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前回紹介した駆逐艦「松」が完成しました。日本軍艦としては「阿賀野」「五十鈴」に続いて3艦目です。そして駆逐艦としては最初の完成艦です。

今回は艦が小さかったので、完成まではあまり時間がかかりませんでした。作業時間は正味2~3時間ぐらいです。色を塗って、一晩寝かせて、あとはちゃちゃちゃっと作りました。相変わらずの「即席工法」ですけど、まあ笑ってやって下さい。

「松」型ってちょっと外観が日本艦離れしていますね。直線を多用したスタイル、無骨に配置された前後の12.7cm高角砲、両舷にずらりと並んだ25mm機銃、艦橋上部に配置された22号電探等、どちらかといえば米駆逐艦的な印象を受けます。私的には嫌いじゃないです。このスタイル。好きになりそうかも・・・・。

ちなみに「松」の最期ですけど、あまり知られていないのですが、かなり壮烈なものだったそうです。木俣滋郎氏の「日本水雷戦史」からそのあたりを拾ってみましょう。

1944年7月29日、小笠原方面へ陸兵輸送の任務についた「松」は、第480船団の駆逐艦「旗風」、海防艦2隻、駆潜艇1隻、輸送船5隻の計10隻を率いて館山を出航した。8月1日、陸兵を父島、硫黄島に下ろした船団は横須賀向けて帰路につく。しかしその時たまたま米第38機動部隊の空母4隻(「ホーネット」「ヨークタウン」「ベルウッド」「バターン」)が硫黄島に攻撃を仕掛けてきた。彼らは付近にいた第402船団にもその矛先を向けてきた。3波に渡る攻撃で輸送船は「利根川丸」1隻を除いて全滅してしまう。「松」は生き残った船団を率いて北上する。しかしその背後にデュボース少将指揮する巡洋艦戦隊(軽巡「サンタフェ」「モービル」「ビロキシー」、駆逐艦12隻)が迫ってきた。「松」は船団を率いて必死に遁走を図る。1時間40分の遁走の後、逃げ切れぬと判断した「松」に将旗を掲げる高橋一松少将は唯1隻反転。迫りくる敵艦隊に単艦で向かっていった。米側の記録によると「小笠原・婿島の北東25海里で日没後軽巡『モービル』が8千トン貨物船と駆逐艦1隻を撃沈した」とあり、これが恐らく「松」の最期だと思われる。「松」と共に輸送船「利根川丸」も米艦の砲撃により撃沈されたが、駆逐艦「旗風」と海防艦2隻、駆潜艇1隻は米艦隊を振り切って離脱に成功した。「松」の乗組員は全員戦死。「松」と運命を共にした高橋一松少将は、戦死後中将に昇進した。

「松」を撃沈した米デュボース隊所属艦のうち、巡洋艦「サンタフェ」「モービル」はレイテ海戦で駆逐艦「初月」撃沈に参加しました。また巡洋艦「ビロキシー」、駆逐艦「ルイス・ハンコック」以下8隻は、サンベルナルディノ海峡沖で駆逐艦「野分」を撃沈しています。意外と狭い世界ですね。

「五十鈴」「松」と続いてきた末期艦シリーズ。まだ「利根」が残っていますけど、その前に空母なんかも作ってみたいですね。うーん、我ながら移り気だなあ・・・・。

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完成した駆逐艦「松」。日本艦離れした外観がステキです。

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僚艦と共に。少ない兵力。圧倒的な敵。しかしそれでも彼らは祖国を守る?。