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Game Journal誌#22の付録ゲーム「東部戦線冬期戦41-42」をプレイしました。私にとっては久しぶりの「陸戦作戦級」になります。
このゲームは、独軍の「タイフーン作戦」全般と、その後の赤軍による冬季反攻作戦を扱ったもので、マップにはモスクワ周辺のかなり広い範囲が描かれています。SPIの「Typhoon」と同じく、地図の東端中央にモスクワが描かれ、地図南端にはクルスク、北端にはセルゲイ湖、西はヴィテブスクやブリヤンスクを含んでいます。
1ユニットは1個師団。スタック制限は独軍3個、赤軍5個となっていて、これは両軍の部隊規模の違いを表しているものと思われます。

前回までのあらすじ



第13ターン(1941/12/24)

天候=吹雪
クリスマスになっても戦場では砲声が鳴り止まない。遂に気温は氷点下50度に達した。
吹雪の吹き荒れる中、独軍部隊は戦線の南北で限定的な反撃を行った。
北部ではボロコラムスク付近に赤軍の脆弱点を発見。装甲師団2個、自動車化師団1個を投入して突破を試みた。攻撃は成功。カリーニン南方の鉄道線を遮断し、カリーニン周辺に展開する赤軍十数個師団を一時的にせよ補給切れに追い込んだ。
南方ではツーラ北部で突撃を敢行。しかしこちらは赤軍部隊の奮戦に阻まれて突破はならなかった。

赤軍はカリーニン方面へ増援部隊を送り込んで防衛線を固める一方、モスクワ正面での攻撃を継続した。赤軍先鋒はボロジノ前面まで到達。その南方では赤軍部隊がメドゥインに到達した。その間に挟まれた独軍は、装甲2個師団を含む4個師団が補給切れに追い込まれた。


第14ターン(1941/12/31)

天候=吹雪
大晦日も戦争は続く。しかし両軍とも明らかに疲れが見えてきた。
独軍はボロジノ付近の戦線を整理すべく装甲部隊で火消的な反撃に出た。この攻撃が功を奏し、赤軍快速部隊3個師団を葬った。
赤軍もそろそろ攻撃力が限界に達しようとしていた。ボロジノへの重点攻撃を実施。独軍第10装甲師団を撃破しつつ、ボロジノを解放することに成功した。


第15ターン(1942/01/07)

天候=吹雪
新しい年を迎えた。そしてまたみんな1つオジサンになった。
独軍は装甲部隊を結集してボロジノ方面で反攻を実施した。突出していた赤軍部隊を撃破。戦線を安定化した。

その後

独軍の反撃で快速部隊の大半を撃破された赤軍は、モスクワ防衛を優先する為積極的な攻撃を停止。独軍も現戦線を維持しつつ春を待つことにした。

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ゲーム終了時の状況


勝利得点

独軍

モスクワに隣接:30VP

赤軍

残存独軍30個以上:10VP
モジャイスク:5VP

結果

独軍の勝利。


感想

ルールを一部誤解していて独軍に不利なルールを適用(例えばステップロスした赤軍がZOCを失うことを忘れていた等)していたにも関わらず、結果的には独軍の勝利に終わりました。赤軍の敗因としては、精鋭部隊をバラバラに投入して各個撃破の憂き目を見たことでしょうか。精鋭部隊は「ここ一番」に備えて温存し、大雪が降ったら「それっ」とばかりに全戦線で大突破を図り、独軍に対応する暇を与えずに一挙に包囲殲滅、というのが宜しいように思います。まあ、なかなかそううまくは行かないのですけど・・・・。

細かいルールはそれなりにありますけど、全般的な難易度は中程度です。それなりに楽しめるゲームと言えるのではないでしょうか。両軍とも攻撃と防御を堪能でき、それぞれの特徴が出ています。ユニットの移動力や戦闘力が小さめなのも良いかな。戦闘力が小さいのでオッズ計算が楽だし、「ギリギリのオッズを求めて部隊を探し回る」ということも本ゲームではそれほど頻発しません(皆無とは言えないところが悲しい)。
移動力については、一番速い独軍機械化部隊でも「5」。道路移動率によるボーナス等も一切ありません。河川渡河で+1、ZOCtoZOCで+1(赤軍は+2)、湿地は浸透移動以外では侵入不可、ぐらいが目に付く程度です。ただし騎兵や機械化部隊は「全力移動」すると分散損耗の可能性があるので、注意が必要です。

個人的には、移動力は「5」ぐらいが丁度良いです。二桁になるようない移動力の場合、移動範囲が広すぎて各ユニットの移動可能範囲を把握するのに「疲れ」ます。また、極端に移動力が大きいと「その間相手は何をしているの?」という疑問も出てきます。

ZOCはいわゆる弱ZOC。ZOCtoZOCは追加移動力を支払えば実施可能です。ですから守っている側は、重要戦線は部隊を隙間なく敷き詰めて並べる必要があります。私的にはこの方式は賛成です。

戦闘システムは、「限定マストアタック」というようなものを採用しています。これは「攻撃実施は任意だが、攻撃する場合には隣接する全敵部隊を攻撃しなければならない」というもので、有名な所では旧SPIの「War in the East」がこの方式を採用しています。私的には、この方式は結構お気に入りです。本ゲームのシチュエーションに上手くマッチしているように思えます。
他には独軍の「諸兵科連合」ルールが目を引きます。これは独軍装甲部隊とその他の部隊がスタックしている毎に、攻撃時1コラムシフトを得られるというものです。例えば諸兵科連合スタック3個で攻撃すると、コラムシフトは3になります。要塞攻撃や市街地攻撃でも使用できるので、独軍にとっては有難いルールです。こういった細かな部隊運用の楽しみがこのゲームの魅力の1つでもあります。

欠点としては、「プレイ時間の長さ」が上げられるでしょう。
今回は14ターンまでプレイを切り上げましたが、所要時間は合計「12時間」ほどかかりました。1ターンの所要時間は、長い場合で1時間以上。「泥」や「大泥」のように両軍の動きが乏しい期間だけ1ターン20~30分ぐらいです。ちなみに上記の時間には「写真撮影」や「記録」の時間は含まれていません。熟練すればもう少し時間短縮が可能かもしれませんが、それでも1ターン40~50分は必要かと思われます。最終ターン(18ターン)までプレイすることを考えた場合、10時間以上は覚悟しておく必要があります。もし「長考くん」と一緒にプレイする場合、1プレイヤーターンで1時間は覚悟しておく必要があるので、プレイ時間は20時間以上(笑)になるかもしれません。いずれにしても1日で完遂するのはかなり難しいように思います。

Game Journal誌の紹介記事によれば「プレイ時間4~6時間」とありますが、これはどう考えても不可能な数字です。プレイ時間=6時間ということは、1ターンの平均所要時間がたったの「20分」。1プレイヤーターンの平均所要時間は「10分」になります。でもダブルインパルスを使用したこのゲームで、1プレイヤーターン=10分というのは、よほど熟練しない限りは不可能だと思います。
ちなみに本ゲームには9ターンのミニシナリオもありますが、ミニシナリオでは本ゲームの魅力を十分味わうことはできないでしょう

このゲームはダブルインパルス方式を採用しているのですが、個人的にはダブルインパルスはあまり好きではありません。ダブルインパルス方式では、
・第1インパルスは防御を考えずに1点突破狙い
・第2インパルスは散開して戦線を組む
という展開になりがちなのですが、これって実際の戦争とは違っているように思えるのです。
・機甲部隊の突破力
・予備の重要性
こういったテーマの再現がダブルインパルスシステムの狙いだとすれば、他にも例えばZOC離脱のペナルティを厳しくする等の方法で上記の狙いは再現可能ではないかな、と思ったりします。

まとめ

魅力的なテーマ設定、比較的簡単なルール等、このゲームはそれなりに魅力に満ちたゲームであることは確かです。コンポーネント面でいくつか不備は気になりますが、それを補完できるゲーマーであれば、プレイする価値はあります。
プレイ時間の長さが気になる所ですが、「1日潰す覚悟」「最終ターンまで終わらな」くても満足できるのであれば、このゲームは魅力的なアイテムでしょう。

ただし「長考くん」とのプレイは考え直した方が無難でしょう。イライラする可能性が「大」です。

お奨め度★★★