a39a506d.jpg


元々この世界に入ったキッカケが「太平洋戦争の空母戦をゲームで再現する」ことだったので、空母戦ゲームといえば特別な思い入れがあります。だから幼少の頃は空母戦ゲームが発売される度に少ない小遣いをやりくりして購入してきたものでした。

そんなこんなで私と空母戦ゲームの付き合いはかれこれ30年近くにもなります。極端な言い方をすれば、私のゲームライフの多くは「自分にとって満足できる空母戦ゲームを求める旅」だったようにも思えます。

しかし今までいくつかの空母戦ゲームが発表され、発売されてきましたが、完全な意味で私を満足させる作品は1つとしてありませんでした。そこで今回は私が今まで入手、プレイしてきた空母戦ゲームをいくつか取り上げ、そのゲームの中での「タマネギ」について云々してみます。

「タマネギ」は私の嫌いな野菜です。

FLAT TOP(AH)

1ターン1時間。1ヘクス=20マイルで1~2日間程度の空母決戦を再現します。マップはソロモン、東部ニューギニア沿岸を現し、フルマップ2枚の大きさは今見ても迫力があります。

このゲームは零戦とワイルドキャットの空戦性能が同じ(選択ルールを導入すればワイルドキャットの方が強くなる)ということで、日本人ゲーマーの間では物議を呼んだものです。次に紹介する「日本機動部隊」では零戦とワイルドキャットを明確に差別化したレーティングになっていますが、これは「FLAT TOP」に対する反動なのかもしれません。

零戦とワイルドキャットのレーティングに隠れて表に出てきませんが、零戦はワイルドキャット以外の全戦闘機よりも高性能という位置づけなので、その評価は決して低くはありません。特にP-38ライトニングよりも零戦の方が強力というのは、米製ゲームとして考えればかなり「良心的」なレーティングと言えます。他にも艦爆の性能比較(対艦攻撃力は日米に差がなし)、艦攻の対艦攻撃能力(日本側が圧倒的に優位)等、本作のレーティングは必ずしも米側有利だとは言えません。

このゲームが優れている点は、空母戦を空母同士の戦いに留めず、周囲の艦隊や基地航空隊を視野に入れて再現している点です。そのためプレイヤーに対してより広い視野を与えることに成功しました。この処理はプレイアビリティという点から見れば明らかにマイナスです。またシミュレーションとして考えてもプレイヤーの視座を曖昧にするという意味から考えれば有害無益という見方もできます。しかし「SLGによって新しい歴史的知見を得る」という意味から言えば、本作は私にとっては有益な作品でした。

本作の問題点はいくつかありますが、その1つは索敵に関する部分です。扇状に索敵機を飛ばすと空母の位置が逆探知されてしまう、というのは、空母戦ゲームとしては致命的な欠点のように思えてきます。またプレイに時間がかかるというのも問題でしょう。昼間のターンならば1ターンに1時間以上かかるかもしれません。つまりリアルタイム以上の所要時間です。他にもルールが緻密な割には運用に対する制約が甘いため、様々な「裏技」が使えるのも問題と言えます。例えば零戦を索敵機としたり、片道攻撃を簡単に仕掛けることができたり、基地変更・母艦変更が容易であったりです。ソロプレイでは「ストイックに」プレイすれば問題ないのですが、対人戦の場合はどーしようもないので困った話です。

このゲームは何度かの引越しの際にどこかへ行ってしまいました。思い入れの大きい作品だけに残念です。

日本機動部隊(エポック/CMJ)

FLAT TOPはビックゲームと呼ぶに相応しいスケールのゲームでしたが、この「日本機動部隊」は逆に初心者を意識したプレイアビリティに優れた作品に仕上がっています。ソロモン方面の空母決戦を4時間以内に再現できる本作は傑作と呼ぶに相応しい作品でした。その一方で零戦や戦艦大和の特殊ルール等、演出効果を意識したユニットレーティングは、一部で物議を呼びました。

ちなみに本作のレーティングについて一部の識者からは「デザイナー氏は演出効果を狙ってワザと実際よりも零戦や大和を強く設定したんだ」という説が提示されています。私はデザイナー氏自身ではないので真相については知る由もないのですが、Tactics誌4号のデザイナー氏自身による投稿記事等を読む限り、少なくとも零戦についてはデザイナー氏自身が日機のレーティングを「正当」と考えていたように思われます。

本作についての私の評価は高くありません。演出効果を意識しすぎたユニットレーティングは、私にとっては許容範囲を超えています。また「駆逐艦1ユニットのダミー艦隊」「第2次ソロモン海戦の頃から有効な飛行場砲撃」等、シミュレーションとしても私にとっては許容範囲を超えていました。

このゲームについてはエポック版を購入し、何度か対戦しました。結果は忘れました。多分殆ど負けたのでしょう。

南太平洋海戦(ツクダ)

ツクダホビーが中程度の難易度を狙って発売した一連の「タスクフォース」シリーズの1作。このゲームは「日本機動部隊」と同じく「零戦バンザイ」レーティングでしたが、水上艦については「大和特別ルール」のようなものはなく、至って平凡なレーティングだったように覚えています。

このゲームは索敵ルールの面倒さが印象に残っています。一度プレイしたことがあるのですが、その時は索敵ルールの面倒さに閉口してしまい、決着をつける前に終わってしまった記憶があります。

CV

かつてシミュレータ誌にデザイナーズノートまで出たという幻の作品。ゲームそのものは見た事がないのですが、このデザイナーズノートは傑作でした。仮に本作が発売されたとしたら、恐らく購入したでしょう。ただ本作が私にとって「究極の空母戦ゲーム」になったかどうかは、作品そのものを見ていないだけに何とも言えない所です(多分そうならなかったでしょう)。

ちなみに「CV」のDNが発表されたシミュレータ誌には、「ノースアフリカ」のDNも同時に掲載されていました。両者を比較した場合、DNとしては「CV」のそれの方が数段面白かったです。

ガダルカナル(AH)

ウォーゲーム氷河期の1992年にAvalon Hill社から発売された一連の「大箱」シリーズの1作です。1ヘクス70マイル、1ターン4時間。「日本機動部隊」同様にプレイアビリティを重視したゲームですが、「日本機動部隊」がダミー方式を採用しているのに対し、こちらはブラインドサーチです。

このゲームは戦闘解決システムがシンプル過ぎるので、私の欲する「究極の空母戦ゲーム」にはならないかな、という印象があります。しかし「日本機動部隊」のような極端なレーティングではないので好感が持てます。このゲーム、ずっと「押入れ常駐」でしたが、久しぶりにプレイしてみたくなりました。

ちなみにこのゲームに「ワシントン」「サウスダコタ」は登場しますが、「大和」は登場しません。従って「大和」と米戦艦の性能を比較して楽しむという楽しみ方ができないのが残念です(笑)。

日本機動部隊2(CMJ別冊)

日本機動部隊の続編として国際通信社が2002年に発売したゲームです。マリアナ、レイテ戦のゲームということで期待して購入しました。しかし艦船や航空機のレーティング(特に航空機)がかなり日本軍贔屓に思えたので、スッカリやる気を殺がれてしまいました。折角買ったのだから一度ぐらいはプレイしてみたいのですが・・・・。

まとめ

こうして見ると我ながら実に「つまらない」ことに拘っているのがわかりますね(笑)。ユニットレーティングなどはゲームを構成する1要素に過ぎず、その一部が「気に入らない」だけで対象ゲームをプレイする機会を失っているとは、実に大人気ないです。今度機会を見つけて「日本機動部隊2」でもプレイしてみますか。

とまあ理屈ではわかっているのですが、実際にプレイする段になるとどうしても些細な「タマネギ」が気になってしまう。対象に対する思い入れが強いだけに、ちょっとした不純物の存在が気になってしまうのかもしれません。