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マリアナ沖海戦-母艦搭乗員激闘の記録

川崎まなぶ 大日本絵画

タイトル通りマリアナ沖海戦における母艦航空隊の激闘を描いた労作。空母に搭載された各航空隊はマリアナ沖海戦に至るまでどのような経過をだどったのか、そして彼らはマリアナ沖海戦でどのような戦いを演じたのかを描いている。日本側の記録だけではなく、米側の記録も参照しながら、海戦の実相を丹念に描いていく書き方には好感を覚えた。またマリアナ沖海戦での日本側搭乗員の技量が、巷に言われている程酷いものではなかった(飛行時間で評価した場合の話であるが・・・)という筆者の主張は一理ある。搭乗員の技量よりも機材の不良(ブレーキが効かない、爆弾が落ちない等)の方が問題として深刻だったのではないか。そう思えてきた。
本書の難点は値段の割にボリュームがやや少ないこと。付録を除いた本文のページ数は300ページ弱で、しかも途中で写真ページやタイトルのページがあり、実質的にはもっと少ない。4時間もあれば読み終えてしまうので、その点が少し残念である。

お奨め度★★★★