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第3次世界大戦が始まって4ヶ月が過ぎていた。10日前、ソ連赤衛北洋艦隊は米第2艦隊の空母機動部隊を痛打し、空母1、戦艦1、巡洋艦2、駆逐艦5を撃沈していた。生き残った米艦隊は西方に撤退。北大西洋には英国及びオランダ海軍を中核とするNATO水上部隊が残されるのみであった。彼らは北大西洋に残るNATO軍輸送船団を護衛し、彼らをアントワープやトロントヘイムへ送り届けるという重大な任務が残されていた。
一方、米艦隊を撃破して勢いに乗るソ連赤衛北洋艦隊は、追撃を続行。NATO艦隊に痛打を与えるべくさらに南下を続ける。NATO水上部隊とソ連艦隊との戦い第2ラウンドが始まろうとしていた。

てな訳で、先週のソフィア会でプレイしたThird Fleet(VG)のAARです。よろしく。


初期配置

今回の参加者は計4名。ソ連、NATOでプレイヤーを2x2に分けた。下名はソ連軍を担当。潜水艦と基地航空隊をもう一人のソ連軍プレイヤー、K岩さんに委ね、下名は水上部隊を指揮する。我が水上部隊は北方艦隊とバルト海艦隊に分かれ、言うまでもなく前者が主力である。

北方艦隊の戦力は、新鋭CTOL空母「スベルドロフスク」(トビリシ級)、軽空母「キエフ」、打撃巡洋艦「キーロフ」「スラヴァ」「セヴァストポル」、新鋭駆逐艦7隻(ソブレメンヌイ級、ウダロイ級)、フリゲート艦3隻、その他という錚々たる陣容である。
一方バルト海艦隊の方は、やや旧式のミサイル巡洋艦2隻の他、グリシア型やペチャ型、一部新鋭のパルヒム型等を含めたコルベット艦隊が5個、ミサイルボートが4隊、掃海艇が6隊という陣容である。いくら基地航空兵力の援護(バルト海沿岸にMiG-29、MiG-21等戦闘機が5隊、Su-20/22等の攻撃機が3隊、Il-28偵察機が1隊存在、その他リガ、レニングラード方面に戦闘爆撃機3隊(MiG-31,Su-24,Su-27各1)、長距離爆撃機2隊(Tu-16C/G)、偵察機、電子支援機各2隊あり)があるといっても、水上部隊の陣容は如何にも心許ない。しかもこの乏しい兵力で8個もの輸送船団を守って南部ノルウェーに上陸しろ、というのだから、正気の沙汰ではない。

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上はトビリシ級(現クズネツォフ級)空母から発艦せんとしているSu-33艦上戦闘機。
下はバルト海警備用に設計、建造されたパルヒム型対潜コルベット

対するNATO軍は、盤面の全兵力ではソ連軍の倍を数え、数的には優勢を占めている。
主力は英艦隊で、軽空母2、駆逐艦4、フリゲート艦17、原潜2、ディーゼル潜1、揚陸艦5を数えた。数の上で主力となるフリゲート艦は、新鋭のType22、Type23型が多数を占め、長距離対空ミサイルこそ持たなかったものの強力な個艦防空火力と優れた対潜対艦能力を持つ有力艦である。原潜、軽空母も侮れず、洋上打撃力として警戒を要する相手である。
他に洋上兵力としてはオランダのフリゲート艦10隻がある。これらは一部を除いていずれも艦齢10年以下の新鋭艦で、中でも最新鋭のドルーマン級はハープーンSSMと近接防空SAM、そして対潜ヘリを備えた有力な艦である。

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英フリゲート艦「マールボロ」(F233)。1991年に就役した(当時)最新鋭のフリゲート艦。Type23に属する本艦は対潜能力と近接対空ミサイル能力に優れた新鋭艦であった。

バルト海方面には、西ドイツ、デンマーク、ノルウェー海軍の艦艇が展開していた。比較的大型艦は西ドイツ海軍の駆逐艦、フリゲート艦を合わせて5隻のみであったが、ミサイル艇部隊が合わせて6隊、掃海艇が4隊と、小粒ながら侮れない戦力を有していた。さらに厄介なのは西ドイツ海軍の小型潜水艦隊で、これはユニット化されていないが、バルト海に多数行動しているUボートを再現した特別ルールがあり、バルト海に出撃したWP軍水上部隊は問答無用の雷撃を食らってしまう。これが非常に厄介だ。

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西ドイツ(現ドイツ)海軍のタイガー級ミサイル艇

さらにNATOの基地航空兵力も厄介である。北ノルウェーに展開するノルウェー空軍のF-16は、ソ連北部から発進する長距離爆撃機の突破路を塞ぐ形で展開し、その後方英本土には要撃型トーネード、攻撃型トーネード、バッカニア、ファントム、ニムロッド等、戦闘攻撃機10ユニット(オランダ含む)、長距離哨戒機7ユニット(アメリカ、フランス、スペイン、オランダ含む)、電子戦機2ユニットの計17ユニットが展開していた。
さらにバルト海方面に目を向けると、こちらは西ドイツとデンマークの航空機がひしめきあっている。西ドイツ軍のトーネード、ファントム、デンマーク空軍のF-16ファルコン等、戦闘攻撃機は10ユニット、哨戒機はアトランティック2ユニットが展開していた。いずれにしても強力である。

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西ドイツ(現ドイツ)軍のトーネード攻撃機

とまあ、こんな感じである。ちなみに実際にプレイする際には上記のような分析を行った後にプレイした訳ではない。3rd Fleet特有のルールすら十分に理解できていなかったのに、ゲームシステムの考察や両軍の兵力配備とそれを踏まえた上での作戦研究等出来る筈もなかった。

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1Turn(1日目朝)

そんなこんなでとにかくゲーム開始である。まずは戦略航空作戦。基地航空隊は私の管轄ではないので、友軍たる同志K大将の手腕に期待する。結果的にはノルウェー海に展開する我が水上部隊はいずれも敵偵察機の発見する所となった。危機である。

これをチャンスとみた英原潜2隻が、軽空母「キエフ」を旗艦とする打撃部隊(軽空母x1、新鋭駆逐艦x5)に対して魚雷攻撃を仕掛けてきたのだ。2隻の英原潜「タイアレス」(HMS Tireless S88)と「スプレンディッド」(HMS Splendid S106)は、ソブレメヌイ級やウダロイ級といった護衛の駆逐艦には目もくれず、「キエフ」に向けて必殺の雷撃を行った。しかしこの時は「キエフ」艦隊の護衛艦艇と搭載ヘリが効果的な対潜スクリーンを形成し、英潜水艦を寄せ付けなった。危なかった・・・・。

我が基地航空隊はノルウェー北部のオーランド(Orland 4205)飛行場を叩くべく出撃する。しかし上空で敵戦闘機(F-16)がCAPとして健在な内は、長距離爆撃機による攻撃は困難である。状況を打破すべく、巡航ミサイルを搭載したTu-95MS「ベアH」長距離爆撃機による巡航ミサイル攻撃を試みたが、それでも同方面の状況は改善できず、膠着状況が続く。まずい、このままではNATOの思う坪だ。なんとかしなければ・・・。


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2Turn(1日目昼)

バルト海方面では、東ドイツ及びポーランドの港湾に隠れていた輸送船団がいよいよ出撃。南ノルウェーを目指す。バルト海に入った途端、西ドイツの潜水艦による攻撃で、輸送船1ユニットと東ドイツのパルヒム級コルベット艦1ユニットが撃沈されてしまう。シナリオ特別ルールによる毎ターンASWスクリーン無視の6火力攻撃である。こりゃだまらんわ。

後でルールを再確認すると、ASWスクリーン無視というのは間違い。ASW防御は可能だが、積極的にASW攻撃ができないという意味だった。そりゃそうだな、とその時一同納得。しかしそのことに気がついたのは第5Turnになってからだった。

ノルウェー海方面では、ノルウェー北部オーランド基地を再び攻撃する。今回もノルウェー空軍のF-16が迎撃に上がってきたが、今度はソ連空母艦載機(Su-27B等)が護衛についていたのが功を奏し、迎撃網を突破した。その後の波状攻撃でオーランド基地は壊滅。ノルウェー海に向かう航空機回廊の障害が取り除かれた。

軽空母「キエフ」を中心とする打撃部隊。先に英潜水艦2隻の襲撃を退けたこの部隊に対し、今度は英空軍機が襲いかかる。トーネードF3の護衛付きでバッカニア2個編隊による強襲だ。「キエフ」搭載のYak38フォージャーで敵う相手ではなく、対空砲火に全てを賭ける。「キエフ」と護衛についている3隻のソブレメンヌイ級駆逐艦が対空砲火を打ち上げる。しかしバッカニアのシーイーグルミサイルはシースキマータイプ。広域対空ミサイルの威力は限度がある。実際に対空戦闘で威力を発揮したのは各艦の近接対空火器だった。「キエフ」及び直衛のウダロイ級駆逐艦「ヴィノグラード提督」(Admiral Vinograd)が乱れ撃ちする近SAMやCIWSがシーイーグルを悉く叩き落とし、残ったミサイルは強力な電子妨害を受けて機能不全に陥った。
さらにノルウェーの港湾を出撃したノルウェー海軍ミサイル艇2隊が対艦ミサイルを放ったが、これは何故か大外れで(3rd Fleetでは、SSM攻撃の目標判定ダイスで"0"か"9"を出すと、SSM攻撃が自動的に失敗する)、ソ連艦隊に被害はなかった。

次はソ連艦隊の反撃である。小癪にも我が赤衛親衛艦隊に接近してきたノルウェーミサイル艇隊に対して長距離対艦ミサイル装備の軽空母「キエフ」、打撃巡洋艦「スラバ」「キーロフ」が対艦攻撃を実施した。ミサイル攻撃を受けたノルウェーミサイルボート部隊は、1ユニット全滅、1ユニットステップロスの損害を被った。さらに他の水上艦艇は対潜戦で英新鋭トラファルガー級原潜「タイアレス」を大破させた。


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この辺りで紙面が尽きた。続きは次回としたい。