写真)見張台の景観
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ここからは後は降りていく一方。所要時間は2時間ほどです。最初は順調に高度を下げていったのですが、椹島まであと1時間という所で正規コースから大きく外れた道を歩くことになりました。とはいってもコースミスをした訳ではなく、先日来の集中豪雨によって正規ルートの渓谷道が流されてしまったそうです。中部電力用の保安道沿いに臨時のコースが設定されていたのですが、これがまた歩き難いのなんの。「あと1歩でゴール」という場所で岩場登りや整備されていない悪路を歩くはさすがにきつかったです。誰もいない山の中でしきりに悪態をつきながら、ようやく山を越えて正規のルートに戻りましたが、その時は精神的にかなり参っていました。

(写真)正規ルートを外れた山道。ゴール目前でこんな岩場を登っていくのは結構辛い
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(写真)大井川に架かる吊橋。ここを越えればゴールは目前だ
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大井川沿いの渓谷を歩き、保安用道路に出て、炎天下の道をしばらく歩くと、ようやく眼前に椹島ロッジの看板が見えてきました。ロッジに降りる林道を歩き、売店の前に到着したのは1215です。千枚小屋からの所要時間は5時間弱。コースタイム5時間40分よりは短時間でしたが、最後に正規ルートを外れた時にはコースタイムを30分以上上回ってしまいました。

(写真)椹島ロッジ手前の看板。本当に「おつかれさま」だよー。
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帰宅

1300発のバスにはまだ少し時間があったので、ロッジの食堂で山菜うどんを食べました。味のほうはまあとにかく、ここへ来てようやく「人間の住んでいる世界」に帰ってきたという実感がわきました。

(写真)椹島で食べた山菜うどん
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(写真)椹島ロッジの風景
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1300発のバスに乗って1時間ほどで畑薙第1ダムに着きます。自家用車に乗り換えてます。途中の温泉に寄り道し3日間の汗を流しました。温泉を出たのは1500頃。途中寄り道をしたり渋滞に巻き込まれたりしながら、家に辿り着いたのが2030頃でした。

まとめ

2泊3日、歩行距離約40km、累積標高差+3000/-3000m。今回の山旅は昨年夏に南アルプス北部を歩いた時に匹敵する過酷なコースでした。危険個所はあまり多くありませんが、悪沢岳への登り下りは注意を要する場所です。中級以上なら問題ありませんが、完全な初心者は避けた方が無難でしょう。登山路は比較的良好に整備されています。コースを示す赤ペンキもハッキリと書かれているのでコースミスの危険性は小さいと思います。ただ正規コースの一部が水害によって使えなくなっているのは予想外でした。そのために千枚小屋コースの所要時間が長くなっています。

このコースは途中に山小屋や避難小屋が数多くあり、その点は安心できます。各小屋の正規収容人数はそれほど多くないのですが、各小屋とも別館のようなものがあり、それらを利用するとかなり多くの人数を収容できるみたいです。それでもシーズンになれば登山者が多く集り、稜線上の山小屋はいずれもかなり混雑します。

今回食料はカロリーメイトとビスケット類、そしてレトルト食品を持参しました。火器も携行しました。水は2.5リットル携行したのですが、これはやや多過ぎたみたいです。荷物の総重量は約12kg。容積的には中型ザックでほぼ満杯になる量でした。

今回の成果は南アルプス南部の3000m級峰3座(悪沢岳、荒川岳、赤石岳)の制覇です。目的は達成し、その結果私は日本百高山の2~13位を制覇しました。そうなってくると日本第1位の高峰=富士山未踏破なのが気になる所です。富士山は決して「登りたい山」ではないのですが、それでも1つだけ残しているのは精神衛生上よろしくありません。次の山登りは一つ富士山でも狙ってみましょうか。

満足度90%