Game Journal誌#22の付録ゲーム「東部戦線冬期戦41-42」をプレイしました。私にとっては久しぶりの「陸戦作戦級」になります。
このゲームは、独軍の「タイフーン作戦」全般と、その後の赤軍による冬季反攻作戦を扱ったもので、マップにはモスクワ周辺のかなり広い範囲が描かれています。SPIの「Typhoon」と同じく、地図の東端中央にモスクワが描かれ、地図南端にはクルスク、北端にはセルゲイ湖、西はヴィテブスクやブリヤンスクを含んでいます。
1ユニットは1個師団。スタック制限は独軍3個、赤軍5個となっていて、これは両軍の部隊規模の違いを表しているものと思われます。

前回までのあらすじ



第9ターン(1941/11/26)

天候=凍結
独軍はモスクワ正面への攻撃を継続しつつ、包囲された第2装甲軍を解囲するための活動を開始した。
モスクワ正面では第3装甲軍を主力とする突破部隊がイストラ南方の戦線を突破。遂にモスクワまであと1ヘクスと迫った。
その南、モジャイスク方面では、モジャイスク周辺でポケットを形成することに成功。赤軍計7個師団(歩兵6、戦車1)を包囲した。
さらに南、第2装甲軍戦区では、包囲された第2装甲軍と第4装甲軍から派遣された機動打撃部隊が反撃を開始した。赤軍の包囲環はまだまだ薄く、それを食い破るのは容易だった。2個所で赤軍の包囲網を突破した独軍は、突出した赤軍部隊を逆包囲に成功。ツーラを中心とする包囲環の中に赤軍計9個師団(歩兵2、騎兵6、戦車1)が閉じ込めれた。

赤軍の反撃。モスクワへの直接脅威が迫ってきている。モスクワ前面に兵力を集中し、そこを死守する構えである。
ツーラ方面では包囲されている部隊の解放作戦を開始。独軍の戦線を2個所で突破し、解放作戦は成功した。しかし突出していた騎兵部隊の損害は大きく、包囲された部隊や解囲作戦に参加した部隊等のうち数個師団は次の攻勢には使えないぐらい疲弊していた。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/7/2/7261d9e6.jpg
第9ターンの状況。独軍は突出してきた赤軍反撃部隊に対して機動反撃を実施。その多数を包囲した。


https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/8/f/8f6ab69f.jpg
第10ターン開始時の状況

第10ターン(1941/12/03)

天候=凍結
気温はどんどん下がってマイナス30度に達した。そろそろ軍事行動の限界に達しつつある。しかし独軍は最後の力を振り絞ってモスクワに肉薄していった。
モスクワ前面の陣地帯に対して攻撃開始。両翼の要塞線を突破。モスクワ前面への足がかりを築いた。その後方モジャイスクでは抵抗していた赤軍歩兵を撃破してモジャイスク攻略。モスクワへ直通する鉄道線を確保した。
その南方ツーラ方面では、第2装甲軍がツーラを奪回。しかし大雪が迫り来ることを察知した第2装甲軍は機械化部隊に後退を命じた。鉄道線沿いに続々と後退する独軍装甲師団。
第2戦闘フェイズ。独軍は装甲3個師団、自動車化3個師団をかき集めてモスクワ市街へ6-1(最高比)による攻撃を敢行した。守る赤軍は親衛師団を含めた3個師団。確率50%でモスクワの一角にハーケンクロイツが翻るはずだった・・・・、が、
「コロコロコロ」
と転がったダイス目は

「1」

無情にも独軍の攻撃は撃退され、精鋭部隊はモスクワ前面でその進撃を止められた。そして冬将軍はすぐそこまで迫ってきている・・・・。

赤軍の反撃。モスクワ前面に突出している独軍機械化集団に対し、両翼突破による包囲線を試みた。しかしその試みは独軍守備隊の果敢な抵抗にあって頓挫。攻撃に参加した精鋭部隊の殆ど大半(親衛歩兵、親衛戦車等計5個師団)が消耗状態になってしまった。その北方クリン周辺、あるいは南方オカ川方面では赤軍の反撃は功を奏し、独軍の微弱な前線を突破しつつあった。


https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/5/d/5d063168.jpg
第10ターン終了時の状況。モスクワに対する乾坤一擲の攻撃は、しかし・・・・。


第11ターン(1941/12/10)

天候=大雪
戦場に大雪が降った。いよいよ冬将軍の到来である。前進を続けていた独軍の補給状況は一気に悪化し(大雪になると補給線が一気に短くなる)、最前線に取り残された部隊は雪の中次々と倒れていった。
しかし独軍は大雪の降る中でも整然と後退を行った。
北方ではカリーニンを包囲していた独軍歩兵師団が、同市の包囲を継続しつつ徐々に後退。カリーニンに立て篭もっていた赤軍狙撃兵師団2個は、とうとう補給切れで降伏した。
その南方、モスクワ正面では、モスクワに肉薄していた装甲師団、自動車化師団が次々と撤収を開始。モジャイスク付近まで後退し、そこに新たな防衛線を築いた。
その南方、オカ川北岸地区では、独軍歩兵師団数個が赤軍の重囲下に陥った。それを救出すべく装甲師団を主力とする独軍がカルーガ付近に展開していた赤軍戦車師団に猛攻を加えてこれを撃破。包囲下の独軍歩兵は雪の中半数を失いながらも、辛うじて友軍戦線に辿り着いた。
さらにその南方、オカ川南岸地区では、独軍歩兵部隊がツーラを中心に薄い抵抗線を築く。

赤軍の本格的な冬季反攻が開始される。
北方カリーニン周辺では、カリーニン陥落の喜びも束の間、赤軍部隊がカリーニン南方から反撃を開始。独軍鉄道補給線を遮断し、カリーニン周辺に展開していた独軍5個歩兵師団を補給切れに追い込んだ。
その南方、モジャイスク北方の森林地帯でも赤軍が二箇所にわたって独軍防御線を突破。独軍第17装甲師団他を包囲しつつ、さらに西を目指す勢いである。
その南方、ツーラ付近では、ツーラの西方で赤軍が突破に成功。後方に回り込んだ赤軍騎兵が、コサックよろしく鉄道線を遮断した。独軍全体に崩壊の危機が迫る。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/f/b/fbb4b5ce.jpg
第11ターン終了時の状況。大雪の降る中、独軍の苦しい撤退が始まる。


第12ターン(1941/12/17)

天候=大雪
気温は氷点下40度を越えた。いよいよ冬将軍が本格化してきた。
先ほどのターン、戦線を大きく食い破られた独軍は、装甲師団と自動車化歩兵師団を中心とする「火消部隊」を編成。突破してきた敵部隊を各個に撃破していった。この戦術は功を奏し、戦線後方に回り込んだ赤軍の戦車師団、騎兵師団が次々と撃破されていった。
独軍はモスクワを遠巻きにするように、ルジェフ・モジャイスク・カルーガ・ツーラという線で戦線を安定化させることに成功した。

赤軍は先ほどのターンで快速部隊が大損害を被ったことにやや後悔の念を感じていた。物量を誇る赤軍とはいえ、快速打撃部隊の数はそれほど多くはない。一連の戦闘で多数の快速部隊を失ったことは、赤軍の突破能力に大きな翳りを残していた。
そこで赤軍は方針を転換。従来のように「独軍を真似た電撃戦」をやめ、高火力部隊を集結させた正面突破により前進することにした。最初の目標はモジャイスクである。モジャイスク前面の陣地帯に立て篭もる独軍3個歩兵師団(いずれも損耗状態)に対し、赤軍は精鋭15個師団を集結。5-1攻撃3個所を敢行し、幅3ヘクスの突破路を切り開いた。
続く第2戦闘フェイズ。15個師団、30火力を集めた赤軍部隊は、モジャイスクを守る独軍第2装甲師団に猛攻を加えた。5-1のオッズでダイスは「5」。第2装甲師団は壊滅。赤軍はモジャイスクを「解放」した。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/2/0/200f11f1.jpg
第12ターン終了時の状況。独軍は南方戦線を安定化させることに成功したものの、赤軍はモジャイスク方面で新たな突破口を開いた。