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Bomber Commandは、米GMT社が2012年に発表したWW2期における英空軍によるドイツ本土夜間爆撃を描いたシミュレーションゲームです。デザイナーはLee Brimmicombe-Wood氏。Down TownNightFighterElusive Victoryといった従来の空戦ゲームとは一風変わった作品を世に送り出してきた鬼才です。

Bomber Commandは、とある1日の英空軍夜間爆撃全般を描きます。1TURN=30分、1Hex=50マイル、1ユニットは30機までの夜間戦闘機(中隊単位)を示しています。以下がMAPの全貌です。夜間戦闘なので黒が基調のMAPですが、MAP上には独本土防空網や主要都市、夜間戦闘機の発進基地が描かれています。

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今回、このBomber Commandをプレイしてみました。下名は独空軍を担当。お互いにルールが怪しかったので、ルールを読みながらのプレイです。

展開

今回は2つあるシナリオのうち、1943~44年前半の戦いを描いた「ベルリン」シナリオをプレイしました。このシナリオではまだドイツ側夜間戦闘機網も充実しているので、英軍にとってキツイシナリオだと思われます。

第1Turn。英空軍の夜間爆撃に備えて足の長い双発夜戦群(Me110、Ju88、He219等)が発進。ヒンメルベルトゾーンに向けて飛び立っていく。常時哨戒網で英夜間爆撃機の大群をいち早く捕捉、襲撃するのが狙いだ。しかし第1Turnの捜索フェーズに早くも英軍夜間爆撃隊の本命がレーダーで捕捉されることとなる。

第2Turn。足の短い単発夜戦(Me109、Fw190)も次々と発進。都市上空での「ヴィルデ・ザウ」戦法を取るべく、目標となるであろう主要都市へ急ぐ。しかし彼らの戦闘力は限られており、夜戦の主力は「ツァーメ・ザウ(飼いならされたイノシシ)」戦法を採用する双発夜戦群となるだろう。

注:Bomber Commandでは、「ツァーメ・ザウ」戦法は、英語風にTam Boar戦法と表記されている。

イメージ 5第3Turn。英爆撃隊の本命は、エムデン上空に進入してきた。第1夜戦航空団(NJG1)、第2夜戦航空団(NJG2)等に所属する双発夜戦が「ツァーメ・ザウ」戦法で英爆撃隊を捕えた。最初の交戦で夜間爆撃機6機を撃墜。幸先の良いスタートとなった。

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イメージ 6第4~6Turn。英爆撃機隊のボマーストリームは、エムデンからハノーバー、マグデブルグ上空を抜け、さらに東を目指している。マグデブルクのその先には、ライプチヒ、ドレスデン、そして首都ベルリンがある。やつらの狙いはベルリンなのか?。双発夜戦群は「ツァーメ・ザウ」戦法でボマーストリームに食らいつくが、何機かは英防御砲火の餌食となり、また何機かは被弾して戦場を離れて行く。第302戦闘航空団(JG302)のMe109が「ヴィルデ・ザウ」戦法で食らいつくが、英爆撃隊を捕捉し切れない。

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第7~9Turn。ライプチヒが爆撃を受けたという報告が入った。しかし敵は小規模な編隊で、恐らく先行爆撃を行うモスキート隊による爆撃らしい。であれば敵の本命はやはりベルリンか・・・。しかし敵爆撃機はベルリン上空を通過したもの、爆撃は行わなかった。針路を北寄りに変じ、バルト海方面へ向けて飛行を続けている。

爆撃目標が判明したのは第8Turnのことであった。目標となったのはポーランド西部の港町シュチェチン(Stettin)。数百機の重爆撃機がシュチェチンに焼夷弾と高性能爆弾の雨を降り注いだ。
しかしシュチェチンの守りは堅かった。灯火管制により空からは完全に暗闇と化した街の上空を煙幕の黒い雲が覆っている。さらに近くに囮の街まで用意するという用意周到ぶり。対する英夜間爆撃機隊は度重なる独夜戦の襲撃によって多数機を失い、さらに何機かは被弾してよろめいている。投下された多数の爆弾、焼夷弾の多くは市街から大きく離れた場所に着弾し、シュチェチンに投下された弾量は限られていた。住宅地の1ヶ所から大きな火災が発生したのが唯一の戦果で、投入機数の多さに比して戦果は全く乏しいものに終わった。

帰路、英本土に向かう爆撃隊に対してさらに夜戦隊が喰いつく。燃料不足で一旦地上に降りていた単発戦闘機隊も燃料補給を済ませて再び発進してきた。彼らの執拗な追撃により、この日英軍はモスキート1機を含む30機前後の重爆撃機を失った。他にも被弾機多数。ドイツ側は約10機の夜間戦闘機を失ったが、彼らはその犠牲に見合う戦果を上げたと言えよう。

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感想

プレイ時間はセットアップも含めて5時間強でした。今回はプレイ中にルールを読む時間が多かったので、慣れればもう少し時間短縮が可能かと思われます。レーダー捜索や空戦、爆撃の解決はかなり抽象化されており、例えば夜間戦闘機の性能差は単に「戦力の違い」としか評価されていません。従って夜間戦闘における細かなディテールの再現を望む向きには、やや不向きな作品ではないかと思われました。むしろ夜間航空戦の概要を簡単に知りたい、というプレイヤー向きの作品だと思われます。ルール量は多いので全て読みこなすのはかなり骨です。ただ、ルールに慣れたプレイヤーが1名参加し、ルールマスター役を買って出れば、初心者でもある程度はプレイできそうだと感じました。

今回はルール確認がメインだったので、展開を楽しんだり作戦を考えたり、といった次元の楽しみはできませんでした。ただ今回のプレイでルールの概要は理解できたので、次回プレイの際にはルールブックをちゃんと読んでおき、ちゃんとしたプレイができるようにしておきたいです。