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「ソロモン夜襲戦」登場艦艇紹介

今回は「ソロモン夜襲戦」に登場する艦艇について紹介したいと思います。実際の性能や戦歴は他の史料等を見ればわかる話なので、ここでは「ソロモン夜襲戦」におけるこれらの艦(フネ)の扱いについて書いていきたいと思います。

 (注)「ソロモン夜襲戦」とは、自作の水上戦ボードゲームです。詳しくはこちらをご覧下さい


英戦艦概説

第2次世界大戦時の英戦艦は、旧式艦が40cm砲搭載の「ネルソン」級2隻、38cm砲搭載の「クリーンエリザベス」級と「ロイヤルサブリン」級がそれぞれ5隻、巡洋戦艦が「レパルス」「レナウン」「フッド」の3隻で、計15隻。新鋭艦が「キングジョージ5世」級が5隻。合わせて20隻です。
隻数から言えば米海軍に次いで世界第2位なのですが、性能面ではかなり怪しい所があります。
まず旧式艦ですが、40cm砲搭載の「ネルソン」級はとにかくとして、「クイーンエリザベス」「ロイヤルサブリン」の各級は、特にその火力面で日米の同種の艦よりも見劣りします。自慢の巡洋戦艦3隻についても、ドイツ海軍のポケット戦艦を追跡する分には不足がありませんが、戦艦同士の撃ち合いに投じるには火力も防御力も不足気味。新鋭の「キングジョージ5世」級にしても、列強の新鋭戦艦の中では最も非力な艦の1つであると言わざるを得ません。
このように性能面では大いに不満の残る英戦艦なのですが、その戦歴は日米の海軍に勝るとも劣りません。特に戦艦を「ホテル化」し、有効に実戦運用できなかった日本海軍に比べると、英戦艦の戦歴はより際立っています。彼女らは船団護衛、独戦艦に対する邀撃戦、地中海作戦、対日戦等で積極的な活動を展開し、少なからぬ犠牲を強いられながらも、それぞれの戦場における最終的な勝利に大きく貢献したのでした。

「クィーンエリザベス」

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概説

第1次世界大戦中の1915年~16年にかけて5隻が就役した戦艦で、就役当時は世界最強の高速戦艦でした。ジャットランド沖海戦にも参加し、当時は最強の高速戦艦でした。
軍縮条約に入って同級は「ネルソン」級に次ぐ有力艦として位置づけられていたため、かなり大規模な改造が施されました。特に「クィーンエリザベス」「バリアント」の2隻は改造規模が大きく、近代的な塔型艦橋が装備され、水平装甲も強化されました。「ウォースパイト」も先の2隻よりはやや規模が小さくなりますが、かなり改装が施されています。残り2艦「マラーヤ」「バラーム」は比較的原型を留めたまま第2次世界大戦に突入することになります。
第2次世界大戦においては縦横無尽の活躍を見せ、特に「ウォースパイト」は「第2次世界大戦期で最も活躍した戦艦」と言われる程の活躍を見せることになりました。その分犠牲も多く、「バーラム」がUボートの雷撃によって失われた他、「クイーンエリザベス」「バリアント」はイタリア海軍の攻撃により大破着底、「ウォースパイト」もドイツ軍の誘導爆弾を受けて大破しました。

ゲームでの性能

「ソロモン夜襲戦」では、「クィーンエリザベス」(a)、同(b)に分類されていますが、実質的には改造後の「クィーンエリザベス」「バリアント」「ウォースパイト」と改造前の「マラーヤ」「バラーム」に分類されます。
いずれのモデルも主砲火力は38cm砲「4-8-4」で、「ロイヤルサブリン」級と同じ。また速度は「5」で、「ロイヤルサブリン」級よりもやや向上しています。装甲値は改造後が「8-12-9」、改造前が「8-11-7」です。
本級と日本の「扶桑」級を比べた場合、評価対象を改造前のモデルとすると、速度が互角になっている以外は「ロイヤルサブリン」級の場合と同じ評価になります。評価対象を改造後のモデルとした場合、装甲値が向上している分「扶桑」相手には有利に戦えます。遠距離で不利なのは相変わらずですが、中距離戦では1発当たりの威力と装甲値の有利さが効くので「扶桑」相手に有利に戦いを進めることができます。
シナリオ3で対決するであろう「金剛」級と改造後のモデルを比較した場合、本級の主砲は「金剛」の主装甲部を全ての距離で貫通できるのに対し、「金剛」の主砲は中距離で本級の主装甲部を打ち抜くことができません。従って中距離砲戦に徹する限り「金剛」相手に有利に戦いを進めることができます。

シナリオでの扱い

シナリオ3「見敵必戦」で「ウォースパイト」が登場する可能性があります。

「ロイヤルサブリン」

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概説

「クィーンエリザベス」級と同じく第1次世界大戦期に就役した戦艦で、第1次世界大戦においては(比較的低速だった点を除けば)最も強力な戦艦の1つでした。1916~17年にかけて5隻が就役し、そのうち2隻がジャットランド沖海戦にも参加しています。
先に述べた「クリーンエリザベス」とは違い、本級は比較的原型を留めた状態で第2次世界大戦にも参加しました。そのため性能面では列強の他の戦艦に比べて劣る部分が多く、苦戦を強いられることとなりました。
第2次世界大戦では第一線での活躍は少なく、むしろ船団護衛における重要な役割を担いました。また、「U-47」によってスカパフローで撃沈された「ロイヤルオーク」や、マダガスカルで我が特殊潜行艇によって雷撃を受けた「ラミリーズ」等、犠牲も少なくありませんでした。

ゲームでの性能

速度「4」は米旧式戦艦と同じです。現実には米旧式戦艦よりも本級は若干優速なのですが、そのことはゲームには反映されていません。
主砲火力は38cm砲「4-8-4」。日米の36cm砲艦に比べると1発当たりの威力はやや優りますが、日米の36cm砲艦が主砲12門を搭載しているのに対し、こちらは8門なので総合的な火力では劣ります。
装甲値は「8-11-7」。米の旧式戦艦はもとより、日本の「扶桑」級にも劣る数値です。特に中遠距離の装甲が脆弱であり、遠距離から撃たれた36cm砲に対しては耐性がありません。
本級のライバルは日米の旧式戦艦です。まず日本の「扶桑」級と比較した場合、いずれも中距離帯に若干の安全圏を有するのみで、近距離及び遠距離では安全圏がありません。遠距離では両者とも無防備で殴り合うようなものです。この場合、1発当たりの威力が大きい本級よりも手数の多い「扶桑」の方が有利です。しかも速度は「扶桑」の方が優れているので、本級は「扶桑」に翻弄される結果になり兼ねません。

シナリオでの扱い

「ソロモン夜襲戦」に本級が登場するシナリオはありません。将来本作の欧州戦線版が登場した場合、本級が登場する可能性はあります。

「ネルソン」

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概説

日本の「長門」級、米の「コロラド」級と並んで、軍縮時代に「ビックセブン」と呼ばれて世界最強を誇った英海軍の戦艦です。3連装の40cm砲を艦首部に3基集中配備したそのスタイルは独特のものでした。1927年に「ネルソン」「ロドネー」の2隻が就役し、軍縮条約時代には世界最強の戦艦と見られていました。
第2次世界大戦では「ロドネー」が独戦艦「ビスマルク」追撃戦で活躍しましたが、それ以外は主に陸上砲撃任務等に終始し、特筆すべき活躍は見られませんでした。

ゲームでの性能

速度「4」なのは米旧式戦艦と同じ。本級の速度は23ktなので「4」か「5」なのかは微妙な所なのですが、残念ながら「4」扱いになってしまいました。
主砲は40cm砲「6-9-0」。日米のライバル艦がいずれも8門艦なのに対し、本級は9門艦なので火力面で有利です。また艦首方向に強力な火力を指向できるのも有利な点です。ただ艦尾方向に火力を指向できないのはやや不安が残る所です。
装甲値は「9-13-10」。日米のライバル艦を数値的に上回っています。
本級のライバルは言うまでもなく日米の「ビックセブン」です。特により有力な「長門」が本級にとって実質的なライバルと言えます。「長門」と本級を比較した場合、速度面では「長門」が有利。攻防性能では両者とも中距離帯に安全圏を持ち、近距離又は遠距離では安全圏がありません。中距離で撃ち合った場合はより装甲の厚い本級が有利。その他の距離では実質的な差はありませんが、手数の大きい本級が心持ち有利と言えます。
総じて速力に勝る「長門」と火力防御力に勝る本級の戦いは予断を許さないものになります。

シナリオでの扱い

本級が登場するシナリオはありません。