イメージ 1

「ソロモン夜襲戦」登場艦艇紹介

今回は「ソロモン夜襲戦」に登場する艦艇について紹介したいと思います。実際の性能や戦歴は他の史料等を見ればわかる話なので、ここでは「ソロモン夜襲戦」におけるこれらの艦(フネ)の扱いについて書いていきたいと思います。

 (注)「ソロモン夜襲戦」とは、自作の水上戦ボードゲームです。詳しくはこちらをご覧下さい

連合軍重巡バックナンバー
連合軍重巡編(2)



英海軍重巡洋艦概説

WW2開戦時に計65隻を数えて隻数の上では世界最強を誇った英国海軍ですが、重巡戦力では日米に比べると見劣りする感があります。WW2開戦時の重巡戦力は15隻、日米それぞれ18隻に比べると隻数面で見劣りします。また強力な砲雷撃能力と高速力を誇る日本海軍の重巡群、あるいは強力な8インチ砲と重防御を誇る米海軍の重巡群と比べた時、弱武装、低速、軽防御の英重巡がひ弱に見えるのは否めません。その一方で大きな航続距離を有し、居住性や航洋性に優れた英重巡は、海上交通保護には最適でした。
英海軍の重巡群は、旧式の「ホーキンス」級を除けば、8インチ砲8門装備の「ケント」「ロンドン」「ドーセットシャー」級が計13隻、8インチ砲6門装備の「ヨーク」「エクゼター」が2隻です。前者は「カウンティ」級とも呼ばれることがあり、本ゲームでは「ケント」級と総称しています。後者は厳密には別クラスの艦ですが、本ゲームでは「ヨーク」級と総称しています。
戦時中はその特性通り海上交通保護やドイツ通商破壊艦の捜索に活躍し、さらには「シュペー」「ビスマルク」「シャルンホルスト」といったドイツ海軍の主力艦に対する艦隊作戦でも大いに活躍しています。その貢献度は日米の同種艦に勝るとも劣らないものでした。WW2における英重巡の活躍は、この種の艦の価値が必ずしもその個艦性能の優劣だけに依存しないことを教えています。

「ケント」級

概説

イメージ 2
英海軍が最初に整備した条約型重巡が「ケント」級です。本ゲームでは、オリジナルの「ケント」級に加えて、その改造型である「ロンドン」級、「ドーセットシャー」級も含めて「ケント」級と総称しています。
中心線上に配置した8門の8インチ砲と両舷に搭載した4連装の魚雷発射管。その砲雷撃戦能力は必ずしも傑出したものではありませんでした。しかし船型に対して過大な兵装を搭載していなかったため安定性に優れ、荒天時の射撃性能や砲の散布界に優れていました。戦時中は海上交通保護や「ビスマルク」追撃戦等に活躍し、ドイツ通商破壊艦制圧に対する貢献度は極めて大きいものがありました。しかし太平洋戦線では砲雷撃戦能力に優れた日本海軍相手に苦戦を強いられ、オーストラリア海軍の「キャンベラ」が第1次ソロモン海戦で失われています。

ゲームでの性能

英海軍の条約型重巡を代表する本級ですが、ゲーム上での性能は日米の重巡に比べて見劣りする感は否めません。装甲値「3-6-4」は日本海軍の一般的な重巡と同等ですが、やや小ぶりな船体の影響で耐久力は日本重巡に及びません。また砲力は20cmA砲「4-8-4」で、搭載火砲は日本艦と同じながらも舷側火力は2割減です。魚雷も一応搭載し、その点では魚雷を全廃した米艦よりも有利とも言えます。しかし搭載魚雷が日本の酸素魚雷ほど強力なものではないため、その打撃力は限定的なものだと言わざるを得ません。

シナリオでの扱い

シナリオ4で「キャンベラ」が登場します。また仮想戦ですがシナリオ3で「ドーセットシャー」「コーンウォール」が登場します。シナリオ化されていないところで本級が活躍する場面を想定すると、スリガオ海峡海戦やビアク島沖海戦があります。両方とも展開がやや一方的なので、そのままでシナリオ化するのは難しいかも知れません。

「ヨーク」級

概説

イメージ 3
英海軍は「ケント」「ロンドン」「ドーセットシャー」級計13隻を整備した後、やや小型化した「ヨーク」及び「エクゼター」の2隻を整備しました。これらの艦は、排水量を1万トンから8000トンに低減して建造費用の削減を狙ったものです。小型化した分装備は簡略化され、主砲は前級の8門から6門、魚雷発射管も8門から6門に減らされました。結果的に前級と比して砲雷撃戦能力が25%ダウンしています。しかし実際の排水量は8千トン以内に収まらなかった上、建造費も1万トン級に比して約10%程度しか削減できませんでした。諸外国の重巡と比較してみても本級の兵装はいかにも弱体であり、費用対効果にも劣る艦として当時も批判が強かったようです。
戦時中は両艦とも大西洋における海上護衛任務に活躍し、「エクゼター」は独装甲艦「アドミラル・グラーフ・シュペー」の追撃・撃沈に際して主要な役割を演じています。その後「ヨーク」は地中海に移動してイタリア海軍相手に奮戦したが、クレタ島在泊中にイタリアの水上特攻艇による攻撃により大破座礁。その後独軍によるクレタ侵攻に伴って放棄。「エクゼター」は太平洋方面に移動。スラバヤ沖海戦等で日本艦隊と激しく戦い、最後は優勢な日本艦隊に包囲されて失われました。

ゲームでの性能

本級は元々経済性を重視して設計建造されたため、個艦性能では各国の重巡クラスの艦では最低級です。砲力は20cmA砲「4-6-2」で、これは日本海軍の「古鷹」「青葉」級と同じ。装甲防御力も「2-5-4」になり20cm砲に対する対弾防御力は大いに減ぜられました。魚雷も一応装備しますが、片舷発射雷数がわずかに3本で、気休め程度と考えた方が良さそうです。総じて日本海軍の「古鷹」「青葉」級から魚雷をしょぼくした性能、といえば当たらずとも遠からずです。

シナリオでの扱い

仮想戦であるシナリオ3が唯一の登場機会です。まだシナリオ化されていませんが、スラバヤ沖海戦がシナリオ化されれば間違いなく登場するでしょう。また蘭印攻略戦を巡る仮想戦シナリオが製作されることがあれば、登場する可能性の高い艦であることは間違いありません。