イメージ 1


https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/2/1/2120f70b.jpg
イージス駆逐艦「バリー」。今回のシナリオでは巡航ミサイル攻撃に活躍した。

第7Turn(3日目午前)

ランダムイベントで指揮混乱が発生した。対象は連合軍。インド、スマトラ、北アラビア海、モルジブ諸島での積極的航空作戦が不可能になった。天候は晴れである。

イメージ 3指揮混乱を利用してソ連軍はスマトラ近海の連合軍艦隊に襲いかかった。これまで敵艦2隻を撃沈破する等の活躍を見せていたインド海軍の原潜「ボンベイ」がソ連軍水上部隊の反復攻撃により撃沈されてしまう。「ボンベイ」を仕留めたのはグリシャ型、ペチャ型といった1000トン前後のコルベット艦からなる戦闘グループであった。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/d/e/deb0db4c.jpg
ソ連軍グリシャ型コルベット艦。ロシアではアルバトロス級と呼ばれている。排水量1,000トン前後の小型艦で、対潜ロケット、対潜魚雷、爆雷等を装備する対潜艦だが、短距離対空ミサイルや57mm砲も装備している。

イメージ 4続いてソ連軍は空から猛攻を加える。空母の防空の傘から外れていた護送艦隊が狙われた。インド海軍改カシン型駆逐艦「ラナ」がTu16Cバジャーのミサイル攻撃を受けて撃沈された。別のバジャーは米艦隊を襲い、ノックス級フリゲート「ロアーク」がミサイルを受けて轟沈。最後に伏兵インドネシア空軍のCN-235哨戒機がミサイルを発射。命中弾を受けてノックス級フリゲート「エインスワース」が撃沈された。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/0/b/0b172a1d.jpg
CN-235哨戒機とペリー級フリゲート。CN-235のようなマイナーな兵器が登場し、場合によっては活躍してくれるのもFleetシリーズの魅力の1つ。ちなみに攻撃力12のSSMの正体は何でしょうね?。多分エクゾセかな?。

イメージ 6連合軍の反撃はアラビア半島沖で始まった。損傷から復活したディエゴガルシア基地から発進したB52爆撃機がALCM(空中発射型巡航ミサイル)をソコトラ島のRas Karmaに向けて発射した。ALCMは見事に命中し、Ras Karma基地は機能を停止した。

イメージ 7続いてアラビア海を南下中の「レンジャー」機動部隊がRas Karmaに向けて攻撃隊を放った。F14トムキャット2ユニット、A6イントルーダー1ユニット、EA6プラウラー1ユニットからなる強力な打撃部隊だ。米攻撃隊はRas Karmaを守るMig23を撃破し、航空基地に対してさらに1打撃を加えた。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/4/7/472255fe.jpg
大型空母「レンジャー」。今回のシナリオでは米海軍の主力として活躍した。

イメージ 9イメージ 10紅海から出港してきたソ連輸送船団がソコトラ島に近づいてきた。その船団を追っていたインド海軍原潜「ベンガル」(ヴィクター3型)がいよいよ牙をむいた。クリバック3型フリゲート艦"Menzhinsky"がその餌食となり沈没した。旧式のディーゼル潜水艦「ヴァグシャー」(フォクストロット型)もソ連船団を襲う。クリバック3型フリゲート艦"Dzerzhinskiy"が大破した。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/e/4/e4bcf31e.jpg
第7Turnにおけるソコトラ島周辺の戦況。B52と空母艦載機による攻撃でRas Karma航空基地は大打撃を被った。マップ左上からソ連軍輸送船団がソコトラ島目指して接近中であるが、インド海軍の潜水艦ががっちりとマークしている。ソコトラ島に初期配置されていた「トビリシ」機動部隊は遠く出撃中であり不在であった。

第8Turn(3日目午後)

イメージ 11いつの間にかインド洋中部にまで進出してきた空母「トビリシ」を基幹とする機動部隊が連合軍重要船団を襲った。「トビリシ」を発進したMig29Bが空対艦ミサイルを放った。しかしダイス目振るわずミサイルは外れた。

イメージ 12ソコトラ島近海では、エアーカバーを失ったソ連軍輸送船団を米軍機が襲う。ディエゴガルシアを発進したB52は、今度はHarpoonミサイルを抱えて攻撃してきた。空母「レンジャー」を発進したA6イントルーダーとF18Cホーネットの編隊もHarpoonで攻撃する。空からの攻撃によってフリゲート艦2隻が沈み、船団もまた大損害を被った。8隻の輸送船は3隻を失った。残りは5隻。ソコトラ島はまだ遠い。

イメージ 13続いて輸送船団を射程距離内に捉えた2隻の米原潜からTASM(対艦用トマホークミサイル)が発射された。3隻の輸送船が沈没。ソ連船団に残されたのは、2隻の輸送船と一握りのコルベット艦のみとなった。壊滅は時間の問題である。

その頃ペルシャ湾岸では強襲揚陸艦「タラワ」を基幹とする海兵隊上陸部隊がホルムズ海峡に面したBandar Abbsaに上陸を開始していた。また空のタンカー4隻がオマーン湾のMuscatに到着していた。


第9Turn(3日目夜間)

イメージ 14このTurn、最初に主導権を握ったのはソ連側であった。見る影もなく打ち払われたソコトラ島輸送船団だったが、最後の最後に幸運の女神が彼らに微笑んだ。輸送船団は滑り込むようにRas Karmaに入港。ほんの僅かではあったが、それはソコトラ島を守るソ連軍にとって貴重極まりない補給物資を運んでいた。

第8Turnの空母艦載機による攻撃の際、SSMではなく空対艦爆撃を行っていたら、恐らくソ連船団は全滅していたでしょう。飛行機を大事にし過ぎた米軍の手痛いミスでした。

連合軍は憂さ晴らしとばかりにRas Karma航空基地に猛爆撃を敢行。空母艦載機とB52の爆撃が注ぎ込まれた。Ras Karma航空基地は壊滅。在地のMig23フロッガーやTu16Cバジャーも基地と運命を共にした。

ここで時間切れ。ゲームはお開きとなりました。

https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/4/3/435a78af.jpg
ゲーム終了時の状況

結果

連合軍のVP

・撃沈/撃破(93VP)
1xCV Kiev
2xDD Otlichnyy,Adimiral Kulakov
9xFF ソ連6、インドネシア3
2xCO
1xPC(インドネシア)
1xSN
3xSS
7xInt(Mig23,Su24,Yak36,F4,F5,2xJ6)
3xBmb(Tu16C,2xTu26)
1xAEW(Helix)
1xRcn(Be12)
2xEW(Tu16E)
その他輸送船
・揚陸ポイント(147VP)
・敵航空基地破壊(40V)
合計280VP

ソ連軍のVP

・撃沈/撃破(52VP)
1xCV Vikrant(India)
1xDD Rana(India)
4xFF Ainsworth,Nicholas,Roark,Vindhyegiri(India)
2xCO(India)
1xOL Deepak(India)
1xSN Bombey(India)
1xPC(Oman)
4xInt(SeaHarrier,Tornardo,Jaguar,F111)
1xAEW(SeaKingAEW)
その他タンカー、輸送船等
・揚陸ポイント(50VP)
・敵航空基地破壊(10V)
合計112VP

結果

連合軍の辛勝

感想

久しぶりのFleetシリーズですが、個人的には堪能させて頂きました(^^;。1人勝ちみたいな状況だったので申し訳ないのですが、ゲームだから仕方がないということでお許し下さい。
連合軍側の勝因は事前準備の差だったと思います。Fleetシリーズは一見すると兵器と兵器のぶつかり合いなので戦略とはあまり縁がないと思われがちですが、勝つためにはそれなりの戦略眼を必要とする作品です。本連載の第1回目でも書きましたが、結果的に連合軍の勝利に終わったイラン本土航空戦についても、出目や戦い方如何ではオマーン湾沿岸の米海兵隊航空部隊が一掃される事態も十分にあり得たと思います。仮にイラン上空の戦いで勝利できなくても、同方面に米機動部隊を引きつけておけばソコトラ島方面への圧力を軽減できます。米空母部隊の出方を伺いながら柔軟な対応がソ連側には求められるのではないかと思います。

このようにFleetシリーズは単なる艦隊同士のぶつけ合いではなく、海軍戦略を楽しめる秀作です。冷戦が終わり、遂に大活躍の機会がなかった米ソ海軍の艦艇群。彼らの活躍に思いをはせながらゲームを楽しむのも良し。冷戦時代におけるインド洋を舞台にした海軍戦略について考えてみるのも良し。みんなでワイワイ言いながらキャンペーンシナリオをプレイするのか、あるいは2人で対戦型シナリオに対してじっくりと取り組むか。

20年以上前に発表された作品なので登場兵器や国際情勢が現時点とはそぐわない点がやや残念ですが、その点を差し引いても現時点でプレイする価値のある貴重な作品であると思います。

(おわり)