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先日、表題のゲームをソロプレイしました。
以下はそのレポートです。

第1ターン

イメージ 1日本軍は史実通りシンゴラ、パタニ、コタバルの3個所に強襲上陸を敢行。これまた史実通りにシンゴラ、パタニは守備隊がいなかったので無血上陸に成功したが、コタバルは英印軍第9師団の3個大隊が頑強に抵抗した。コタバル上陸を敢行した佗美支隊は多数の兵員を失ったが(20戦力中11戦力を失った)、辛うじて英印軍を撃破。コタバルへ橋頭堡を築いた。
一方シンゴラ、パタニへ上陸した部隊は順調に進撃を続けた。シンゴラを進む第5師団主力は国境を突破し、英印軍第11師団が守るジットララインに迫っていた。またパタニに上陸した安藤支隊も順調に進撃を続けた。一時的に安藤支隊と行動を共にした佐伯挺進隊は国境地帯を守備する英印軍歩兵大隊を撃破し、要域コホーに迫っていた。

第2ターン

イメージ 2第5師団主力はジットララインに対して総攻撃を敢行した。兵力で優る英印軍だったが、士気と練度に優る日本軍の敵ではなかった。ジットラの線は突破され、英印軍は敗走に移った。その機を逃さず突進する日本軍。山岳地帯を突破してきた佐伯挺進隊は海岸地帯へ英印軍を肉薄。中戦車10両以上を失うという損害を被りながらも英印軍をスンゲイパタニ付近に包囲した。また第5師団第41連隊を基幹とする渡辺支隊はベラク川を渡河。英軍が抵抗線を構築しつつあるイボーの線に肉薄した。

第3ターン

イメージ 3日本軍はイボーに陣地を構える英印軍に対して総攻撃を敢行した。英印軍の兵力は4個大隊。対する日本軍は2個歩兵連隊と中核とする混成部隊である。練度と兵力に優る日本軍は陣地に篭る英印軍を次々と撃破しイボー、カンパルといった要域を次々と手中に収めていった。
その後方では戦列に加わった近衛師団がペナン島総攻撃を敢行し、ペナン島を守備する英印軍を降伏に追い込んだ。

第4ターン

イメージ 4イボー、カンパルの線を抜いた日本軍は、次に英軍が防衛線を構えるクアラルンプールに迫った。歩兵連隊が高速道路を南下して前哨陣地を守る英印軍1個大隊を難なく撃破し、さらに湿地帯を突破した日本軍歩兵がクアラルンプール主抵抗線に肉薄する。さらに西海岸からは別働隊が舟艇機動で南下し、クアラルンプールの側背を突くべく機会を伺っていた。
一方、東海岸では、コタバルから長躯南下してきた佗美支隊が、後続の木庭支隊と合同してクアンタン側面の森林地帯を突破。クアンタンを守る英印軍2個大隊を包囲下に追い込んだ。

第5ターン

イメージ 5クアラルンプール防衛線に対して総攻撃をかける日本軍。しかしここを守る英軍は今までの敵とは違う。オーストラリア第8師団。今までのインド軍よりも練度、装備共に優る精鋭部隊である。勢いに乗る日本軍ではあったが、ここは少し慎重かつ大胆な攻撃を行った。
まず舟艇機動により西海岸を南下してきた部隊がクアンタン南西のポートセッテンハムに上陸。クアラルンプールの背後から英軍陣地を狙う。さらにほぼ全力を投入してきた第5師団、近衛師団の歩兵6個連隊が三方からクアラルンプールを守る英軍を襲った。
精鋭を誇るオーストラリア第8師団といえども、質量共に優る日本軍の集中攻撃を受けたらたまらない。オーストラリア兵は各所で敗退。そのターンの間にマレーシアの首都クアラルンプールにも日章旗が翻った。
英軍混乱の隙を突いて分遣隊が高速道路を南下突進。マラッカ付近にまで南下した。

その頃東海岸では木庭、佗美両支隊の攻撃によりクアンタンが陥落した。

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クアラルンプール決戦に勝利した日本軍

第6ターン

イメージ 6防御の支柱であるオーストラリア第8師団を失った英軍ではあったが、情報によるとこのターンに本国から増援部隊が到着したらしい。彼らはその兵力を使って最後の防衛線を構築しつつあった。
クアラルンプール決戦に勝利した日本軍は休むことなく進撃を続行。セレンバンを落してゲマスに迫っていた。

第7ターン

イメージ 7新たに前線守備についた英本国部隊であったが、日本軍の勢いを止めるには非力すぎた。日本軍はマレー半島南部を守る英軍部隊を次々に撃破。その先鋒は遂にジョホールバルの前面まで到達していた。

第8ターン

英軍はなんとしてもジョホールバルだけは守備する決意を固めていたようだ。3個大隊の英本国兵がジョホールバルの守りにつき、その前面にはさらに1個大隊の兵力が陣地を構えていた。
ジョホールバル攻撃の栄誉を担ったのは第5師団第21歩兵連隊である。第4ターンより戦列に加わった同部隊はクアラルンプール決戦より戦闘に参加し、その後南部マレー平定戦でも活躍した歴戦の部隊である。ジョホールバルを守る英軍部隊は、日本軍による最初の攻撃こそ耐えたものの、続く第2次攻撃(強行軍フェイズ)を支えることはできなかった。英軍3個大隊は文字通り壊滅。ジョホールバルには日章旗が翻った。

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ゲーム終了時の状況

結果

ジョホールバル占領による日本軍のサドンデス勝利。ちなみに勝利得点換算では、合計130点を確保した英軍の勝利でした。

感想

ゲームとしてはなかなか面白いです。
駒数が少ない上、ターン数も少ないため、「負担感」が小さいですね。プレイ時間は2~3時間ぐらい。個人的には、「マーケットガーデン作戦」(CMJ74)よりも負担感が小さいように感じました。
展開としては一方的ですが、英軍が陣地の使い方を学べるようになればかなり粘れるように思います。今回はサドンデスで終わりましたが、もしVP争いになれば英軍がやや有利かな。そんな気がします(日本軍ステップロスのVPが高すぎる)。あと舟艇機動には要注意。頑強に構えた英軍陣地も舟艇機動に対する配慮をミスると途端に崩壊します。

歴史的な観点から見た場合、ユニットはとにかくとして、マップ上の地形に一部マレー戦らしさが見られないように思います。例えば史実ではあれほど日本軍を悩ませたペラク川は、本ゲームではただの「移動力+1」の地形障害に過ぎず(まあ横山工兵連隊の活躍を暗に表現したルールなのかも知れませんが)、史実での激戦地スリムやタイピンもマップ上に描かれていない。些細な問題といえばその通りなのですが、マレー戦は日本人にとっても馴染みの深い戦いなので、少し残念です。

「短時間でマレー戦を体験できる佳作」というのが本作に対する私の評価です。