先日紹介しました「幕末維新始末紀」について、早速プレイしてみました。
前回は最初の4ターンまでを紹介しました。京を支配する東軍(徳川幕府軍)に対し、大坂まで進出してきた西軍(薩長連合軍)が京都突入のチャンスを伺っています。

第5ターン(慶応3年夏)

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/1/a/1aa48461.jpg
第5ターン開始時の状況

東軍が「外交折衝」カードを引く。この時の支配点は西軍5に対し東軍4。この時点で徳川幕府は諸外国の信用を失い、政権点は遂に1から0に変化した。事実上の無政府状態である。
西軍は「列藩同盟」カードで土佐を支配下においた。
西軍は大久保一蔵が薩摩兵4を率いて大坂に入城。大坂における西軍兵力は10となった。

第6ターン(慶応3年秋)

東軍は「新政権樹立」カードを使って京に新たな政権を打ち立てた。政権点は2である。東軍は「列藩同盟」カードで尾州を支配下におく。さらに今度は「密勅降下」(「長州征討の勅命」でも出たのだろうか?)カードを使って榎本釜次郎を北畿へ、小笠原長行が兵2と軍艦2隻を率いて大坂へ、さらには京からは徳川慶喜が兵7を率いて大坂へ入った。
対する西軍は大坂へさらに兵力増強。最終的には東軍兵9に対し、西軍兵13で、西軍が有利であった。
支持獲得フェイズ。大坂では兵力的には東軍不利であったが、地の利とダイス目に助けられて東軍が再び大坂を支配した。西軍部隊は因州(山陰地方)に撤収した。

兵力面で優位に立っている西軍だが、未だに戦争状態になっていないので戦端を開くことができない。このゲーム、戦端を開くためには朝廷保有陣営(京を支配すること)になって政権値を低下させるか、イベントカード3枚をパイルする必要がある。西軍はこの時朝廷を保有しておらず、イベントカード3枚も保有していなかったので戦端を開くことができなかった。

第7ターン(慶応3年秋)

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/1/d/1dd2f2d8.jpg
第7ターン開始時の状況。大坂での支配獲得競争に敗れた西軍は因州に撤退(図中青丸)。再起の機会を伺う。

東軍は「人事改革」カードを使用して近藤勇(1-1)を登用する。しかし近藤は登場段階での除去チェックに引っ掛かってあえなくお陀仏。続いて登場した土方歳三(2-0)もやはり除去チェックの犠牲となってしまった。新選組、戦わずして壊滅か。
西軍は「外国人殺傷事件」を引き起こした。政権値は2から1に低下。安定したかに見えた第2次徳川政権だが、その前途には早くも暗雲が立ちこめていた。

第8ターン(慶応3年冬)

東軍は「社会不安蔓延」カードで肥前における西軍支配を崩す。
西軍は「外交折衝」カードを引く。外国人使節団は徳川政権の支配力を認めた。政権値は1から3に急上昇する。西軍にとっては苦しくなってきた。

「外交折衝」カードは政権側(この時は東軍)にとって試金石となるものである。いずれかのプレイヤーがこのカードを引くと、直ちに彼我の支持エリア得点を比較する。もし政権側の得点が非政権側の2倍以上であれば、政権点が上昇する。逆に政権側の得点が非政権側を下回っていた場合、政権点が低下する。

窮地に立った西軍は、起死回生に策に出た。東軍が北畿に徳川慶喜以下兵11を出撃させたのを見てとった西軍は、西郷吉之助率いる兵11を北畿に派遣して東軍主力に対峙させる一方、木戸準一郎(0-2)が兵2を率いて京に入っていた。西軍は「宮廷工作」カードを使って京の政治情勢を有利にしようとした。
支持獲得フェイズ。京の情勢は未だに混沌としていたが、西軍が新兵力とイベントカードを投入するという策が功を奏した。京の支配を西軍が確保。その結果今まで公然とした活動を控えていた「妖怪」岩倉具視(0-3)がいよいよ政治の表舞台に姿を現してきた。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/d/a/da76800c.jpg
畿内に殺到する西軍とそれを迎え撃つ東軍

政権が徳川方で安定しつつある以上、西軍は何らかの行動を起こさなければならない。何もしなければ東軍の政治的な安定度は増すばかりである。狙い目としては大坂または京都のいずれかが考えられるが、最終的には京を目指すことになろう。いずれにしても時間は東軍の味方なので、西軍としてはできるだけ早い時期に政治的に不安定な状況を作りだしたい。

第9ターン(慶応4年冬)

西軍はいきなり「王政復古の大号令」を行い、新政権を打ち立てた。今回の場合、徳川政権が未だに安定した状態にあったので、西軍の野望は1/3の確率で失敗する可能性があった。しかし西軍は拙速を尊び、あえて賭けに出たのである。その賭けは見事に功を奏し、ここに西軍は新政府軍となった。

第10ターン(慶応4年春)

政権を得た西軍としては、速やかに戦端を開いて畿内周辺の東軍兵力を一掃したい所だ。政権側なので戦端を開く/開かないは西軍側が選択できる。しかし畿内周辺に展開する両軍の兵力は、東軍17に対して西軍13。これでは戦いを仕掛けても勝ち目は薄い。増援部隊を得るまでは開戦は控えよう。というのが西軍の思惑であった。

第11ターン(慶応4年春)

またもや「外国人殺傷事件」が起こった。安定に向かうかに見えた新政府だが、政権点は2から1に減少。発足早々の新政権。なおもその将来は不透明なままだった。
政権側である西軍は、土佐から乾退助率いる兵4が北畿に進出。これで北畿の西軍兵力は計17となり、東軍兵力と互角になった。
東軍は主力部隊を京の町に入れた。
小御所会議(京の支持獲得を決定するための会議)では、圧倒的兵力を背景にした東軍側に軍配があがった。再び朝廷は徳川幕府のものになり、新政府の政権値は1から0に低下した。事実上の無政府状態である。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ゲームジャーナル65号 幕末維新始末/薔薇戦争
価格:6,546円(税込、送料無料) (2023/5/25時点)