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GMT「Zero!」強化月間第1弾

GMTの「Zero!」と「Corsairs and Hellcats」は太平洋戦争の空中戦を扱ったカードゲームです。
今回、その中のキャンペーンシナリオである「サンタクルーズ海戦」(南太平洋海戦)をプレイしてみました。

このシナリオは南太平洋海戦における空母対空母の戦いを再現する大型シナリオです。
このシナリオでは両プレイヤーが最大4回の空母攻撃を行い、敵に与えた損害の大小で勝敗を競います。
勝つためには敵に先んじて敵空母に打撃を与える必要があります。しかし場合によっては迎撃に徹し、敵の攻撃力を殺いだ後で反撃する、といった作戦も成立します。
攻撃そのものはかなり抽象的な形で再現されますが(例えば大規模な攻撃隊でも最大8機程度にしかならない)、そこに描かれている戦いは確かに日米空母航空戦です。

第1回戦

両軍の作戦

日本軍:中距離/大規模攻撃/なし
連合軍:近距離/小規模攻撃/目標失探
 凡例:距離/攻撃オプション/リソース(以下同じ)

日本軍の攻撃

イメージ 2日本軍は一撃必殺の大規模先制攻撃で米空母の先制撃破を狙った。しかし連合軍が使用したリソース「目標失探(Mistaken Target」によって、空母攻撃は失敗。攻撃目標は巡洋艦に変更させられた。
99艦爆1個編隊(2機)、97艦攻1個編隊(2機)の計4機からなる攻撃隊が、艦隊外周で行動中の米巡洋艦「ポートランド」に襲いかかった。激しい対空砲火により艦爆1機が投弾前に被弾し、爆弾を投棄。しかし残った3機の艦爆、艦攻は「ポートランド」に必殺の雷爆同時攻撃を敢行した。
ダメージ15。
「ポートランド」轟沈
日本側の攻撃隊は対空砲により2機の被弾機を出したが、未帰還機はなく、全機が無事帰還した。

連合軍の攻撃

イメージ 3一方の連合軍。ドーントレス1個編隊(2機)、ワイルドキャット1機からなる攻撃隊が日本空母艦隊に殺到した。上空援護をする零戦1機が激しく迎え撃つ。零戦がワイルドキャットを襲いかかった。優れた運動性を利用してワイルドキャットの背後に回りこむ零戦。それに対してワイルドキャットは食らいつく零戦を振り払うべく、激しく対空砲火を打ち上げる敵艦隊上空に突入していった。
対空砲火に揺さぶられるワイルドキャット。
数発の至近弾がワイルドキャットを揺さぶった。先の戦闘で被弾していたワイルドキャットは、炎に包まれて落ちていった。
その間2機のドーントレスが艦隊上空に進入。激しい対空砲火の中、急降下爆撃を敢行した。しかしヒット数は僅かに2。日本空母艦隊は軽微な損害を被ったが、戦闘能力に支障はなかった。


第2回戦

両軍の作戦

日本軍:長距離/攻撃なし/目標上空雲
連合軍:中距離/大規模攻撃/偵察任務

偵察

イメージ 4連合軍がリソースに「偵察任務」(Scout Mission)を選んだため、最初に偵察任務を解決する。
ドーントレスと零戦の一騎打ち。
ドーントレスは零戦の激しい攻撃を浴び、合計5ヒットを被ったが、それでもギリギリの所で生き残った。

連合軍の攻撃

イメージ 5攻撃隊はドーントレス2個編隊(4機)、ワイルドキャット1個編隊(2機)、アヴェンジャー1機の計7機である。
対する日本側は零戦2個編隊(4機)が攻撃隊を迎え撃つ。
二手に別れた零戦隊は一方が低空、もう一方が高空に向かう。
低空に向かった零戦隊は魚雷を抱えて進入するアヴェンジャー攻撃機を捕捉した。アヴェンジャーの強靭な機体構造に苦しめられながらも、2機の零戦はなんとか5ヒットを与え、アヴェンジャーに魚雷を投棄させた。被弾したアヴェンジャーは、その後日本艦隊の打ち上げる対空砲火を浴びて四散した。
一方高空から進入した4機のドーントレスは、殆ど妨害を受けることなく目標上空に進入した。しかし日本軍が選んだリソース「目標上空雲」(Clouds Over Target)により、空母に対する照準は難しかった。
散発的な対空砲火の中(対空砲火も雲の影響を受ける)、4機のドーントレスは次々と爆弾を投下した。しかし雲の影響により目標に対するヒットは軽微なレベルに留まった。
それに対して連合軍は先に書いたアヴェンジャー1機の他、護衛のワイルドキャット2機が4機の零戦と交戦し2機が失われ、さらに対空砲火を浴びてドーントレス1機が撃墜された。帰還できたのはわずかに3機のドーントレスのみ。一方日本空母に与えた損害は殆ど無視できるレベルに留まった。


第3回戦

両軍の作戦

日本軍:長距離/攻撃なし/なし
連合軍:長距離/攻撃なし/なし
このターンは両プレイヤーが「攻撃なし」を選択したため、攻撃は解決せず次のターンに持ち越しになります。

第4回戦

両軍の作戦

日本軍:短距離/大規模攻撃/相互攻撃
連合軍:長距離/大規模攻撃/ヴェイタザ大尉

日本軍の攻撃

イメージ 6お互いに大規模攻撃を選択したが、投入リソースの「軽い」日本軍が先攻となる。
攻撃隊は99艦爆1編隊(2機)、97艦攻1編隊(2機)、零戦1機の計5機。97艦攻の僚機は未熟兵である。
米軍はワイルドキャットが1機のみ
そのワイルドキャットが大奮戦。まず零戦の隙をついて高高度から進入する99艦爆に襲いかかった。99艦爆僚機が3ヒット食らい爆弾を投棄。慌てた零戦がワイルドキャットを追って上昇してきたが、今度はワイルドキャット、一気に高度を下げて低空飛行中の97艦攻に襲いかかった。未熟兵の乗る97艦攻僚機が3ヒット。こちらも魚雷を投棄した。ワイルドキャットの奮戦により、日本軍の攻撃隊は早くも戦力半減である。
怒りの零戦がワイルドキャットを捕捉した。激しいドグファイトでワイルドキャットは穴だらけ。計5ヒットを被ったが、あと一歩で撃墜には至らなかった。
その間、残った艦爆、艦攻隊が米空母群上空に進入した。激しい対空砲火が迎え撃つ。先にワイルドキャットに被弾させられていた艦爆、艦攻がいずれも対空砲火にやられて落ちて行った。しかし残った艦爆、艦攻各1機は不屈の精神で進撃を続ける。
必殺の雷爆同時攻撃。それが見事に功を奏した。
米空母はたった2機の攻撃により計10ヒットを被った。
「エンタープライズ」大破
「ホーネット」轟沈
この時点で米空母部隊は完全に戦闘力を失った。

結果

日本軍:40VP
連合軍:0VP
日本軍の勝利

感想

イメージ 7プレイ時間は約4時間。1回戦あたり1時間強です。キャンペーンは意外と時間がかかるなあ。
本シナリオは空母航空戦を扱ったものですが、やや違和感があることは否めません。
一番大きいのは参加機数がかなり抽象化されていること。
本文を読んでいただければご理解頂けると思いますが、攻撃機、迎撃機とも機数が少なすぎます。
無論、史実同等の機数を登場させた場合、「プレイ不可能シナリオ」になることは容易に想像できます。従って本作のような抽象的な処理は仕方が無いのかもしれません。
ただ「違和感を覚えた」ことは否定できない事実です。