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「山科会」という会合があります。これは山科の某所に集まってゲームを楽しもう、という趣旨の会合です。私も昨年頃よりこの
「山科会」に参加させて頂くことになりました。

その「山科会」で「5th Fleet」(VG)をプレイする機会を得ました。「5th Fleet」は、米Victory Games社が1989年に発売した現在海戦シミュレーションゲームです。
今回選んだのはシナリオ4「バルチスタン侵攻」。これはイランとパキスタンに侵攻し、インド洋沿岸に不凍港を手に入れたソ連軍に対し、アメリカを筆頭とする西側諸国が、イラン、パキスンタン、サウジアラビア、オマーン等、現地諸国の支援を得て反撃しようとするものです。

今回はプレイヤーが3名だったので、本作に慣れた筆者がソ連軍を担当し、あとの2人で兵力の多い連合軍を担当して頂きました。

セットアップ

両軍ともイラン、パキスタン、ペルシャ湾、オマーン湾周辺に展開しています。

ソ連軍は比較的強力な基地航空部隊(Tu-26「バックファイアー」、Tu-16「バジャー」、Tu-95「ベア」、MiG-31「フォックスハウンド」、MiG-29「ファルクラム」、Su-24「フェンサー」、MiG-23「フロッガー」等)をカザフスタン、アフガニスタン及びイラン各地に展開。一部はソコトラ島にも展開しています。
潜水艦は新鋭のオスカー型、シエラ型が各1隻、こちらはオマーン沖に展開して連合軍主力を狙います。一方旧式のディーゼル潜水艦(タンゴ型、フォクストロット型)2隻がペルシャ湾に展開し、こちらはペルシャ湾を航行するタンカー等を狙っています。
水上部隊は、新鋭空母「トビリシ」、打撃巡洋艦「カリーニン」「ウクライナ」を含む新鋭艦計6隻の有力部隊がオマーン沖に展開中。「トビリシ」艦上にはSu-27「フランカー」、MiG-29「ファルクラム」等計60機からなる航空部隊が展開しています。一見すると極めて有力な空母機動部隊ですが、彼らの主任務は輸送船6ユニットの護送であり、積極的な運用は自ずと制約されます。

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連合軍の主力は米空母「エイブラハム・リンカーン」を主力とする空母打撃部隊(CVNx1、CGx2、DDx1)。その他に英空母「アークロイヤル」機動部隊(CVx1、DDx1、FFx1)、船団護衛部隊(アメリカ、イタリア、サウジの駆逐艦、フリゲート艦計11隻)、日本その他に原油を運ぶ超大型タンカー計11隻、イラン上陸を目指す第7海兵隊遠征旅団3ユニット等の水上部隊があります。「リンカーン」艦上にはF-14、F-18、A-6等計88機からなる第17空母航空団(Air Wing 17)が展開し、「アークロイヤル」艦上には801sq(SeaHarrier)、849sq(SeaKingAEW)の各飛行隊が展開しています。
航空部隊は、ホルムズ海峡を扼する要域に強力な米空軍F-15C「イーグル」部隊(44thTFS)が展開。オマーン方面に米海兵隊のF/A-18「ホーネット」、EA-6B「プラウラー」の混成飛行隊(MAG-13)。オマーンには米海軍P-3C「オライオン」11機を装備したVP-30が展開している。イラン本土には(何故か)西側に与するイラン空軍のF-4「ファントム」、F-5「タイガー」、F-14「トムキャット」が計@個飛行隊。パキスタン空軍のF-16A「ファルコン」、オマーン空軍の「トーネード」戦闘機等も登場します。
潜水艦は米海軍の改ロサンゼルス級「キーウェスト」とパキスタン海軍のディーゼル潜「ハッシュマット」の計2隻です。

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両軍の任務はそれぞれ味方船団の護衛と敵船団の撃滅で、ソ連軍は「トビリシ」機動部隊に護衛された輸送船団をイラン、パキスタン方面に送り届けることが主任務。連合軍は事前集積船に搭乗した海兵隊をホルムズ海峡に送り届けることと、盤上に散在するタンカーをそれぞれの目的地に送り届けることです。

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第1ターン(第1日午前)

戦略航空作戦フェイズ。ソ連軍は長距離偵察機をオマーン湾に飛ばす。その一方で南アラビア海に展開する「トビリシ」機動部隊からはMiG-29B「ファルクラム」が発進。敵偵察機を排除する。
首尾良く偵察は成功。「リンカーン」機動部隊と事前集積船団に戦略索敵マーカーを配置した。「トビリシ」機動部隊はMiG-29の活躍で敵に発見されることを回避。

アクションフェイズ。先手を取ったのはソ連軍。アシハバードの基地からTu-26「バックファイヤー」の編隊が上空援護のない海兵隊船団を襲った。対艦ミサイルが命中。輸送船2ユニットがステップロスする。
続いてソコトラ島を発進したTu-16C「バジャー」の編隊が追い打ちをかける。対艦ミサイルの直撃を受けた米フリゲート艦「クラークリング」が轟沈した。
カブールを発進したTu-95H「ベア」の編隊がイラン中南部のイラン空軍飛行場Shiraz(3806)に対して巡航ミサイルを発射。ミサイルが見事に命中し、飛行場に1打撃を与えた。幸先良し。

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米海軍フリゲート艦「クラークリング」。序盤でソ連海軍航空隊のミサイル攻撃を受けて轟沈した。

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ソ連軍航空隊によるミサイル攻撃

勢いに乗るソ連軍は2隻の新鋭潜水艦「オブシェンコ」(シエラ型)と「バルクハッシュ」(オスカー型)で追い打ちをかける。まず「オブシェンコ」が「リンカーン」機動部隊に肉薄。護衛のイージス巡洋艦「アンツィオ」に対して魚雷攻撃を仕掛けたが、これは失敗。続いて「バルクハッシュ」が巨大なP-700「グラニート」対艦ミサイル(NATO名:SS-N-19 Shipwreck)を発射したが、AEW機、F-14「トムキャット」、イージス巡洋艦という3段構えの阻止網を破ることはできなかった。

なんとか米機動部隊に損害を与えたいソ連軍は、続いて「トビリシ」機動部隊に所属する2隻の打撃巡洋艦「カリーニン」(キーロフ級)と「ウクライナ」(スラバ級)が、P-700及びP-500「バザーリト」(NATO名:SS-N-12 Sandbox)長距離対艦ミサイルを発射。米機動部隊を襲ったが、やはり強力な防空網に阻まれて戦果を上げることはできなかった。

余談だが、「5th Fleet」に登場する「トビリシ」は対艦ミサイルを装備していない。実際のクズネツォフ級空母はP-700「グラニート」長距離対艦ミサイルを装備しているが、「5th Fleet」出版時はそのことが明らかになってはいなかったようだ。

大きな損害を受けた米海兵隊船団は「リンカーン」機動部隊と合流。航空機の援護下に入った。

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第1Turn終了時。米空母と海兵隊が合流。その付近に2隻のソ連潜水艦とソ連空母機動部隊1個が遊弋している


第2ターン(第1日午後)

先手を取ったのはソ連軍。今度こそ、の思いを込めて2隻の新鋭潜水艦が米機動部隊を襲う。まずシエラ型原潜「オブシェンコ」の雷撃が米イージス巡洋艦「アンツィオ」に命中。「アンツィオ」中破。さらに巨大なオスカー型原潜「バルクハッシュ」が必殺のP-700「グラニード」対艦ミサイルを発射した。「グラニード」は傷いついた「アンツィオ」に直撃。イージス巡洋艦「アンツィオ」はオマーン湾に姿を没した。

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米イージス巡洋艦「アンツィオ」。本シナリオでは米機動部隊を守る「イージスの盾」としての役割が期待されたが、序盤でソ連潜水艦の集中攻撃を受けて撃沈された。

さらに「トビリシ」機動部隊の攻撃が追い打ちをかける。2隻の打撃巡洋艦から発射された長距離対艦ミサイルが米大型駆逐艦「ヘイラー」(DD-997)に命中した。「ヘイラー」轟沈。

有力な水上戦闘艦2隻を失った米機動部隊であったが、対潜力を結集しソ連潜水艦に対する反撃作戦を開始した。まず水上対潜部隊が米機動部隊の至近海面で執拗に追尾し続ける「オブシェンコ」に対して掃討戦を実施。その1発が「オブシェンコ」に命中し中破。さらに「リンカーン」を発進したS-3「バイキング」が追い打ちをかける。空海からの共同攻撃を受けたシエラ型原子力潜水艦「オブシェンコ」は遂に撃沈された。

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米軍機の攻撃を受けて沈没寸前のソ連原潜「オブシェンコ」(なんちゃって)


第3ターン(第1日夜間)

米艦隊は「アークロイヤル」を主力とする英機動部隊とも合流し、さらに護衛兵力を強化した。その結果、米英合同の機動部隊は、大型空母1、軽空母1、原子力巡洋艦1、駆逐艦1、フリゲート艦3にまで強化された。護衛兵力の増した米英機動部隊に対し、ソ連原潜「バルクハッシュ」とソ連空母部隊が執拗な対艦ミサイル攻撃を仕掛ける。が、強力な防空火力を誇る米英機動部隊は一連の攻撃をものともしない。その一方、原潜「バルクハッシュ」が米英合同の対潜部隊に追い詰められ、危うく撃破されかけたが、なんとか虎口を脱した。

イラン方面では、イラン空軍Shiraz飛行場(3806)に対して航空機による一連の航空攻撃を実施した。巡航ミサイルによって滑走路を破壊されたShiraz飛行場は、戦闘機を発進させることもできず、ソ連機による波状攻撃によって壊滅した。

(つづく)