SSGの古角さんから「ソロモン夜襲戦のプレイ例を作ってみては?」というアドバイスを頂いたので、叩き台として作ってみました。
前回は移動を取り上げました。今回は射撃を取り上げます。

(注)「ソロモン夜襲戦」とは、自作の水上戦ボードゲームです。詳しくはこちら

射撃の例

前回の続きです。今回は射撃を扱いますが、ここでは日本軍による射撃のみを見て行きます。連合軍側はCPが足らないので、射撃はできません。

射撃目標の設定及びCP消費

日本軍は下図の通り射撃目標を設定しました。この時、CA1の射撃で1CP、CA2,CA3,CA4,CA5の射撃で2CP(CA2~CA5は同一グループと見なせます)、合計3CPを消費しました。日本軍のCP残量は、前回までの「4」から「1」まで減少します。

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射撃目標の設定


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記入シート上での射撃目標記入

夾又判定(重巡「鳥海」の場合)

それぞれの射撃について夾又判定を行います。
まず日本軍CA1から連合軍CA1に対する射撃です。CA1の主砲は20cm砲です(記入シートに記載されています)。以下の表を見て下さい。これは日本側の砲性能を一覧表示したものです。20cm砲の「射程距離」の欄を見ると「6-12-18」とあります。これは、距離0~6ヘクスが短距離、7~12ヘクスが中距離、13~18ヘクスが長距離となることを示しています。日本軍CA1と連合軍CA1の距離は5ヘクスなので、今回の射撃は短距離射撃になります。


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日本軍砲性能表

次に以下の表を見て下さい。これが夾又判定表です。距離に対応した夾又値が記載されています。今回の場合は短距離なので夾又値は「7」になります。これに各種の修正を適用し、最終的な夾又値が得られます。


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今回適用される修正は以下の通りです。
・目標速度1~2 +1
・射撃艦がこのターンに旋回を実施 -1

最終夾又値は「7」。D10で「7」以下の目を出せば「夾又」に成功します。コロコロっと降って出たダイス目は、無情にも「9」。重巡「鳥海」(CA1)渾身の一撃は、敵艦の周辺に水柱を上げただけに終わりました。

夾又判定(第6戦隊の場合)

続いて第6戦隊(CA2~CA5)が夾又判定を行います。目標は連合軍CA2。砲は20cm。距離は5~6ヘクスなので短距離で、夾又値は「7」です。
今回適用される修正は以下の通りです。
・目標速度1~2 +1
・射撃艦がこのターンに旋回を実施 -1
・集中射撃2~4隻 -1
最終夾又値は「6」。D10で「6」以下の目を出せば、「夾又」に成功します。順番にダイスを降った結果が以下の通りです。
「2」「10」「4」「1」
その結果CA2,CA4,CA5が夾叉に成功しました。これらの艦は続く「命中判定」に進むことができます。また記録シートに「夾又成功」を示す○印を書き込みます(次ターンの射撃で、CA2,CA4,CA5は「連続射撃」の適用を受ける可能性があります)。


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命中判定

先ほど夾又判定に成功したCA2,CA4,CA5について命中判定を行います。まず射撃艦の火力を調べます。記録シートを参照すると、CA2,CA4,CA5のいずれも、主砲火力は「4-6-2」(前方-側方-後方)となっています。今回は側方射界火力を使用するので、火力はすべて「6」になります。
射撃命中判定表(表B2)を見て下さい。目標が中型艦、火力「6」の欄でダイス(D10)を振ります。ダイス目が1なら2発命中、2~4なら1発命中、5~10なら外れです。ダイスを振る回数は、夾又1回につき3回です(この回数は射撃艦の損傷状況や彼我の距離によって若干の増減があります)。今回は夾又3回なので、合計9回ダイスを振ります。


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ダイス目は以下のようになりました(昇順表示)。

「1」「2」「2」「3」「4」「6」「6」「9」「10」

その結果、合計6発の20cm砲弾が連合軍CA2「シカゴ」に命中しました。

損害判定

命中した6発の20cm砲弾について損害判定を行います。命中弾数分ダイス(D10)を降ります。ダイス目は以下のようになりました(昇順表示)。

「2」「3」「5」「6」「7」「8」

ダイス目が5以下の場合は「非装甲部命中」になります。ダイス目をそのまま表B3に適用します。ダイス目が6以上の場合は「装甲部命中」になります。この場合、目標艦の装甲がDMになります。連合軍CA2の装甲は「2/6/5」。今回は短距離からの射撃なのでDMは+2になります。


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DMを適用した後のダイス目は

「2」「3」「5」「8」「9」「10」

日本軍砲性能表(表B3)を見て下さい。


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表B3で横行に砲の種類、縦列にダイス目を交差照合した結果が、目標に与える損害になります。

「1」「1緑」「1」「1」「1」「1」

数値の合計が損害ポイントになります。合計6ポイント。また緑は追加打撃を示し、緑1つにつき、余分に1回ダイスを振ることができます。追加打撃分のダイス目は「9」。装甲部命中なのでDM+2を適用して「11」。これを表B3に適用すると、結果は「1赤」。損害ポイントがさらに+1されて合計7ポイント。そして「赤」が出たので、射撃特殊損傷表(表B5)を見て下さい。ダイス(D10)を振って特殊損傷を決定します。

ダイス目は「3」でした。

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結果は、

「砲塔被弾 火災(FF)発生 固有船体数の1/6(切り上げ)に相当する損害を受ける」

です。
連合軍CA2「シカゴ」はさらに損害ポイントが+3(≒16÷6)されて合計10、さらに火災が発生しました。CA2は中破します。CA2の中破に伴い、連合軍の指揮値は-1されて「3」になりました。

敵艦を右舷約8000メートルに発見した日本艦隊は、直ちに砲火を開いた。「鳥海」は敵先頭艦を狙ったが、大きく外れ。「青葉」以下の第6戦隊は敵2番艦を狙った。多数の砲弾が敵2番艦=米重巡「シカゴ」に命中した。砲塔を吹き飛ばされた「シカゴ」は激しく炎上しはじめた。


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まとめ

以上で「射撃の例」は終了です。如何でしょうか?。
文章で書くと結構面倒に思えるかもしれませんが、実際にプレイしてみるとサクサク進みます。上記の例でも実際のプレイでは5分とかからないでしょう。それでいて「多数の砲弾が命中して炎上する重巡シカゴ」といった雰囲気はそこそこ出ています。

次回は雷撃を説明します。