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「東部戦線」は第2次欧州大戦の独ソ戦における戦術レベルの戦いを描いたシミュレーションゲームです。1TURNが実際の30分、1ユニットが1個小隊(3~5両の戦車)を表し、1ヘクスは実際の250mに相当します。

今回、この「東部戦線」の中で異色のシナリオ、シナリオ12「プラハ宣言」に挑戦しました。これは第2次大戦に勝利した米軍と赤軍がプラハの支配を巡って激突するという架空戦シナリオです。筆者は米軍を担当しました。

(注)このシナリオは誤記が多く、エラッタなしではほぼプレイ不可能です。従ってプレイ開始に先立ってCMJのHPでエラッタを確認しておくことをお勧めします。
参照先-->こちら

セットアップ

このシナリオは一定の制約条件下で麾下のユニットを「購入」するタイプのものである。米軍の場合、第1Turnが100ポイント、第2Turnが50ポイント、第3Turnも50ポイントで計200ポイントが持ち点になる。赤軍は計300点(Turn1=50pt、Turn2=200pt、Turn3~7=各10pt)。赤軍の方が兵力では勝っているものの、米軍は防御側であることに加え、強力なM26パーシングを1ユニット無料で得られる上、さらにヴラソフのロシア解放軍ユニットも登場してくるため、必ずしも米軍不利ではない。

今回はセットアップでM36ジャクソン駆逐戦車x4、M18ヘルキャット駆逐戦車x4、M4シャーマンx4の装甲3スタックを主力とし、ランクB指揮官、中隊規模の歩兵部隊、中隊規模のM8グレイハウンドを購入した。

1Turn

イメージ 9第1Turnのイニシアティブプレイヤーは米軍である。先手を取った米軍は移動隊形のM8グレイハウンドを突進させて赤軍の進路を阻む一方、M36x4、M4x4、M18x4からなる計3個のキラースタックを市街地外縁に前進させた。キラースタックといっても赤軍の重戦車群相手にした場合は甚だ心許ないが、M36の90mm砲は射程6を誇るため、赤軍戦車をアウトレンジできる点が唯一の救いである。

赤軍は諸兵科連合のスタック3個を前進させてきた。彼らは我が方の有効射程距離外を慎重に前進してくる。

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2Turn

イメージ 11米軍は市街地を守りを強化するため、歩兵小隊6個、工兵小隊3個を増援に投入する。また市街地警戒用にM5軽戦車x4、対戦車火力強化のため長砲身シャーマンx4を増援として登場させた。
赤軍はなおも慎重に前進する。我がキラースタックの有効射程距離に入ってきた赤軍重戦車中隊に対し、M36駆逐戦車x4のスタックが先制射撃を実施。スターリン1ユニットを混乱させたが、戦いはまだ始まったばかりだ。

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3Turn

イメージ 10赤軍が主導権を握った。重戦車を前に立てた赤軍の猛攻が始まる。M36ジャクソンはスターリン戦車の中隊と交戦し、瞬く間に2ユニットを失った。M18ヘルキャットのスタックはT-34/85の中隊と交戦。全体の75%にあたる3ユニットを失ってしまう。M36はとにかく、軽装甲のM18では世界最強を誇る赤軍戦車とまともに交戦するのは無謀だったか・・・・。

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4Turn

イメージ 13米軍が主導権を握った。先ほどの戦闘で損害を受けた駆逐戦車隊を後退させ、増援部隊と合同して新たな防衛線を築いた。再び前進を再開した赤軍重戦車スタックに対し、M36とM26パーシングからなるキラースタックが最大射程距離射撃を敢行。見事にスターリン戦車を葬った。この攻撃で赤軍戦車指揮官が負傷。凶暴化した重戦車スタックは無謀な突撃を敢行。突撃によってシャーマン1ユニットを葬ったが、防御射撃と突撃戦闘によって全ての重戦車が失われた。

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5Turn

イメージ 12主導権は米軍。戦線右翼から突進してきたT-34/85のスタックと、我がM36、M26、シャーマン及びM5の各戦車部隊が交戦状態に入った。M36とM26の長距離射撃がT-34/85x3ユニットを葬り、2ユニットが混乱、1ユニットが弾切れ。米軍はM36x1ユニット、M5x2ユニットを失った。

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6Turn

主導権は米軍。混乱状態にあったT-34/85x3のスタックに対して歩兵の突撃を敢行。T-34/85のスタックを撃破した。

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7Turn

イメージ 14最終TURNである。主導権は赤軍。赤軍はここで所謂「最後だアタック」を仕掛けてきた。T-34/85のスタックが次々とオーバーランを仕掛けてくるのに対し、シャーマン戦車を中心とする防衛部隊も正に「砲身が焼けよ」とばかりに撃ちまくる。T-34の損害は膨大な数に及んだが、米軍も無傷では済まない。シャーマンx2ユニットが撃破、他にM36、シャーマン等数ユニットが混乱する。
続いて赤軍歩兵が近接突撃を仕掛けてきた。国会議事堂を守っていたシャーマン戦車隊は赤軍歩兵の近接突撃を受けて文字通り壊滅した。さらに赤軍歩兵は交差点広場付近の要塞化建造物(ヘクス1608)に対して近接突撃を仕掛けてきたが、こちらはヴラソフのロシア解放軍の精鋭(歩兵x4、ヘッツァーx1)が死守していた。ロシア軍歩兵の突進はウラゾフ隊に阻まれ頓挫。ここに米独軍の勝利が確定した。

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感想

相変わらず米軍戦車のレーティングの低さが気になるが(長砲身シャーマンなら少なくとも4号戦車となら互角以上に戦えると思うのだが・・・)、まあデザイナーによる評価は絶対なので我慢するしかない。厭ならプレイしなければ良い、だから私は日本機○部隊(及びその続編)をプレイしない訳で・・・。
上記を考えなければゲームとしては楽しめる作品だった。マップはA3サイズ程度、登場するユニット数も中程度なのでちょっとしたミニゲームといった風情がある。プレイ時間も3~4時間程度とそこそこ手頃。それでいて展開もそれなりに派手なので楽しい。
本シナリオで使用する市街地マップは、元々シナリオ11「神々の黄昏」(ベルリン攻防戦)用に用意されていたものだが、シナリオ11はドイツ軍お化け戦車(マウス、E100等)が登場するという問題点がある上、ドイツ軍プレイヤーのセットアップ時の出目によってはゲームバランスが崩壊するという問題点を抱えていた。その点本シナリオはバランスが大きく崩れる可能性は少ない分、ゲームとしては優れていると思う。あとは「米ソ対決」というシチュエーションを我慢できるか、あるいは「独お化け戦車登場」というifを我慢できるか、といった問題が残るが、これは個人的な問題。私個人でいえば、前者は許容範囲内だが後者は許容範囲外かな・・・。