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先日、CMJ#94の附録ゲーム「Flying Tigers」をプレイしました。このゲームは1942年前半期におけるビルマ上空の航空戦を扱った作戦級ゲームです。ビルマ周辺を描いたエリア式のマップは計9つのエリアと11個の基地ボックスが描かれています。1ターンは1ヶ月、1ユニットは10~20機の航空機を表わしています。登場する航空機は、九七戦、一式戦「隼」、二式戦「鍾馗」、九七重爆、P-40、ハリケーン、P-36等です。
今回は選択ルールを全て採用しました。

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セットアップ時の状況

第1ターン(1942年1月)

イメージ 10日本軍は定石通りラングーンに向けて大攻撃隊を放った。戦闘機6ユニット、爆撃機8ユニットの日本軍大編隊に対し、連合軍はラングーンに待機していたB339「バッファロー」3ユニットとP-40 2ユニットの計5ユニットを迎撃に上げた。また昆明に待機しているP-40 4ユニットをビルマ各地に出撃させてPOC(制空権)確保に努める。
ラングーン上空の戦いは質量共に優る日本陸軍航空隊の圧勝。日本軍の損害は旧式の九七軽爆がステップロスしたのみ。連合軍は「バッファロー」3ユニットが全滅、P-40 2ユニットもステップロスして辛くもアギャップに逃げ込んだ。

ターン終了時のPOC:連合軍3点

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第2ターン(1942年1月)

イメージ 11日本軍は1POCを消費して増援ダイスを3回振った。しかしダイス目振るわず「隼」2ユニットが登場したのみ。しかしそのうちの1ユニットが強力な第64戦隊(本ゲーム最強)である。
このターン日本軍は再びラングーンに大攻撃隊を放った。このターン、ラングーン方面の制空権を確保すれば、ラングーン基地は日本軍が支配する所になる。連合軍は先ほどの戦いで戦力を大幅にすり減らしたので、日本軍との正面衝突を避け、広く散開してPOC確保を狙う。ラングーンのレーダー基地を破壊したため後攻移動の特権を持つ日本軍戦闘機隊は、ノンビリと中国機がパトロールしている昆明上空へ「隼」3ユニットを送り込んだ。
昆明上空の中国空軍は突然の日本機来襲にパニックとなった。P-36、ヴェンジェンス、そして英空軍のブレニム爆撃機各1ユニットに対して「隼」は同じく計3ユニット。しかし性能差は圧倒的だった。最初の空中戦でブレニムが撃滅され、残った戦闘機隊もステップロス。たまらず地上に逃げ帰ったが、そこへ「隼」が低空から機銃掃射。結局連合軍の3ユニットは全滅。「隼」の損害はわずかに対空砲火による1ステップロスのみだった。
ラングーン方面では連合軍戦闘機の抵抗がなかったため、日本軍が予定通り爆撃を敢行。予定通りラングーン上空の制空権を握り、予定通りラングーンを占領した。

ターン終了時のPOC:連合軍5点

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第3ターン(1942年3月)

イメージ 12このターン、両軍とも大規模な増援部隊が登場する。日本軍は九七戦、二式複戦、九七重爆等計6ユニット。さらに第7飛行師団から九七重爆3ユニットと百式司偵1ユニットも加わった。連合軍はP-40 3ユニット、ハリケーン3ユニット等計7ユニット。さらに整備状態から復活してきたP-40 2ユニットも加わる。この時点で日本軍の数的優位は揺るがないが、戦闘機戦力についてはユニット数で連合軍が優位に立った。

連合軍はスパイをラングーン地区に配置し、日本軍へ主導権を渡さないようにする。日本軍はバゴー(中部ビルマ)に戦爆連合の大編隊を出撃させる。その他分遣隊をマグウェイ、シャンに派遣する。
連合軍は日本軍の裏をかく戦術に打って出た。戦闘機5ユニットをラングーン地区へ、戦闘機4ユニット(いずれもP-40)を長駆タイのチェンマイへ進出させてきた。日本軍にはまだ温存していた戦闘機があったが、ラングーン、チェンマイの両方へ対処するのは無理。ラングーンは諦めてチェンマイに戦闘機4ユニットを集結させる。
かくして開始されたチェンマイ上空の戦い。日本軍は新鋭の二式戦闘機「鍾馗」1ユニットを失い、九七戦 3ユニットがステップロスするという大損害を被ったが、来襲してきたP-40 4ユニット全てを撃退し(損害4ステップ)、チェンマイ上空を守り切った。

ターン終了時のPOC:連合軍8点

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第4ターン(1942年4月)

イメージ 13日本軍は再び中部ビルマ一帯の制圧に出る。バゴー、マグウェイ、シャン、そして先ほどは隙を突かれたラングーンにも爆撃隊、戦闘機隊を発進させて制空権確保を図る。
連合軍は先ほどのターンに大損害を被ったので、このターンはゲリラ的な襲撃に終始した。ラングーン上空で米義勇空軍のP-40 1ユニットと日本軍の戦爆連合3ユニットが交戦したが、数に優る日本軍がP-40を退けて勝利した。
このターン、アギャプ、マグウェ、ライオ、タウンギーの各基地が陥落。中南部ビルマで連合軍に残る基地はトングーだけとなった。

ターン終了時のPOC:連合軍7点

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第5ターン(1942年5月)

イメージ 14日本軍はPOC差を一気に詰めるべく大攻勢をかけてきた。戦爆連合の大編隊をインド上空に放ったのである。敵本拠地はPOCも高く、さらに本拠地爆撃によるボーナスPOCもある。
日本軍の動きを見た連合軍はインド防空を諦めた。その代りに日本軍の手薄なバゴーに戦闘機9ユニット、爆撃機1ユニットの大編隊を放ってきたのである。悩む日本軍。バゴーを失うのは痛すぎる。悩んだ日本軍は戦闘機7ユニット、偵察機1ユニットで迎え撃った。
バゴー上空の大空中戦。両軍とも後がないこの戦いは激烈を極めた。連合軍側で生き残ったのはP-40が3ユニットのみ(うち1ユニットはステップロス)。しかし日本軍はバゴー上空に投入した8ユニット全てを失った。日本軍にとっては痛すぎる損害。これで勝負は決したかに見えた。

後から考えてみると、日本軍はバゴーの戦いに戦闘機をつぎ込む必要はなかったのかもしれない。バゴーを無視する代わりに確実に制空権を取れる場所でPOCを稼いでおいた方が得策であった。

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ターン終了時のPOC:連合軍4点


第6ターン(1942年6月)

イメージ 15日本軍は連合軍の大根拠地である昆明へ大空襲を仕掛けた。昆明にはスパイが配置されているため奇襲の利は失われている。それでもPOC差を一気に克服するためには昆明を叩くしかない。一方の連合軍は数少ない戦闘機を広く浅く配置し、日本軍のPOC確保を阻む。
最終ターンの戦い。日本軍は予定通り昆明の制空権を得た。また昆明爆撃に成功したためにさらにボーナスPOCを得た。その他日本軍はタイ、マグウェイの制空権を確保。連合軍はカチンの制空権を確保した。

最終的なPOCは0点。引き分けに終わった。

連合軍としては、最終ターンにインドの制空権を取れなかったのが痛かった。

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感想

イメージ 16プレイ時間は2時間ほどでした。今回は選択ルールを採用しましたが、選択ルールなしの場合日本軍が有利ではないかと思います。戦闘機戦力では両軍とも大差はないのですが(質的には日本軍優位ですが、量的にはやや連合軍優位かも)、爆撃機戦力で日本軍が圧倒的。しかもこの爆撃機が結構制空権確保に効くのです。日本軍の常套戦術として爆撃機を空戦に参加させて敵戦闘機にステップロスを強いるとか(たった1火力といってもステップ数だけダイスを振れるので結構馬鹿にならない)、あるいはステップロスや強制帰還時の弾よけに爆撃機を使うといった方法もあります。あと日本戦闘機の機銃掃射も結構凶悪です。3以下命中なので空戦を避けて地上に降りた所を狙われます。
システム的には汎用性が高いので他の戦場(例えばソロモン戦等)にも応用が効きそうなのですが、戦爆連合の扱いにやや難があるので、そのあたりは改善したい所です。

ちなみに本作の爆撃ルールにはややしっくりこない部分があるので、CMJ編集部に質問しておきました。

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