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個人的には最近はまっているNext War Korea(GMT)。近未来における朝鮮半島での軍事衝突を描いた作品です。
先日、本作について練習戦を行う機会がありました。

Seoul Train

イメージ 5イメージ 7開戦劈頭、北朝鮮軍によるソウル侵攻を扱ったミニシナリオです。前回ソロプレイを紹介しましたが、今回は対人戦です。下名は連合軍を担当。
ソロの場合は気が付かなかったのですが、ヘリボーンや軽歩兵部隊を使うと北朝鮮軍でもかなり前進できます。今回は第1Turnに北朝鮮軍軽歩兵部隊(2-2-5)2個がヘリボーンによって漢江南岸に進出。仁川を伺う気配を見せます。それに対して韓国軍は首都機械化師団(10-11-8)と増援のUS第2歩兵師団第1旅団戦闘チーム(5-5-8)を反撃に投入。米旅団戦闘チームがステップロスする損害を被ったものの、北朝鮮軍軽歩兵部隊を排除することに成功しました。
その後は北朝鮮軍が正面攻撃を強行。一時はソウルまで2ヘクスに迫りますが、突出した戦車旅団(5-4-8)が韓国軍と米AH-64アパッチ攻撃ヘリの反撃によって撃破されるに及び「こんなもんでしょ」的に終了しました。

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"East" Coast Highway

イメージ 6イメージ 8別のシナリオをやってみましょう、ということで、3番目のシナリオである表題作をプレイ。これは開戦劈頭の北朝鮮軍による東海岸(日本海岸)侵攻作戦を扱ったシナリオです。下名は連合軍を担当。
今回はソウル正面よりも部隊密度が低く、北朝鮮軍の電撃的突破が可能かな、と思われる状況で開始となります。案の定、韓国軍の間隙を突破した北朝鮮軽歩兵部隊は、Yang-gu(4117)の飛行場を占領。同地にあった韓国軍AH-1攻撃ヘリ部隊は、ほうほうの体で逃げだします。その後北朝鮮軍はParo湖(3917)付近を突破。機甲部隊がYang-guに進出し南下の姿勢を見せますが、練度7を誇る韓国軍海兵師団(7-8-4)と、前回のシナリオでも活躍したUS第2歩兵師団第1旅団戦闘チーム(5-5-8)が北上してきて防衛線を展開。強力なAH-64攻撃ヘリも加わってくると、早くも北朝鮮軍の前途に暗雲が垂れこめてきます。
結局今回も「こんなもんでしょ」的に第2Turn半ばでゲーム終了となりました。

Advanced Air War Scenario

イメージ 9地上戦については概ね理解したので、今度は航空戦を試してみることにしました。選んだのは表題のシナリオで、上級ゲームシナリオの航空戦部分だけを再現するシナリオです。戦略的な状況は「戦術的奇襲」。下名は連合軍を担当します。
開戦劈頭、朝鮮半島上空には両軍の戦闘機が飛びまわります。連合軍は米空軍のF-16、A-10、韓国空軍のF-15K、KF-16、A-50、F-4D等。対する北朝鮮軍はMiG-21、MiG-23、MiG-29等。数的には北朝鮮軍は圧倒していますが、性能面では連合軍に敵わない。連合軍戦闘機と互角に戦えるのはMiG-29のみで、あとMiG-23が苦しいながらもなんとか連合軍機に対抗できます。しかしその他は数合わせの雑魚機ばかり。韓国空軍の練習機A-50ゴールデンイーグル相手であっても互角に対抗するのは難しい機体ばかりです。
こちらは第1Turnの制空戦闘だけプレイした後、「まあこんなもんでしょ」的に終了しました。

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感想

今回は練習戦だったのでいずれも触りの部分で終了しました。しかしルールの概要は理解できたので、今回のプレイ目的は達成できたと思います。

イメージ 11まず地上戦ルールですが、本作の地上戦ルールは戦闘解決の複雑な点を除けば比較的オーソドックスです。スタック制限に注意することや特殊部隊の扱いに注意すれば、それほど悩むことはありません。攻防側の戦闘力がいずれも大きめなために細かい戦闘比を立て難いのも特徴で、あまり細かい比率合わせに拘らずにプレイできます。

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イメージ 10本作の航空戦ルールは「素晴らしい」の一言に尽きます。何度か紹介しているGDWのThe Third World Warの航空戦ルールも素晴らしいものがありますが、本作のルールはその上を行きます。空中戦は長射程AAMから中射程AAM、ドグファイトと進んで行き、その間で使用する兵器が変化してきます。例えば中射程AAMで脅かしをかけて敵機に回避運動を強いた後、ドグファイトで優位を占めて撃墜する、といった空戦時の戦闘機動を盤上で再現できます。また攻撃隊発進から目標到達、攻撃、離脱といった一連の流れについても詳細かつスマートなルールで表現されており、レーダーによる早期警戒で目標を捕捉した後に迎撃機やSAMによる迎撃を行う。攻撃側は探知を難しくするためにワイルドウィーゼル機でジャミングをかけたり、SAM制圧を行ったり、さらには特殊部隊を投入して防空ネットワークを破壊したりできます。その辺りの流れが湾岸戦争やイラク戦争の戦史を読んでいるようで、現在航空戦の基本的なスタイルを目にすることができます。

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イメージ 12ルール量は多く、一見するととっつき難そうに見えますが、基本的なシステムはシンプルであり、左程難しくありません。難しいと感じる部分は、戦闘解決の複雑さ(戦闘力修正、コラムシフト、DRMの3つの変動要素がある)、北朝鮮軽歩兵部隊やSOF(特殊部隊)等の扱い、トンネルや防御施設に関するルールです。いずれのルールも「誰かが知っていれば大丈夫」というルールなので恐れる程ではありません。現代戦ゲームとしては洗練されたゲームシステムなので、是非多くの方にプレイして頂きたい逸品です。