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「Air Power」シリーズとは、かつてGDW社が出版していた「Air Superiority」シリーズの流れを汲む空戦ゲームシリーズです。
私の知る所、同シリーズでゲーム化されているのは今回紹介する「The Speed Of Heat」だけのように思うのですが、ルール的にはAir Superiorityシリーズと互換性があるので、同シリーズの戦闘機を飛ばして遊ぶことは十分可能です。

このシリーズについては今までも何度か本ブログで取り上げてみましたが、今回久しぶりにプレイすることにし、そのために移動ルールを再確認するために練習飛行を試してみることにしました。

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亜音速直進

高度20,000ft、速度5(435kt)で直進飛行するF-5A「フリーダムファイター」。西側陣営を代表する傑作軽戦闘機だ。
今、このF-5Aはスロットルを前に押し出してアフターバーナーに点火する。F-5Aはぐいぐい加速し、2ターン後には速度6(522kt)に達した。マッハ0.85。亜音速の領域である。

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左旋回

ここでF-5Aは左旋回を試みる。BT旋回。約6~7Gのかなり急激な旋回だ。旋回表を見て、現在の速度(=6)と高度(=20)と旋回率(=BT)を交差照合すると、得られた数値は「2」。これが30度旋回する際の最少直進距離になる。また旋回は常に一定の抗力を引き起こす。この抗力は機体によって異なっていて、いわゆる「旋回性能の良い」機体ほど抗力は小さい。
今回のF-5Aについては、BT旋回時の抗力が3.0、さらに持続旋回の2.0(1ターンに2回以上旋回する時発生する)を加えて合計5.0の抗力がこのターン発生する。

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上昇旋回

さらにF-5Aは旋回を続ける。さらに高度を稼ぐべく上昇旋回を行う。Air Powerの場合、少しややこしいのが、FP(飛行ポイント)をVFP(垂直FP)とHFP(水平FP)に分解して使用できることである。HFPは通常のゲームで言う所の移動力とほぼ同じである。一方VFPは高度レベルを変更するための移動力であり、VFPを使用してもマップ上の位置は変化せずに高度レベルだけが変更になる。

Air Powerには3種類の上昇があり、急上昇、持続上昇、垂直上昇の3種類がある。急上昇は上昇の効率はあまり良くないが、他の機動に対する制約が緩い。持続上昇はその逆で揚力を最大限使って上昇するために高度獲得効率は高いものの、旋回に対する制約が厳しい。垂直上昇はもっともてっとり早く高度を稼ぐことはできるが、効率が悪い上に機動に対する制約が厳しい。
ここでは急上昇を選んだ。そしてBT旋回を継続する。F-5Aの上昇性能は左程高くない。

上昇を終えた時は速度4.5(391kt)、高度24,000ftとなっていた。

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バレルロール

続いてバレルロールを行う。バレルロールとはディスプレイスメントロール又はラグロールを複数回組み合わせたものである。今回はラグロールを2回連続で実施した。

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宙返り

続いて宙返りを試みる。まず機体を持続上昇(SC)させて機首を上向きにし、次のターンに垂直上昇へ移行してその途中で垂直ロールを行う。宙返りを終えた時、F-5Aの速度は4.5(391kt)、高度は28,000ftとなっていた。

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降下

高度を稼いだので、今度は降下に移る。まず燃料を節約するためにアフターバーナーをカット。垂直上昇から水平飛行に移る。
続いて3種類ある降下のうち、最も機動に制約の弱い急降下を行う。急降下しながら右へBT旋回を実施。速度に注意しつつ旋回を継続した。2ターンかけて180度旋回を終えた時、F-5Aは速度4.0(348kt)、高度21,000ftとなった。

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超音速飛行

再びアフターバーナに点火。最後のテストとして超音速飛行を試す。最初に降下して高度を16,000ftまで下げて速度を5.5(478kt)とした後、水平飛行に移って超音速を目指す。3ターン後にマッハ1に到着、さらに3ターン加速を続けてようやくマッハ1.15に達した。この高度(16,000ft)では、F-5Aの発揮できる最大マッハ数が1.15である。ちなみにF-5Aの場合、高度を36,000ft以上とした場合、最大マッハ数は1.38まで発揮可能となる。

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余談だが、Air Powerシリーズに登場する主要な機体の最大マッハ数を示す。

MiG-25R マッハ3.08
MiG-25P マッハ2.77
MiG-31 マッハ2.46
F-104S マッハ2.31
F-15C マッハ2.31
F-16C マッハ2.15
F-4E マッハ2.15
RA-5C マッハ2.07
F/A-18A マッハ1.85
MiG-21MF マッハ1.85

おわりに

如何だろうか。概略的な記事なので、この記事を読んだだけでAir Powerの飛行ルールを全て理解するのは不可能だろう。しかしAir Powerの飛行ルールは見た目ほど複雑ではない。むしろ基本構造はシンプルで、かつ実際の航空力学を比較的忠実に再現している。SPIのAir Warが見た目の複雑さに比して航空力学の再現度が今一なのとは雲泥の差である。Air Powerシリーズは原型が1980年代後半と古い作品であるが、現在でも基本的なシステムは色あせていない。

この機会に是非一度プレイしてみて頂きたい作品である。