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JR姫新線というのをご存知でしょうか?。兵庫県姫路市と岡山県新見市とを結ぶ全長158.1kmのローカル線です。沿線には佐用、上月、津山等があります。姫新線と一言で言っても実際にはおよそ3つの区間に区分されます。
 (1) 姫路-佐用
 (2) 佐用-津山
 (3) 津山-新見
上記のうち、(1)については姫路市中心部とその周辺地区との交通手段という側面が強いです。そのため姫路からの近距離列車、特に本竜野や播磨新宮辺りまでは1時間に2本程度の運転本数があり、それなりに利便性を保っています。しかし播磨新宮からその先佐用までは本数が極端に少なくなります。
(2)は県境を走る区間で、佐用では第3セクターの智頭急行線との乗り継ぎがあり、津山ではJR津山線、因美線との接続があります。このあたりは織田信長麾下の一武将だった頃の羽柴秀吉が毛利氏と戦った場所でもあり(上月城の攻防戦は有名)、歴史好きの人にとっては魅力を感じる場所です。しかしながら輸送需要は小さく、そのために列車の本数も極端に少なくなっています。
(3)は津山と新見を結ぶ区間で、全線ほぼ中国高速道路と平行して走っています。当然ながらローカル線が高速道路の利便性に敵うはずもなく、このあたりも輸送需要は小さいようです。津山、新見中心部とその周辺部の交通手段としての役割がメインです。

先日、この姫新線に乗る機会がありました。折角のこの機会。できれば広島から三次、備後落合、新見を経て、姫新線へつなぐ「中国山地大縦走」にチャレンジしたかったのですが、時間の関係上このプランは実現が難しいとわかりました。仕方がないので今回は姫新線だけで諦め、広島-新見間の芸備線は、また次回ということにしました。

新見まで

早朝に山陽地区の某所を出発。倉敷で0747発の伯備線新見行きに乗りました。この列車は山陽本線から直通運転してくる列車で、ローカル線には相応しくない6両編成という大編成です。当然車内はガラガラ。駅弁を食べて少しトローンとしていた私は、ボックス席に足を伸ばしたまま寝てしまいました。

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伯備線、備中高梁駅付近から見た桜

新見-津山

新見駅に着いたのは0900頃です。余談ですが、この駅の駅員さんに1人すごい美人がいました。こんな田舎の駅(失礼)にはやや不釣合いな感じがします。
駅を出て1~2分歩いた所に高梁川が流れています。伯備線から見る高梁川は大河に相応しい貫禄を持っていますが、ここから見る高梁川はちょっと寂しい感じがします。駅から15分ほどの場所に城址公園があります。丁度桜が綺麗な時期でしたが、時間の関係で今回は遠くから見るだけに留めました。

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上は新見駅前の風景。下は駅近くを流れる高梁川。向こうに見える桜の山は城山公園です

新見発0955の津山行きはワンマンカーの単行車です。車内はそこそこ混んでいました。輸送需要に合わせて列車の本数を調整しているからでしょう。仕方がないことです。発車した列車は、大きく左にカーブし、高梁川を渡って東へ向かいます。周囲の風景は平凡そのもの。田園風景の中で所々にオレンジ色に輝く石州瓦。平凡といえばこれほど平凡な風景もないのですが、どこか日本の原風景を感じさせてくれる景色です。折りしも所々で桜がピンク色の花を咲かせていて、平凡な風景を彩る程好いアクセントになってくれています。

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沿線の風景。オレンジ色の瓦が石州瓦

津山-佐用


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津山駅前のバスターミナル。津山からは大阪、京都方面へ30分毎のペースで高速バスが出ています。18切符で旅行するという一部の物好きはとにかく、通常は津山へのアクセスは高速バスを利用するのが一般的になっているようです

津山に着いたのは1125頃でした。折りしも津山では「津山城さくら祭り」なるイベントが開催されていて、姫路方面や岡山方面から多くの客が来ていました。津山行きのワンマンカーが混雑していた理由の一つに「桜まつり」の影響もあったかも知れません。天気が良ければ桜の花を見るのも悪くないのですが、生憎空は白い雲がかかっていました。そこで今回は「桜まつり」を断念し、そのまま姫新線の旅を続けることにしました。
津山発1227の佐用行きはさっきと同じワンマンカー単行車。先ほどと同様に車内はかなり混んでいました。沿線の景観は今までとあまり変わり映えはしないのですが、こちらの方がやや都市化が進んでいるらしく、沿線の景観に占める人口建造物の割合が多くなってきます。その分景観的な魅力にはやや欠けます。

佐用-姫路


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佐用発姫路行きのワンマンディーゼルカー。佐用駅にて

佐用駅には1330頃到着。目の前には1343発の姫路行きが既に入線しています。今までと同じくワンマン単行車ですが、今回は旧国鉄型なので少し風情があります。この車両もかなり混んでいます。ここに至り、ようやく混んでいる理由が少しわかってきました。

「みんな考えることは一緒」

ということでは。姫新線全線を走破しようとする場合、今回私が選んだ時間帯は「明るい時間帯で姫新線を走破できる」という意味で貴重なものです。他の時間に比べても無理が小さく、滅茶苦茶早い時間や遅い時間になることもありません。しかも18切符の利用可能時期で、なおかつ沿線の桜が綺麗な時期。なるほどこれなら混むのも仕方がありません。

とまあ、どうでもいい事を考えながら列車は1343に佐用駅を発車しました。車内はほぼ満員。車窓の風景は平凡なままです。それでも所々で桜の花が綺麗に咲いています。姫新線は桜が綺麗な路線ですが、その中でも佐用-姫路間が最も桜を愉しめる区間ではないかな、と思います。

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播磨新宮駅で見る桜の木。姫新線では桜の花を間近で見ることができる箇所が多く、この時期は旅人を愉しませてくれます。

播磨新宮からは姫路近郊路線の性格を強くしてきます。花見帰りらしい客も乗車してきて、車内は一層混んできました。ここから終点姫路までは所々で桜が綺麗に見えます。曇り空が少し残念です。

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終点姫路駅の風景。知らない間に姫路駅が高架になっていたので、少し驚きました。

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