先日、紅葉を見るために穂高岳連峰へ行ってきました。穂高岳連峰とは、北アルプスを代表する山塊の1つで、本邦第3位の奥穂高岳(3190m)を筆頭に、涸沢岳(3110m)、北穂高岳(3106m)、前穂高岳(3090m)、西穂高岳(2909m)といった3000m級の山々が連なっています。主な登山口は上高地で、例えば奥穂高岳登頂を目指す場合、山中1泊以上が必要になります。
今回は紅葉が目当てだったのでピークハンティングはあまり重視しませんでした。涸沢カールでじっくりと紅葉を楽しむことができれば良し、あとはその場の気分で、という感じでした。
第1回目~第4回目までは上高地から涸沢カールに至り、涸沢小屋に宿泊した後、2日目に涸沢カールを1周した後、パノラマコースを登って屏風のコルに着くまでを紹介しました。今回は最終回で、パノラマコースを経て上高地に下山するまでを紹介します。
パノラマコース(承前)
屏風から反対側を見下ろすと、梓川の蛇行する姿が見え、そこへ至る谷間は赤や黄色の紅葉が埋め尽くしています。涸沢の紅葉も良いですが、このパノラマコースの徳沢側の紅葉もまた素晴らしいものがあります。屏風ノコルから下っていく途中、所々で足を止めて、デジカメで写真を撮りました。(写真1)屏風ノコルから見下ろした梓川
(写真2,3)パノラマコース下山路で見る紅葉
しかしそろそろ帰りの時間が気になってきました。当初の予定では0900に涸沢出発、1300に徳沢着。そこで食事休憩。上高地には1500着ということでした。しかしこの分では徳沢到着が1400頃になりそうです。
屏風ノコルから1時間ほど下った所に谷間になった所があります。時計を見るといつのまにか1200過ぎになっていました。ここで小休止し、ビスケットを2枚食べました。カメラと三脚もザックに仕舞います。ここから少しペースアップしないといけない。
屏風ノコルから1時間ほど下った所に谷間になった所があります。時計を見るといつのまにか1200過ぎになっていました。ここで小休止し、ビスケットを2枚食べました。カメラと三脚もザックに仕舞います。ここから少しペースアップしないといけない。
ここからは狭い山道が下り中心になってきます。左右に見える紅葉は相変わらず美しいですが、先ほどまでに比べると景観的にはやや見劣りするのは否めません。標高が下がってきたので視野が狭くなってきたためでしょう。写真を撮りながらの登山はどうしてもペースが遅くなってしまいますが、これからは下山に専念し、少しペースアップを図りたい所です。
先の休憩場所から1時間ほど下って標高1800mぐらいまで降りてきた所が「中島新道分岐」と呼ばれる所です。奥又白谷という渓谷の渡渉点で、多くの人が休憩しています。谷の奥に前穂高岳が聳え、さながら谷川岳に於けるマチガ沢の如き風景を作っています。
(写真4)中島新道分岐
ここから徳沢までコースタイムでは1時間ほどです。沢沿いの山道をひたすら下り、やがて作業用道路に出ると、今度はその道路沿いに歩いていきます。途中で新村橋への左折路が出てくるのでそこを左折。清らかな流れを見せる梓川を眼下に見ながら新村橋を渡るとすぐに横尾からの道と合流します。ここから10分ほどで徳沢園に着きます。とまあ言葉で書くと数行で終わってしまいますが、実際に歩いて見るとかなり長いものですよ。所要時間は45分ぐらいだったかな?。特に新村橋を渡ってから、徳沢園までがかなり遠く感じました。
(写真5)新村橋から見た梓川。その向こうに見えるのは常念岳。
上高地へ向かう
徳沢園の自動販売機でジュースを買い、それをぐいっと飲み干します。この一瞬がたまらなく好き。人によってはビールでしょうけど、私はあまり「ビール好き」ではないし、トイレのことや帰りの運転のことを考えると、たいていはジュースにしています。徳沢園を出たのは1400頃でした。少し遅れ気味なので先を急ぎます。上高地へ向かう山道の所々で紅葉が始まっていました。時折赤や黄色に染まった木々が見えます。梓川対岸に見える前穂高岳は、昨日見たときよりも白が減っているように思えました。かなり雪の部分が溶けてしまったのでしょうか?。梓川は相変わらず美しい流れを見せてくれます。上高地へは何度も来ていますが、この梓川の水の美しさはいつも心を奪われます(綺麗な写真を残せなくてスイマセン)。
明神では休憩せずに上高地へ一気に向かいました。かなりハイペースで歩いたので河童橋には1520頃到着。振り返って穂高連峰の方を見ると、山の上には白い雲がかかっていて、山頂部は見えませんでした。
(写真6)河童橋から振り返った穂高連峰の山々
上高地のバスセンターには1530着。ここでバスの切符を買います。沢渡行きのバスには長い列が出来ていたました。なんでも上高地への道の途中でタクシーが事故を起こし、現在通行止めになっているとのこと。いつ帰れるのか少し不安になりましたが、幸い20分ほど待っただけでバスに乗り込むことができました。
1615に沢渡駐車場到着。あとは近くの温泉に寄り道したり、渋滞を避けるために適当にノンビリしていました。
まとめ
とまあ、こんな感じで1泊2日(美ヶ原及び前夜車中泊を入れれば3泊3日)の山旅は終わりました。最初にも書いたとおり、当初涸沢カールに行こうかどうかは結構迷いました。雪の影響、天候の是非等不安要素が多かったからです。またかつて2度涸沢カールを訪れた際、いずれも悪天候に祟られたという苦い経験もありました。結果から言えば今回の山旅は大成功でした。穂高に入ってからの2日間は殆ど終日「晴」状態。今まで私は涸沢カールで一度も「青空」を見た事がなかったので、「涸沢カールっていつも曇っている所なんだ」という先入観がありました。しかし今回はまさに「絵に書いたような青空」。しかも山頂部は積雪。まさに理想の「三段紅葉」を見ることができました。目の前の風景もまさに風景写真で見た景色そのまま。私の写真でその美しさをどこまでお伝えできたかは疑問がありますが(笑)、私自身にとっては大満足の山旅でした。
満足度★★★★★
さーて、これでしばらくは秋の涸沢カールからはオサラバかな?。
おわり
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