今から8年ほど前に発売された空戦ゲームを今から6年前に何度かプレイし、その後はしばらくお蔵入りになっていました。この度、久しぶりにDown Town(GMT)を対人戦でプレイすることになり、その練習も兼ねてシナリオを1本ソロプレイしてみました。

今回選んだシナリオは"D13 :With the Circle Be Unbroken"。時期は1972年5月で、「ラインバッカー1作戦」の時期を扱ったシナリオです。ダイスで目標を判定した結果、目標はPhu Ly付近の橋梁。攻撃に参加するのは攻撃空母「サラトガ」のアルファ攻撃部隊。その編成は以下の通りです。

前衛
 ジャミング任務 3xEA-6A
本隊
 アイアンハンド 2xA-6B、2xA-7A、4xF-4J
 ミグキャップ  4xF-4J
 爆撃本隊    8xA-6A、8xA-7A、4xF-4J
評価
 偵察任務    2xRA-5C

合計するとF-4Jが12機、A-7Aが10機、A-6A/Bが10機、その他が5機の計37機です。アイアンハンド隊の各機はシュライク2発と集束爆弾で武装。爆撃本隊に所属するA-7Aコルセア8機はウォールアイ2テレビ誘導爆弾各2発を搭載しています。

対する北ベトナム空軍は21個のSA-2大隊と9機(4編隊)の迎撃戦闘機。迎撃戦闘機の内訳は、MiG-21が4機、MiG-19が2機、MiG-17が3機です。

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1~3Turn

ハイフォン東方、トンキン湾上から米攻撃隊進入。EA-6Aの編隊がスタンドオフジャミング。F-4JファントムはMiGCAPと対空制圧を行う。シュライク対レーダーミサイル(ARM)を搭載したA-6BとA-7AからなるアイアンハンドチームがSAM制圧。その後方からA-6Aイントルーダー、A-7Aコルセア計16機からなる攻撃本隊がその後方から続く。

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4Turn

北ベトナム各地からミグ戦闘機が発進し、既に上空警戒に当たっていた機体と共同で米編隊迎撃に向かう。彼らは超低空を飛行し、米軍のレーダー網を回避する。さらにダミーユニットを駆使して米軍の目を眩ませる。
ハイフォン付近に配置されているSMA大隊が活動を開始。F-4Jの小隊が目標。数発のミサイルが発射されたが、ミサイルは目標のそれていった。

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5Turn

武装護衛任務のBlackLion小隊(F-4Jx2)が対空火器制圧のために目標へ接近していった。しかし目標からの激しい対空砲火を受けて1機が被弾。残り1機が集束爆弾を投下したものの効果は認められなかった。

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6Turn

続々と高度を上げつつあるミグ編隊に対し、トンキン湾上で警戒に当たっている米ミサイル巡洋艦「シカゴ」(コードネーム「レッドクラウン」)が次々と彼らを捕捉していった。米攻撃隊に危機が迫る。

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7Turn

秘かに米攻撃隊の後方から迫ってきたMiG-21の2機編隊が攻撃隊を奇襲した。A-7Aコルセアの4機編隊(Champ小隊)はMiGの襲撃によって1機を失い、2機が被弾してしまう。よろよろと編隊を離れて行くChamp小隊の生き残り3機。
怒り狂ったファントム小隊は、なおも接近を図る別のミグ編隊に対し先制攻撃を仕掛けた。Clubleaf小隊のF-4J 2機はMiG-19 2機の編隊を捕捉。ドッグファイトに巻き込んで撃墜にこそ至らなかったものの、パニックを引き起こして米攻撃隊への攻撃を未然に防いだ。
武装護衛任務についていたBandwagon小隊のF-4J 2機は爆弾を投棄してアフターバーナーに点火。正面から接近中のMiG-21に対して10海里からスパローミサイル全弾発射。ミサイルが外れるのを見越してドッグファイトに突入し、1機のMiG-21をAIM-9Gサイドワインダーで撃墜した。

攻撃隊本隊は目標まであと12~15海里に接近していた。敵SAM大隊が3個所で活動を開始した。その1個所からSAMが発射され、先頭を進むBengal小隊(A-6Ax4)に迫ったが、外れた。他のSAM大隊1個所に対してアイアンハンドのA-6BとA-7Aが3発のシュライクARMを発射。目標に打撃を与えることには失敗したものの、ARM攻撃を受けたSAM大隊がレーダーをシャットダウンしたため、そのSAM大隊は一時的に無力化された。

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8Turn

Clubleaf小隊のF-4J 2機は退避を図るMiG-19 2機を追う。AIM-9Gサイドワインダーで2機共重大な損傷を与えたが、撃墜するに至らず。

新鋭ウォールアイ誘導爆弾を搭載したBusybee小隊のA-7Aコルセア4機編隊が目標前方5海里の地点にまで接近。誘導爆弾を目標の橋脚に向けて次々と投下していく。しかし靄の立ちこめる気象条件では誘導爆弾はその性能を発揮し得ず、却って一般市民の家屋を破壊しただけであった。(Collateral Damage)。

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9Turn

目標付近でファイアカンが活動を開始したので、それを制圧すべくアイアンハンド任務のBeefeater小隊(A-7Aコルセア2機)が目標に接近、シュライクARMを発射する。その1発がファイアカン1基を沈黙させることに成功したが、ファイアカンの近くで待ち伏せていた対空砲陣地がコルセアを包み込んだ。1機のコルセアが被弾して大破、もう1機は中破し、いずれも爆弾を投棄して離脱を開始した。
続いて2機のA-6BイントルーダーからなるArab小隊が突入する。対空陣地1個所を制圧することに成功した。

SEAD隊の攻撃に引き続いて攻撃本隊が目標上空に接近する。中高度から目標に接近したBengal小隊のA-6Aイントルーダー4機は、投弾直前に激しい対空砲火を浴び、1機が炎に包まれて落ちて行った。残った3機は屈せず襲いかかり、目標たるトラック操車場に多数の1000ポンド爆弾を命中させた。
さらに後続するBoomer小隊4機も対空砲火によって1機を失い、攻撃本隊に所属するA-6Aイントルーダー8機は、対空砲火だけで2機を失うという大出血を強いられた。

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10Turn

攻撃を終えた攻撃本隊が戦場を離脱していく。ファイアカンが離脱する米攻撃隊を追うが、EA-6Aプラウラーの編隊が強力なスポットジャミングでファイアカンに目潰しを食らわせていた。SAM大隊も残弾が少なく、有効な反撃を成しえない。
遥か上空では、Clubleaf小隊のF-4J 2機が、遁走を図るMiG-21 2機を追い、AIM7E2で1機のMiG21に損傷を与えていた。

11Turn

Bandwagon小隊(F-4J 2機)が15海里前方に低空で飛行するMiG-17の3機編隊を捉えた。近くを飛行していたDakota小隊のF-4J 2機が直ちにそれに反応し、アフターバーナーに点火して目標を追う。後方5海里からAIM-7E2スパローを発射。MiG-17 1機が犠牲になった。さらにDakota隊はドグファイトを戦い、AIM-9Gサイドワインダーによって残った2機のMiG-17を撃墜した。Dakota小隊のファントムはミサイル全部を撃ち尽くしたが、損害はなし。ファントムとMiG-17との戦いはファントムの圧勝に終わった。これでミグをほぼ一掃することに成功した米軍は、攻撃戦果の確認に全てを賭けることになる。

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12Turn

このTURN、戦果確認のための偵察機、RA-5Cヴィジランティがトンキン湾に登場する。そのため偵察機の進路を予め保護するため、厄介なファイアカンに対して武装護衛部隊のファントムが爆撃を敢行した。Jingle小隊、Harlow小隊のそれぞれF-4J 2機がファイアカンに爆撃を敢行。激しい対空砲火を浴びたが、これを無傷で潜り抜けたファントム4機は、目標としたファイアカン2基をいずれも機能不全に陥れた。

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13~18Turn

偵察のために飛来したRA-5C 2機(Giant小隊)が目標上空で写真撮影を行った。ファイアカンを失った北ベトナム防空部隊は、SAMと対空火器で応戦したが、SAMは命中せず、対空火器も高速で高高度を飛行するヴィジランティには効果に乏しかった。米高速偵察機は悠々と偵察を済ませて帰路についていった。

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結果


A-6 2機損失、
A-7 1機損失、2機大破、2機小破
F-4 1機小破
搭乗員3名戦死、2名が捕虜

MiG-21 1機損失、1機小破
MiG-19 1機大破、1機小破
MiG-17 3機損失

米軍のVP
MiG撃墜4 8VP
MiG増援 3VP
目標軽損害 1VP
 計 12VP

NVFのVP
米軍機撃墜3 6VP
搭乗員損失5 5VP
付随損害2 2VP
 計 13VP

北ベトナム軍の大勝利

米軍の敗因は損害が多すぎたこと。特に撃墜された3機中2機が複座のA-6イントルーダーであったことが被害を大きくした。ミグ撃墜のVPが意外に大きいので、北ベトナム空軍としてはミグを下手に戦場に投入するよりも、脅しをかけてSAMと対空火器で対抗する方が得策かもしれない。

感想

米軍の立場から見たとき、SAMは思ったよりも怖くない。命中率が低い上に弾数が少ないから極端な話無視しても差し支えないかもしれない。厄介なのはファイアカンと対空火器。特に対空火器は隣接ヘクスを通過する毎に撃たれるのでたまったものではない。命中率は千差万別だが、中対空砲クラスになるとかなり厄介。しかも対空砲を爆撃で黙らせようとしても完全には死なないのでさらに面倒である。せめて爆撃本隊が突っ込む直前には制圧しておきたい所だ。
ミグについては、当たり外れが激しい。北ベトナム軍としては旨くMIGCAPをかわして攻撃本隊に食いつければ、攻撃本隊にミグパニックを引き起こすことも可能だ。逆にMIGCAPにつかまると、元々数が少ないので、袋叩きに遭ってしまう。そのあたり使い所が難しいが、北ベトナム軍プレイヤーにとっては一番楽しみでもあるので、上手く使いたい所だ。

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