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GDW社のThe Third World War(以下「T3WW」)は、1990年頃に発生すると予想されていた東西対決を描いたシミュレーションゲームです。かつて欧州戦線全域を扱った連結ゲームについて紹介したことがありました。その時は欧州戦線全域が対象ということもあり、北欧戦線はややお座なりな扱いであったように思います。
そこで今回、北欧戦線だけを扱ったArctic Front(以下「AF」)単品でソロプレイしてみました。なおプレイにはVASSALを使用。ハウスルールの類は一切なし。核戦争ルールも使わないことにしました。あとWP軍の戦略予備もなしとしました。

北極戦線

ゲームを始める前にAFにおける地形的特徴について少し説明しておきたい。システム的にはAFはT3WWの標準システムを採用しているが、ゲームの雰囲気は他のT3WWシリーズの作品とはかなり異なっている。その理由は北欧の険しい地形に寄る所が大きい。まず下図を見て欲しい。

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図の上半分がノルウェー領、赤線の下半分は左からスウェーデン、フィンランド、ソ連領となっている。そのうちスウェーデン領は両軍とも実質的には進入禁止と考えて良い。従って図の左半分では海岸と中立国に挟まれた「猫の額」のような土地を巡って東西両軍が激突することになる。
ここで注目して頂きたいのは、「猫の額」がいくつかの「峠道」によって分断されているということである。峠道ではスタック制限が1個旅団に制限される上、攻撃修正も2シフトつくため、峠道に籠る敵を叩き出すのは容易ではない。特にスタック制限が厳しいため、大兵力を持っている側もその大兵力を活かすことは難しくなる。NATO側は恐らく主要な峠道を抑えてくるので、WP側が峠道を啓開するのが早いか、あるいはNATO側が峠道に至る交通線を確保するか、の競争になる。かくて峠道を巡ってWP軍空中機動部隊や水陸両用部隊とNATO側反撃部隊が激突することになる。
ドイツ平原での華麗な機甲突破、とはかなり異なる戦いが繰り広げられるであろうことはご理解頂けると思う。

1Turn(1週目)

イメージ 9第1TurnはWP側が制空権を得ている。この優位を利用してWP軍は航空撃滅戦を仕掛けていった。投入兵力はSu-27フランカーに護衛されたTu-22Mバックファイアである。対空砲火を掻い潜って行われたバックファイアによる爆撃は、クレーター1個、地上破壊2個を得るという大戦果をあげた。

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イメージ 11続いてWP側地上軍が進攻を開始する。コラ半島側から第376機械化歩兵師団(9-9-6)、第45親衛機械化歩兵師団(6-6-5)、第45機械化歩兵師団(6-6-5)等が陸路を進撃する。またフィンランド領内に進入したのは、空中機動旅団(2-3-7)である。フィンランドの態度を見極めるために意図的に領土侵犯を犯したのだが、果たせるかな、フィンランド政府は中立政策維持の観点からソ連に対して対抗姿勢を明らかにしてきた。ソ連にとっては面倒な2正面戦争である。

イメージ 10それでもソ連軍の侵攻は概ね順調であった。バルドゥフォス(G4327)に対して行われた第76親衛機械化空挺師団所属の2個連隊による空挺作戦は、最高の形で終了。バルドゥフォス周辺を制圧し、後続波を受け入れる形が整えられた。後続波は海兵旅団(2-3-7)と第76機械化空挺師団の残余であり。兵力が強化されたことによってナルビク盆地の防備は強化された。

イメージ 12またナルビク盆地とトロムセー(G4528)をつなぐフィヨルド回廊(峠道)には、ノルウェー「ノルド」戦車旅団(2-3-7)が頑張っていたのだが、彼らも3方からの包囲攻撃により大損害を被り、壊滅は時間の問題となってきた。

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NATO軍は増援部隊を得て反撃を開始。まずはナルビク盆地の西側入り口を抑えるソ連海兵部隊その他に対する攻撃を開始した。練度面では優位にあっても兵力面では左程優位とはいえないNATO軍部隊であったが、1.5-1の攻撃を見事に成功させ、ナルビク盆地への入り口を手に入れた。

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2Turn(2週目)

前Turnにおける航空撃滅戦が功を奏し、このTurnもWP側が一方的に制空権を握った。再び発進していくTu-22Mハックファイア。今回の戦果はクレーター2個。このような攻撃がいつまで続けられることやら・・・。

イメージ 13地上ではナルビク盆地、トロムセー間のフィヨルド回廊で粘っている「ノルド」戦車旅団(2-3-7)に対し、3-1の攻撃を仕掛けた。攻撃は成功しノルウェーの戦車旅団は壊滅した。トロムセー、ナルビク間の陸上交通路が開かれたため、師団規模の機械化歩兵部隊がナルビク盆地に進出してきた。その強大な攻撃力はナルビクを守備していたノルウェー山岳旅団(1-3-7)を後退に追い込み、ナルビクは再びソ連軍の手に落ちた。その過程で近接支援任務についていたMiG-27が対空砲火によって失われるということもあったが・・・。

ナルビクに強力なソ連機械化歩兵師団(9-9-6)が進出してきたため、NATOにとってナルビクへの入口は完全に塞がれた形となった。師団規模の敵に対し、狭い山岳道を抜けてきた旅団規模の部隊が挑んだ所で勝ち目は薄い。頼みの綱は練度面の優位と航空支援であるが、練度はとにかく、制空権は未だにWP軍の手中にあった。ナルビクを目の前に見ながら立ち往生するNATO軍。戦局は早くも膠着状態を示しつつあった。

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3Turn(3週目)

イメージ 14スウェーデンがNATOへの義勇軍派遣を決定した。ノールラント旅団5個とJA-37ヤークトヴィゲン要撃戦闘機隊である。ノールラント旅団はとにかく、JA-37要撃戦闘機の派遣は意外と意義が大きく、これによって戦闘機隊を立て直したNATO軍は、北極圏における制空権を互角の状況に押し戻した。

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イメージ 15膠着状況にあるノルウェー戦線の打開を図るべくソ連軍は新たな侵攻作戦を開始した。水陸用部隊によるモシェエン(G3619)進攻作戦である。水陸両用戦能力を有する第45親衛機械化歩兵師団の2個連隊(各2-2-5)を筆頭に、独立海兵旅団(2-3-7)、さらに空中機動旅団(2-3-7)も加わる。無血上陸を成功させた彼らは二手に分かれて、一部は南に向かって北上してくるNATO軍を迎え撃ち、主力はナルビク方面に向けて北上する。いずれにしてもナルビク盆地に展開するNATO軍主力の後方連絡線を遮断するのが主任務だ。

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イメージ 16フィンランド戦線では、新たに戦列に加わったソ連軍2個師団と水陸両用部隊1個連隊を加えた兵力がエストニア共和国の首都タリン(F1229)に集結。彼らはフィンランド進攻部隊となって続々とバルト海に向けて出港していった。ハンゴ(F1427)に上陸した彼らはそのまま海岸沿いに東進。フィンランドの首都ヘルシンキ(F1430)に対して総攻撃を開始した。総攻撃は成功しヘルシンキは陥落した。さらに各部隊はトゥルク、タンペレといったフィンランド南部主要都市を次々と占領。フィンランドはこのTURN終了時点でWP側に降伏した。

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4Turn(4週目)

NATO軍が初めて制空権を握った。一方のWP軍は、フィンランド攻略を終えた機甲師団をノルウェー戦線に急派すべく道を急ぐ。しかし急峻な北欧の地形は部隊の自由な機動を阻んでいる。機甲師団はTURN終了時にようやく北極圏に到達。フィンランド・ノルウェー国境まで進んできた。

モシェンに上陸したソ連軍部隊はモー飛行場を守るノルウェースキー旅団(1-3-7)を包囲攻撃した。しかし上空に米海兵隊のAV-8Bハリアー2が飛来したことにより形勢逆転。攻撃にあたっていたソ連水陸用部隊や空中機動旅団は大損害を出し、攻勢は頓挫してしまう。

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南からモシェン奪回に迫る連合軍は、米海兵隊、カナダ軍、ノルウェー軍、スウェーデン義勇軍の混成編成であった。彼らはモシェン南方を守るソ連軍部隊と交戦。2度の交戦で2回のEXを出した。スウェーデン義勇軍のスキー旅団とノルウェー陸軍の歩兵旅団を失うという損害を被ったが、モシェン南方を守るソ連軍を排除し、モシェンの奪回には成功した。

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