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(写真)在りし日の神岡鉄道。猪谷駅にて

神岡鉄道廃止について

今日、ニュースを見て初めて知ったのですが、第3セクターの「神岡鉄道」が今月一杯で廃止になるそうですね。多分、鉄道マニアの間ではもう周知の事なんでしょうけど、「なんちゃって鉄」の私にとっては青天の霹靂でした。
神岡鉄道といっても知らない人には「何それ?」という感じでしょう。JR高山本線の猪谷駅から奥飛騨温泉口まで約20[km]を結ぶ第3セクターの鉄道です。非電化単線区間を単行のローカル線が1日数往復しています。トンネルや橋梁が多いために「奥飛騨の地下鉄」と呼ばれているそうです。

廃止の直接原因は神岡鉱山からの硫酸輸送が鉄道からトラックに転換されたことだそうです。確かに旅客輸送だけを考えてみた場合、神岡鉄道周辺だけでは観光資源が乏しいことは否めません。終点の奥飛騨温泉口からバスで平湯温泉や上高地へ向かうこともできなくはないようですが、そんな面倒なことをしなくても高山から直接バスに乗って上記の目的地へ向かったほうがはるかに便利です。第一、山岳観光の中心は公共交通機関から自家用車にシフトしているのは確実。そういった意味から今回の廃止はやむを得ないことなのでしょう。

それにしても残念な話です。
宮脇俊三氏の名作「時刻表2万キロ」の冒頭で筆者が旧国鉄神岡線(神岡鉄道の前身)を尋ねる件があるのですが、その場面での鉄道や鉄道旅の描写が秀逸でした。夜の上野駅で夜行列車に乗り込む場面。朝の猪谷駅で列車を間違えてその場に取り残される件。その周囲に広がる水墨画のような風景等。この部分を読んだだけで私は鉄道旅行の虜になってしまいました。
それだけに今回は廃止前に是非一度乗っておきたいと思っているのですが、なんせ廃止が「今月一杯」とまあ急な話。今から切符を買って富山まで新幹線と特急を乗り継いで、日帰りで「さよなら神岡鉄道」というのもちょっと辛い所です。

神岡鉄道に限らず、第3セクター方式の鉄道はどこも苦戦を続けているようです。北海道の第3セクター「ふるさと銀河線」が廃止されたのは今年の4月。全長140[km]の比較的長距離を走る線で、帯広方面と北見を結ぶ路線だったのですが、少子高齢化とマイカーへのシフトには抗し得なかったようです。九州の高千穂鉄道は昨年秋の台風による災害復旧の目処が立たないので廃止が決定。昨年廃止された石川県ののと鉄道では鉄道再開運動が盛り上がっているようですが、先行きは苦しそう。また第3セクターではありませんが、茨城県の鹿島鉄道鉾田線は来年の廃止が決定しているし、千葉県の銚子鉄道は経営難を「ぬれ煎餅」事業だけで支えているというようなニュースも伝わっています。

九州新幹線開業や東北新幹線延伸等、鉄道事業を巡る動きは悲観的なものばかりでもないのですが、地方ローカル線については確実に淘汰が進んでいるようです。近い将来、鉄道は都市部と幹線網のみ、というような時代がやってくるかもしれません。

(写真1)奥飛騨温泉口駅に停車するディーゼル機関車。5年前の写真なので、まだ貨物輸送は継続していたのだろう。
https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/5/e/5ecf2c5c.jpg

(写真2)神岡市街の景観
https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/5/9/59ddac37.jpg

(写真3)奥飛騨温泉口駅の風景
https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/c/2/c2bd9f0e.jpg