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Pacific Fleet(SSG/HJ)は、1983年代にHobby Japan社が出版したシミュレーションゲームです。
太平洋戦争全域を扱うこのゲームは、20年以上が経過した今日でも傑作ゲームの1つとして数えられています。

今回、このPacific Fleetのシナリオ4をソロプレイしてみました。シナリオ4は真珠湾攻撃からポツダム宣言受託までの太平洋戦争全部を扱うグランドキャンペーンゲームです。盤上で繰り広げられる太平洋戦争をお楽しみ頂ければ幸いです。

前回までのあらすじ

こちら

第2ターン:1942年春

第1段階作戦を無事終えた日本軍にとって次なる目標はどこにするか?。インド洋へ進んで英艦隊を叩くか、ミッドウェーに進んで真珠湾を伺うか、それとも南東太平洋方面へ進んで米豪連絡線を遮断するか?。
日本軍の選んだ選択は3つ目の「米豪連絡線遮断」であった。真珠湾攻撃で名を上げた南雲機動部隊と高速戦艦、駆逐艦からなる水上打撃部隊をトラック環礁に集結させ、次期作戦の準備を行っていた。その一方で陸軍のビルマ作戦を支援するために戦艦、重巡を中心とする水上部隊をシンガポールに集結させてインド洋方面を伺う体勢を固めていた。

対する米英海軍は、米艦隊を真珠湾に集結させて主に米豪連絡線の防衛に当たらせる一方、英艦隊はボンベイに集結させてインド洋方面を牽制していた。

第1フェイズ

トラック環礁から南雲機動部隊が出撃していった。「赤城」「飛龍」「蒼龍」「瑞鶴」「翔鶴」「龍驤」「瑞鳳」。空母7隻の顔ぶれは真珠湾攻撃時よりも1隻増えていたが、大型空母「加賀」に代わって小型空母2隻(「龍驤」「瑞鳳」)が加わっていたので、その攻撃力は真珠湾攻撃時とほぼ同等であった。この7空母を重巡1ユニット(高雄級)、駆逐艦2ユニット(陽炎級)が援護する。攻撃力、防御力とも当時世界最強の洋上部隊といえた。
日本空母部隊はフィジー近海に姿を現した。空母機の攻撃によりフィジーに展開していた連合軍1LACは瞬時に壊滅。日本艦隊はフィジー近海の制海権を握った。

暗号解読その他の手段で日本軍の動きを知った米艦隊は空母4隻(「サラトガ」「エンタープライズ」「ホーネット」「ヨークタウン」)を中核とする空母部隊を真珠湾から出撃させた。しかし真珠湾からフィジーは遠い。日本艦隊がフィジー近海に姿を現したとき、米機動部隊は未だに航海の途上にあった。

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日本軍によるフィジー進攻作戦。米豪連絡線上の要域であるフィジー諸島は、Pacific Fleetにおける日本軍にとって最も魅力的な目標の1つといえる。

第2フェイズ

日本軍はジャワ方面から転進してきた第38師団をフィジー攻略戦に投入してきた。重巡2ユニット(青葉級、利根級)、駆逐艦1ユニット(睦月級)に護衛された第38師団はフィジーに上陸を敢行した。それを南雲機動部隊、さらにはトラック環礁から出撃してきた近藤信竹中将の第2艦隊(戦艦2ユニット(金剛級)、駆逐艦3ユニット(初春級、朝潮級))が援護する。第38師団は米守備隊を圧迫し、あと1歩で壊滅させるところまで追い込んだ。

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フィジーに上陸した日本陸軍第38師団。その圧倒的な攻撃力は守備隊を壊滅寸前に追いこんだ。

米艦隊は日本軍の動きを横目に見ながらも、その圧倒的な攻撃力を恐れてあえて挑戦してこなかった。機動部隊はフィジー東方1メガヘクスにあるサモアの前線基地へ入港。日本軍の新たな動きに備えた。

ビルマ戦線でも動きがあった。日本陸軍第15軍が国境線を突破してビルマ領内に進攻。首都ラングーンを守る英軍と激しく交戦していた。

第3フェイズ

日本軍の激しい攻撃によってフィジーの守備隊は壊滅した。

第4フェイズ

フィジー攻略戦を終了させた日本艦隊はそれぞれの基地へ引き上げていった。代わってフィジーには日本海軍の基地航空隊(2LAC)が進出。防衛任務についた。そこを狙って米空母機動部隊がサモアから出撃してきた。空母4隻を中核とする強力な空母機動部隊である。いかに高練度を誇る日本軍基地航空部隊とはいえ、集中運用される空母機動部隊に敵うはずもなかった。2LACの日本軍航空部隊は瞬時に壊滅した。
勢いに乗る米艦隊はフィジーを占領する日本軍第38師団に対しても激しい攻撃を行った。第38師団に飢餓の危機が迫る。

ビルマ戦線ではラングーンを守備する英連邦軍が壊滅。ビルマの首都は日本軍の手に落ちた。

第5フェイズ

日本軍の悩みは燃料問題である。トラック環礁に備蓄していた大量の燃料は、このターンにおける大規模作戦によって既に底を尽こうとしていた。それでもフィジーが危ない。日本艦隊は残った燃料をかき集めてフィジー救援艦隊を編成した。空母2隻(「瑞鶴」「翔鶴」)、軽空母4隻(「龍驤」「瑞鳳」「祥鳳」「隼鷹」)とそれを護衛する駆逐艦2ユニットからなる空母機動部隊である。さらに高速戦艦2ユニット(金剛級)、駆逐艦3ユニットからなる水上部隊も出撃し、フィジー近海の水上警戒に任ずる。

日本艦隊の出撃を察知した米艦隊は、サモアに待機している空母機動部隊に出撃を命じた。日本軍の空母6隻(うち4隻は軽空母)対米空母4隻。ここに太平洋戦争初の空母同士の戦いが繰り広げられようとしていた。

米機動部隊は日本軍の索敵の不備を突いて奇襲攻撃を行おうと試みたが、ギリギリの所で日本側の索敵機が米空母部隊の姿を捉えて攻撃隊を放った。両者ほぼ互角の状態で対峙した日米空母同士の戦いは、練度に優る日本軍の勝利に終わった。日本軍は米艦載機の攻撃によって最新鋭空母「翔鶴」が中破、軽空母「龍驤」が沈没したが、米艦隊は自慢の大型空母「サラトガ」と最新鋭空母「ホーネット」を失い、「ヨークタウン」も大破して戦場を退いた。残ったのは「エンタープライズ」ただ1艦である。

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フィジー沖海戦。ほぼ同兵力同士の激突となったこの戦いで、日本軍は軽空母1隻を失ったものの、米正規空母3隻を撃沈破。太平洋戦争初の空母決戦は日本軍の勝利に終わった。

第6フェイズ

日本軍は燃料の枯渇してきた近藤部隊と艦載機を失った軽空母「瑞鳳」をマーシャル諸島方面へ後退させる一方、空母3隻(「瑞鶴」「隼鷹」「祥鳳」)を有する南雲機動部隊はフィジー近海に留まって米艦隊の挑戦に備えた。
空母群の大半を失った米艦隊はフィジー近海を離れて真珠湾に向けて後退していった。ここに至りフィジー方面の危機は去った。

第7フェイズ

ビルマ方面では日本陸軍第15軍がラングーンより北上。北部ビルマの平定戦を開始した。北部ビルマを守る英軍第17師団を壊滅させた。