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序論

Carriers at Warは米Matrix Games社から発売されているPC用空母戦ゲームです。
テーマは太平洋戦争における日米海戦で以下のシナリオが収録されています。(*は仮想戦)

 真珠湾攻撃
 *ウェーク沖海戦
 珊瑚海海戦
 ミッドウェー海戦
 第2次ソロモン海戦
 南太平洋海戦
 *タラワ沖海戦
 マリアナ沖海戦

各シナリオには歴史的状況設定の他、いくつかの仮想設定があり、例えばマリアナ沖海戦で「赤城」「加賀」が登場する設定もあります。またシナリオエディタも内蔵されているので、例えば「大鳳」を「ミッドウェー」のような超大型空母に化けさせたり、マリアナ沖海戦に紫電改の艦載機版を登場させることも可能です。
ちなみに価格は日本円で4,999円とリーズナブルです。

Carriers at Warについて詳しくは-->こちら


ミッドウェー海戦

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まずは史実のミッドウェー海戦を米軍でプレイします。空母部隊と水上部隊はプレイヤー(つまり私自身)が担当し、米基地航空隊はA/Iに委ねました。日本軍はA/Iです。
作戦方針としてはほぼ史実通りを狙います。基地航空隊の長距離偵察機に期待して先制発見を達成した後、空母部隊は最大戦速で敵空母に向けて前進。200海里以内に踏み込むことを目標としますが、敵に発見されたら速やかに攻撃隊を発進。先制攻撃を狙うことにします。

さてさてどうなることか・・・・。

6月3日

1942年6月3日2100。ミッドウェー北東約200海里に集結した米機動部隊は緊張に包まれながらも翌日の決戦に備えて準備が進められていた。情報によると日本艦隊は空母4~5隻、戦艦又は重巡約10隻、その他多数の大艦隊でミッドウェー島に近付いているという。既にミッドウェー近海では交戦も始まっている。強大な日本艦隊に対し、我々の手元にあるのはミッドウェー基地の航空部隊の他、空母3隻、巡洋艦8隻、駆逐艦17隻のちっぽけな機動部隊のみ。まともに戦えば歴戦の日本艦隊相手に勝ち目はない。唯一の強みは情報面での優位さだ。我々は日本艦隊の接近を知っているのに対し、日本人は我々が近くに来ていることを知らない。
「奇襲」
この2文字だけが我々にとって頼みの綱だ。

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初期画面

6月4日

25ノットの高速で西に向かう我々にとって待ちに待った報告が届いたのは、翌6月4日の0710のことであった。
「敵空母見ゆ。敵の戦力は空母1、戦艦又は重巡1、その他1」
その時、彼我の距離は360海里。攻撃するにはまだ少し遠い。さらに敵兵力についても気になる。空母1、戦艦又は重巡1というのは兵力として少なすぎる。我々は慎重に続報を待った。

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0725、ミッドウェーを発進したB26マローダー爆撃機が先の日本艦隊を攻撃した。敵の正体は軽空母「瑞鳳」と駆逐艦3隻。敵の本隊ではない。敵の本隊はどこにいるのだ。次第に焦りの色が濃くなっていく。

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0750、待ちに待った情報が届いた。
「敵空母見ゆ。敵の戦力は空母3」
これだ。間違いない。遂に敵の本隊を捕まえたのだ。その位置は我が空母部隊から340海里。まだ攻撃にはやや遠い。もっと近づかなくては・・・。
しかしその時恐れていたことが遂に起こってしまった。
「敵偵察機、我が艦隊に近付く」
遂に見つかってしまったのだ。これからは時間との戦い。戦力と技量に勝る日本艦隊を打ち破るには、先制攻撃しかない。艦隊は速度を28ノットに上げ、日本艦隊に向けて突進した。

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0810、ミッドウェーから発進した基地航空部隊が「瑞鳳」の機動部隊を襲った。軽空母「瑞鳳」と重巡「妙高」「鈴谷」に命中弾を与えたという報告が入る。違う!。敵はそっちじゃない、南から来た奴等が本命だ。叫んでみても始まらない。日本側の巧妙な囮作戦に引っかかったのか。
こちらももはや猶予はない。
「各機発進準備。攻撃距離内に入り次第逐次発進せよ」
サイは投げられた。

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0900攻撃隊発進。ただし、どうも情報がおかしい。敵の位置は確定しない上、空母の数もばらつきがある。本当にこいつは本命なのか。不安を覚えた司令部は攻撃隊の一部を発進させたに留め、なおも続報を待つ。ミッドウェー西方海域からは敵水上部隊発見の報が続々と入ってくる。しかし敵空母発見の報は杳としてない。一体敵はどこにいるのだ?。

1005、ミッドウェー島が空襲を受けた旨報告が入ってきた。幸い大きな被害はなかったらしい。敵は南西方向から飛来してきた。やはり敵空母は南西にいた。既に敵偵察機の発見する所となっている我が機動部隊が、遮二無二突進するのは危険である。
我々は一旦敵との距離を離隔すべく命令を発した。
「進路045。速度28ノット」

1105、新たな発見報告が入った。
「敵空母3、その他5発見。ミッドウェー西方300海里」
今日3度目の敵空母発見だ。
こいつが本命なのか?。しかし距離が遠い。一旦攻撃隊を収容し、明日の決戦に備えた方が良さそうだ。我々は進路を135に変針しつつ、敵空母に近付かないよう注意しながら、攻撃隊を収容すべく針路を取った。

1135、攻撃隊が目標を捉えた。しかしやはりこちらは本命ではなかった。水上機母艦「千歳」「神川丸」と駆逐艦1隻。
畜生。敵の空母はどこにいるんだ・・・。

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午後に入ってようやく敵の動きがわかってきた。敵空母はミッドウェーのほぼ真西方向から近付いているらしい。既に我が空母は敵偵察機によって何度も発見されている。このまま突進するのも危険だ。
1500頃から攻撃隊が空母に帰還してきた。攻撃隊の報告によれば、水上機母艦「千歳」を撃沈した他、「神川丸」にも多数の命中弾を与えてこれもほぼ撃沈したとのこと。他に駆逐艦1隻、輸送船数隻を撃沈との報告であった。さらに午前中に撃破した軽空母「瑞鳳」と重巡2隻、その他を加えると、かなりの戦果をあげたことになる。敵空母本隊に打撃を与えていないのは遺憾とする所だが、焦っても仕方がない。やがて夜の帳が戦場を覆った。米空母部隊は速度を15ノットに落としつつ南下を続ける。翌朝はミッドウェー南東海域に占位。味方の偵察情報に期待しつつ決戦を指向する。