第二次世界大戦ヒトラーの戦い【8】

児島襄 文春文庫

この本は全10巻にも及ぶ大作です。こういった大作に挑戦する場合「よし第1巻から全部読んでみよう」と力んでしまってかえって「疲れてしまう」ことがあります。その一方で、途中から読んでみると、意外な発見があって面白かったりします。

今回、この第8巻を読んだ理由は、先日購入した「パットン第3軍」(CMJ#81)の歴史的背景を知りたかったからです。メッツ戦という比較的マイナーな戦域なので本書についてもそれほど詳細に描かれている訳ではありませんが、それでもパットンとバルクという個性的な将の戦いは非常に興味深いものがあります。

本書のメインテーマはアルデンヌ攻勢です。アルデンヌ攻勢については既によく知られた戦いなのですが、本書では主に両軍の指揮統制上の問題に焦点を当ててこの戦いを描いています。これは本シリーズ全般に言えることなのですが、戦闘場面の描写はかなりアッサリしているのですが、各指揮官の言動については非常に細かく描かれていて、例えばアルデンヌ戦については英軍モントゴメリー元帥のワガママとさえ思える強引さとそれにへきへきしている米軍指揮官達との対立が興味深く描かれています。

アルデンヌ戦以外ではソ連軍による東プロイセン反攻やハンガリー戦、あるいはアウシュビッツ占領についてもページが割かれているので興味深いです。

お奨め度★★★★