日本海軍が重巡(一等巡洋艦)の艦名に山の名前を使っていることは結構有名な話です。でもその「山」というのが、山屋のはしくれである私から見ると「なんだかなあ」という山が多いのです。そこで今回は日本艦によくある「山」の艦名について、私が独断と偏見で評価してみましょう。

「金剛」型戦艦

元々巡洋戦艦である「金剛」型は、山の名前が付けられています。「金剛」「榛名」「比叡」「霧島」の4艦です。
私から見て、この中で登山の対象として魅力を感じるのは「霧島」だけです。南九州一帯に広がる広大な霧島山系は、春のミヤマキリシマや秋の紅葉等、見るものを楽しませてくれます。また登山路周辺に転々と広がる山上湖もまた魅力的。下山後に温泉で汗を流すのも良いでしょう。

他の艦はいずれも「どーかなー」。それぞれ山の場所はすぐにわかりましたけど、いずれも観光登山として登る分だけの山ですね。これらの諸艦が就役した当時は現在ほど登山が庶民化されていなかったので、庶民に親しみのある山が今とは違っていたかも知れません。金剛山などは、私が在京中に登っていればイメージが変わったかも・・・(麓に楠木正成の千早城があるとか・・・)。

「古鷹」型一等巡洋艦

「古鷹」「加古」。いずれも山屋には馴染みのない名前です。
古鷹山は江田島にある小さな山で、海軍兵学校や現在の海上自衛隊第1術科学校の生徒達が訓練に使っているそうです。あまり知られていない山なのですが、地元の人には結構有名みたいで、景観も良く、それなりに人気があるみたいです。
加古ってどこの山でしょうね?。調べてみたらどうやら加古川のことみたいです。一等巡洋艦に河川名はやや奇異な感じがありますが、何か事情があったのかも知れません。

「青葉」型一等巡洋艦

「青葉」「衣笠」。こちらも山屋には馴染みがありません。
青葉山という山は群馬、宮城、福井等にあるのですが、ここでは福井県の青葉山のコトだそうです。舞鶴の東に位置する山で標高は692[m]です。地図を見る限り眼下の風景はかなり期待できそうですね。
衣笠山も各地に散在している山で、例えば京都の衣笠山は標高198[m]、横須賀にも衣笠山公園というものがあります。他にも愛知、和歌山等にも衣笠山があったりします。巡洋艦「衣笠」の由来がどこかというのは興味深いものがあります。京都の衣笠山か、あるいは横須賀の衣笠山か?。さてさてどこなんでしょうね?。

「妙高」型一等巡洋艦

「妙高」「那智」「足柄」「羽黒」。このあたりまで来ると山屋にとっても馴染みのある名前が出てきます。
妙高山は信州北部に位置する標高2454[m]の山で、殊に秋の紅葉の美しさは格別のものがあるそうです(私は未登頂)。
羽黒山も出羽三山に属する名山です。ただ標高が約400[m]と低いので、登る山としての魅力にはやや欠けます。
足柄山は箱根連山にある金時山(1213[m])のことです。これは観光登山的な山ですが、私自身は一度登頂したことがあるので、少し思い入れがあります。
那智なんて山があったかな?、と思って調べてみたら、ちゃんとありました。標高909[m]。和歌山県新宮市のやや北西にあります。紀伊山地の外れです。

「高雄」型一等巡洋艦

「高雄」「愛宕」「鳥海」「摩耶」。山屋としては「鳥海」に着目したいです。
標高2236[m]の鳥海山は綺麗な形をした独立峰で、羽越本線や陸羽西線の車窓からはその秀麗な姿を望むことができます。冬場の景観は特に美しいのですが、秋の紅葉も有名なので、機会があれば登ってみたい山の1つです。
高雄、愛宕はいずれも京都市北部の山岳地帯の山です。いずれも紅葉の名所として知られていますが、シーズンは大混雑が予想されるので、私は行ったことがありません。
摩耶は六甲山地の中央に位置する山で夜景が綺麗です。

その他

太平洋戦時の艦名ではありませんが、このあたりは山屋としてもかなりそそられます。
「磐手」:日露時代の装甲巡洋艦です。岩手山から取ったものです。
「白根」:海上自衛隊のDDHです。草津白根山かあるいは日光白根山か、どっちでしょう?。
「浅間」:日露時代の装甲巡洋艦です。浅間山は押しも押されぬ日本の名山です。
「高千穂」:日清日露時代の巡洋艦です。これも名山ですね。

まとめ

こうして眺めてみると、「軍艦の名前になった山」もそれなりに魅力がありそうですね。古鷹山、青葉山等は今まで興味もなかったですが、景観は良さそうなので機会があれば登ってみたいですね。