久しぶりの「ソロモン夜襲戦」登場艦列伝です。

「ソロモン夜襲戦」登場艦艇紹介

今回は「ソロモン夜襲戦」に登場する艦艇について紹介したいと思います。実際の性能や戦歴は他の史料等を見ればわかる話なので、ここでは「ソロモン夜襲戦」におけるこれらの艦(フネ)の扱いについて書いていきたいと思います。

 (注)「ソロモン夜襲戦」とは、自作の水上戦ボードゲームです。詳しくはこちら

米軽巡概説

WW2に参加した米軽巡は4クラス計52隻です。隻数から言えば日本海軍の2倍に相当する数ですが、その過半が戦時中に完成した「アトランタ」級、「クリーブランド」級の艦です。日米戦開始時点では、軽巡兵力で日米は概ね拮抗していたと言って良いでしょう。一般に米軽巡は日本のそれに比べると大型であり、性能的にも優れたものが多かったです。彼女らは実際の戦闘局面にも良く適合し、対日戦の勝利に貢献した艦種の1つであることは間違いありません。しかしながらその性能が果たして理想的なものであったかどうかは疑問の残る所ではあります。

「オマハ」級

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/2/a/2abb0460.jpg
「オマハ」級軽巡「マーブルヘッド」(MARBLEHEAD (CL-12))。水上偵察機2機を搭載した本艦は強力な航空索敵能力を誇った。

概説

1916年度策定の「3年計画」に基づいて建造された軽巡です。日本海軍の「天龍」型や「球磨」型に相当する艦ですが、全般的な性能ではこれらの諸艦を大きく上回っています。主要な任務は偵察及び水雷戦隊旗艦であり、そのために当時としては充実した航空偵察能力と高速力、そして強力な砲戦火力を持っていました。太平洋戦争期は既に旧式化していたので激戦区に投入されることは少なく、北太平洋及び大西洋方面で主に活動していました。重大な損傷を被った艦や戦没艦はなく、ある意味「最も幸運な米巡洋艦」だったのかも知れません。

ゲームでの性能

主砲は15cm砲で、その火力は4-7-3です。実際の「オマハ」級は15.2cm砲を12門搭載し、そのうち首尾線方向に各4門、舷側方向に8門指向することが可能でした。そうすると火力は4-8-4となるはずです。しかし太平洋戦争当時は多くの艦が主砲の一部を撤去していました。シナリオ2で登場する「リッチモンド」も主砲の数を2門減らして計10門としています。本ゲームでデータ化している「オマハ」級は、「リッチモンド」のように主砲10門の状態を現しています。
ライバルの日本軽巡と比較すると、砲力ではすべての日本軽巡に優っています。1対1でまともに撃ち合った場合、「オマハ」級は日本の軽巡を圧倒できます。また装甲防御力も強力で、初期の重巡(「ペンサコラ」級、「ノーザンプトン」級)に匹敵するものを持っています。問題は砲配置。10~12門もの主砲を搭載しておきながら、舷側に発揮できる砲の数が7~8門というのは如何にも寂しい。旧式艦故に仕方がないことなのですが・・・・。

シナリオでの扱い

シナリオ2に「リッチモンド」が登場します。このシナリオは米軍にとってかなり不利なので、「リッチモンド」の活躍が勝敗の鍵を握ることになるかもしれません。他に「オマハ」級が登場するシナリオはありません。追加シナリオ等で「オマハ」級の登場するものを考えるとするならば、例えば1942年1月のボルネオ近海というのはどうでしょうか。アジア艦隊所属の軽巡「マーブルヘッド」が「ヒューストン」「ボイシ」と組んでボルネオ近海に殴りこみ、護衛の我が第4水戦と夜戦を繰り広げる(異聞「バリクパパン海戦」)というシチュエーションです。面白そうな仮想設定なのですが、その前に「史実のバリクパパン海戦をシナリオ化するのが先だろ」と言われそうですね。

「ブルックリン」級

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/f/f/ff8a0ef7.jpg
「ブルックリン」級軽巡「ボイシ」(USS BOISE (CL-47))。サボ島沖海戦に参加し活躍したが、我が重巡部隊の反撃により大破。復旧後は主に上陸援護に活躍した。

概説

日本の「最上」型巡洋艦(15cm砲15門)を意識した砲力重視の軽巡洋艦です。1938~1939年にかけて計9隻が就役しました。本級の整備によって米海軍が保有する軽巡が計19隻となりました。この結果今まで日本に対して数的に劣勢であった軽巡部隊が、一挙に対等以上の実力を持つことになりました。
「ブルックリン」の主砲火力は「最上」型と同じく15cm砲15門です。ただし「最上」型が60口径の長砲身砲を搭載したのに対し、「ブルックリン」級は47口径というやや短い砲身の砲を搭載しました。そのために射程距離や威力では「最上」型の方が優れていました。その一方で主砲の発射速度は「ブルックリン」の方が優秀で、カタログスペックによれば毎分8-10発発射可能です。これは「最上」型の約2倍の数値でした。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/7/3/738d36c1.jpg
米海軍の47口径152mm砲「Mark 16」。軽巡「ブルックリン」艦上での撮影で、シシリー攻略戦時のものである。「ブルックリン」以外にも「クリーブランド」や「ファーゴ」級各軽巡にも搭載されたある意味米海軍のスタンダートとでも言うべき傑作火砲である。

本級は太平洋と大西洋にそれぞれ数隻づつ配置されました。クラ湾夜戦で撃沈された「ヘレナ」を除くと、重大な損傷を被った艦は何隻かいたものの全艦無事戦争を乗切ることができました。

ゲームでの性能

主砲は15cm砲で、その火力は6-15-6です。日本の「最上」型軽巡(ゲームでは未発表)に比べると艦首方向の火力がやや不足気味です。また射程距離も20cm砲搭載の重巡や「最上」型軽巡に劣り、さらに15cmクラスの砲一般の問題としてその主砲が巡洋艦クラスの相手に対して威力不足です。自慢の発射速度もゲームでは特別扱いされていません(命中率の低さを加味しました)。それでも舷側方向に15cm砲を15火力指向できるその斉射火力は魅力であり、特に相手が軽装甲艦の場合は破壊的な威力を秘めています。
装甲値は3-7-8。一部の新型艦を除けばあらゆる重巡を凌駕する重装甲を有し、20cm砲に対しても中距離以遠ではまず安全です。仮の話ですが、もしその主砲を「最上」のように20cm砲に換装していれば、ひょっとしたら「最強の砲戦用重巡」に化けていたかもしれません(笑)。

シナリオでの扱い

ソロモン諸島における一連の戦いで米重巡部隊が大損害を被ったため、それを補う形で「ブルックリン」級は数多くのシナリオで登場しています。まずシナリオ5で「ボイシ」「ヘレナ」の2艦が初登場。シナリオ6で「ヘレナ」、シナリオ8で「ホノルル」が登場。そしてシナリオ9以降、舞台が中部ソロモンに移ってからは、シナリオ9で「ヘレナ」「セントルイス」「ホノルル」、シナリオ10で「セントルイス」「ホノルル」が登場します。シナリオ11以降は新鋭の「クリーブランド」級軽巡の配備が進んだために単独シナリオでは登場する機会はありません。キャンペーンシナリオでは「ヘレナ」「ボイシ」「ホノルル」が登場。
他に追加シナリオ等を考えてみると、開戦劈頭のフィリピン・ボルネオ方面での「ボイシ」の活躍や1944年10月のスリガオ海峡海戦、さらにはレイテ沖海戦で「もし栗田艦隊がレイテ湾に突入したら」を扱う仮想シナリオ等、本級軽巡の活躍する舞台には事欠きません。「ソロモン夜襲戦」はある意味「「ブルックリン」級軽巡のためのゲーム」と言えるかも知れませんね。

(つづく)