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「ソロモン夜襲戦」登場艦艇紹介

今回は「ソロモン夜襲戦」に登場する艦艇について紹介したいと思います。実際の性能や戦歴は他の史料等を見ればわかる話なので、ここでは「ソロモン夜襲戦」におけるこれらの艦(フネ)の扱いについて書いていきたいと思います。

 (注)「ソロモン夜襲戦」とは、自作の水上戦ボードゲームです。詳しくはこちらをご覧下さい

登場艦列伝 - 連合軍戦艦バックナンバー

連合軍戦艦(1)
連合軍戦艦(2)


「コロラド」(a)

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概説

基本的には「カリフォルニア」級戦艦の主砲を36cmから40cmに強化したのが「コロラド」級戦艦です。実際の性能も主砲を除けば殆ど同じ戦艦といっても良いでしょう。米海軍では「コロラド」級と「カリフォルニア」級の5隻を「ビックファイヴ」と呼んでいたぐらいですから。1921年~23年にかけて「コロラド」「ウェストバージニア」「メリーランド」の3隻が就役しました。
太平洋戦争開戦時には「コロラド」を除く2艦が真珠湾に在泊し、真珠湾攻撃の洗礼を受けることになります。この攻撃で「ウェストバージニア」は大破着底。「メリーランド」は中破します。その後被害を受けなかった「コロラド」と比較的被害の軽微であった「メリーランド」が、大西洋から回航されてきた戦艦らと共に太平洋艦隊における主力戦艦群を構成します。また「ウェストバージニア」はこの機会に近代化改修を行い、新鋭戦艦に匹敵する強力艦に生まれ変わりました。
「コロラド」「メリーランド」は1943年以降の太平洋方面における主要な反攻作戦に参加し、「メリーランド」はレイテ沖海戦で日本艦隊と交戦し、「コロラド」は沖縄戦で特攻機の攻撃を受ける等、激しい戦いを繰り広げました。

ゲームでの性能

主砲火力が40cm砲「4-8-4」になった以外は「カリフォルニア」(a)と全くの同性能です。
実質的なライバルは日本海軍の「長門」級戦艦になります。本級と「長門」を比べた場合、速力では「長門」が勝り、主砲火力は互角、装甲値では若干本級が勝りますが、実施的な優位はありません。総じて本級は「長門」と比べて速度に劣る分だけ劣勢だと言えます。
「扶桑」「伊勢」相手の場合、主砲が大きい分だけ相手の安全圏を狭めています。結果として中距離砲戦においては、「扶桑」「伊勢」相手にある程度有利に戦いを進めていくことができます。ただし近距離や遠距離では本級の装甲では36cmに対して十分とは言えず、結果的に手数の違いで打ち負かされる危険性があります。

シナリオでの扱い

史実シナリオで登場する機会のない本級なのですが、仮想戦シナリオではシナリオ16「ソロモン・キャンペーン」で登場する可能性があります。随伴艦として「ニューメキシコ」も登場するので、日米の海軍提督達が夢見た日米艦隊決戦がソロモンの海で繰り広げられることになるかもしれません。
他には本級の登場するシナリオはありません。もし本級の活躍をシナリオ化するとすれば、「メリーランド」が活躍したスリガオ海峡海戦や「コロラド」以下3艦が登場する可能性のある「大和迎撃戦」になるでしょう。

「コロラド」(b)

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概説

真珠湾攻撃によって大損害を被った戦艦「ウェストバージニア」は、損傷復旧とあわせて本格的な近代化改装が施されることとなりました。その改装要領は「カリフォルニア」「テネシー」の場合とほぼ同じで、装甲厚の強化、新型レーダーの搭載、対空火器の充実等です。
改装なった「ウェストバージニア」は1944年9月に戦列に復帰し、10月のレイテ沖海戦に参加しました。スリガオ海峡海戦では米艦隊最強の戦艦として活躍し、戦艦「山城」に多数の命中弾を与えてこれを撃沈しました。

ゲームでの性能

主砲火力や速力に変化はありませんが、装甲厚が「9-13-11」に強化されました。「カリフォルニア」(b)の所で書いたことの繰り返しになるのですが、この強化及び射撃用レーダーの装備によって、本級は「大和」級を除く全ての日本戦艦を圧倒できるだけの火力と防御力を備えることになりました。

シナリオでの扱い

「カリフォルニア」(b)と同じです。

「ノースカロライナ」

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概説

ワシントン軍縮条約によってしばらく戦艦の建造を中止していた米海軍が、軍縮後最初に計画、建造した戦艦が「ノースカロライナ」級の戦艦です。当初は36cm砲搭載艦として計画されていましたが、途中で40cm砲搭載艦に変更されました。また機関出力を在来艦の4倍とし、速度を27~28ktまで強化しました。1941年4月~5月に「ノースカロライナ」「ワシントン」の2隻が就役しました。
WW2では、開戦当初は「ノースカロライナ」「ワシントン」の両艦共は大西洋方面で行動しました。1942年6月にまず「ノースカロライナ」が太平洋方面に進出し、1942年8月のガダルカナル攻略戦に参加。さらに8月24日の第2次ソロモン海戦ではその対空射撃で多数の日本機を撃墜しています。「ノースカロライナ」が日本潜水艦の雷撃によって損傷した後は、今度は「ワシントン」が太平洋方面に進出。特に第3次ソロモン海戦で「ワシントン」が日本戦艦「霧島」砲撃によって撃沈したことは、太平洋戦争において戦艦が独力で戦艦を撃沈した唯一の戦例になりました。その後両艦は主に高速空母群の護衛として活躍し、ギルバート、マーシャル攻略戦、トラック島空襲、マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦、沖縄攻略戦等、太平洋戦争中後期における主要な作戦のほとんど全てに参加しました。

ゲームでの性能

速度は「5」で、日本艦隊と互角の運動戦を行うことが可能になりました。
主砲火力は40cm砲「6-9-3」。艦首方向に比較的強力な火力を使えることは便利です。
装甲値は「8-12-10」。我が「長門」に比べると遠距離での装甲値が1だけ有利になっています。
本級のライバルは「長門」や「大和」になります。まず「長門」と比較した場合、速度は互角、火力は主砲数が1大きい分有利、装甲値は遠距離で1大きい分有利です。この装甲値の差は意外と大きく、「長門」の主砲が遠距離から本級に致命傷を与えることができないのに対し、本級の主砲は遠距離射撃で「長門」に致命傷を与えることが可能です。さらにレーダー装備でも本級が優れています。総じて本級は「長門」に対しては有利な砲戦を展開できそうです。
相手が「大和」の場合、一気に分が悪くなります。速度こそ互角ですが、火力と装甲の差は決定的とさえ言えます。本級の主砲が「大和」に致命傷を与えることができるのは近距離砲戦のみ。一方「大和」の主砲はいかなる距離においても本級に致命傷を与えることができます。本級の有利な点は優秀なレーダーのみ。本級が「大和」と対峙する場合は、数的優位を生かすか、あるいは夜間や悪天候を利用するのが賢明でしょう。

シナリオでの扱い

米新鋭戦艦のトップバッターということで、シナリオにおける登場回数も比較的多いです。まず史実シナリオではシナリオ7で、タイトルがズバリ「戦艦『ワシントン』の激闘」。「ワシントン」と「霧島」のガチンコ勝負が見られます。仮想戦シナリオでは、シナリオ13「タスクフォース34」にも「ワシントン」が登場し、ここでは「大和」「武蔵」対米新鋭戦艦群の対決を楽しめます。また半仮想戦ともいうべきシナリオ15,16でも「ワシントン」が登場し、場合によっては「大和」以下の日本戦艦と死闘を演じることになります。

(つづく)