宇宙戦闘にカタパルトは有効か?

まあ、どうでも良い話なんですけど・・・・。

宇宙戦争を扱ったアニメ作品でしばしば見られる光景として、艦載機やロボットが母艦のカタパルトより撃ち出されるシーンがあります。古い所では「宇宙戦艦ヤ○ト」のコスモゼロ(古代機)がありますが、なんといっても「ガ○ダム」で「ア○ロ、行きまーす」がカタパルトの位置づけを定着させたといって良いでしょう。

さてさて

私、昔から疑問に思っていることがあるのですが、果たして宇宙戦争でカタパルトって必要なんでしょうか?。

いやいや、わかってます。わかってますよ。
あれは絵的な演出だということを。
まあ、そうはいっても以下はホンの遊びということで、もう少しお付き合い下さい。

以前にゲーム仲間と飲んだ時、私がカタパルトの必要性について疑問を呈した所、反論の多くは
「カタパルトを使えば燃料の節約ができる」
というものでした。
そこで私はカタパルトを使うことによってどの程度の燃料節約が可能かを検証してみることにしました。

検証1.カタパルトによる加速

カタパルトを使ってターゲットをどの程度加速できるか?。
これはカタパルトの加速性能とその長さによって決定されます。
非常に単純化したモデルを考えてみます。

(例)加速度5g、長さ100mのカタパルトによって打ち出されたターゲットの速度は約100m/s(360km/h)になる

如何でしょうか?。
せいぜい新幹線程度の速度までしか加速できないんですよ。
そのために少なくない宇宙艦の容積を使ってカタパルトを設置する必要がどこにあるんでしょうか?。
その分火器や艦載機の搭載設備を設けた方が効率的ではないでしょうか?。

ちなみに加速度を10gまでアップすれば、ターゲットの速度は約141m/s(509km/h)になりますけど、今度はパイロットの方がヤバイ状態になりそうです。

検証2.燃料搭載量

「いやいや、そうはいうけど、360km/hでも初速度が得られたら燃料の節約になるのではないか」

なるほど、なるほど。尤もな意見です。
そこで艦載機の性能がどの程度なのか調べてみました。本来ならば「ガン○ム」シリーズに出てくる機体にしたかったのですが、データが揃っていないので、「マク○ス」に登場する「バルキ○ー」戦闘機に御登場願いました。

 VF-1J バルキリー
  推力 熱核反応タービン×2(推力合計23,000kg)
  空虚重量 13,250kg
  推進剤搭載量 全力運転約1分
  その他 (省略)

とまあこんな感じです。
上記のスペックに基づく推力重量比は1.7を越えますが、戦闘重量状態であれば1.0前後になることが予想されます。
さてさて、このバルキリーちゃんが100m/sの速度を得るために何秒間の全力噴射が必要でしょうか。
加速性能を1gと仮定するならば、約10秒間の全力噴射が必要です・・・・。

え?

ちょっと待て?

意外と燃料食うんですね(汗)。

バルキリーちゃんは新幹線並みの速度を得るために、なんと全推進剤の1/6を使わなければならない、ということです。

・・・・・

ということは・・・・。

「カタパルトってやっぱり必要なんだなあ・・・・・」

というオチになりそうです。

おまけ

それにしてもバルキリーちゃんは全搭載燃料の1/2を消費してやっとMe262並みの速度っていうのは、いくらなんでも
「ヘボ過ぎないかい」
と思ってしまいました。