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Pacific Fleetは、1983年にHobby Japanから発売されたシミュレーションゲームです。テーマは太平洋戦争。真珠湾攻撃から玉音放送までを1Turn3ヶ月のスケールで描きます。史実における日米の戦力差をほぼストレートに表現しているため、日本側に勝ち目はありません。最後までプレイしたら、日本軍プレイヤーが途中でゲームを投げ出したくなること必定です。
今回、Pacific Fleetをプレイするに当たって、シナリオ5「ショート・キャンペーンゲーム」をプレイしました。ショートとはいっても第1Turnを省略するだけで、あとは通常のシナリオと完全に同じです。
下名は連合軍を担当しました。


2Turn(1942年春)

イメージ 10日本軍はインド洋作戦を実施。ラングーンを南雲機動部隊が空襲してきた。ラングーンの英空軍は成すすべなく壊滅してしまう。インド洋方面ではベンガル湾方面に英軽快部隊を出撃させて補給支援に当たらせる。しかし支援の甲斐なくラングーンはこのTurnに陥落してしまう。

米軍は機動部隊をサモアに出撃させて、南太平洋方面への日本軍の進出を警戒したが、このTURN日本軍による南太平洋方面への進出はなかった。

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3Turn(1942年夏)

イメージ 11日本軍はポートモレスピーに侵攻をかけてきた。米軍は日本主力機動部隊不在をついてポートモレスピー救援作戦を発動。日米空母間で空母決戦(第1次ポートモレスピー沖海戦)が発生する。この戦いで日本軽空母4隻(「龍驤」「祥鳳」「隼鷹」「瑞鳳」)を中小破させたものの、日本機の空襲で重巡1ユニットが大破。その後の水上戦闘で日本駆逐艦2ユニットを撃沈破せしめたものの、さらに重巡1ユニットが大破してしまう。ポートモレスピーもTurn終了までには陥落。オーストラリア軍の第30旅団もニューギニア東端に追い詰められた挙句、最後は日本軍の追撃を受けて壊滅してしまう。

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4Turn(1942年秋)

イメージ 12米軍はベースフォースをサモアからヌーメアに進出せしめた。ヌーメアはサモアに比べて港湾規模が小さく、そのために空母機動部隊の規模を小さくせざるを得ない。しかしサモアからだとニューギニア方面が遠過ぎて有効な支援ができない。先にポートモレスピーを失った教訓に鑑み、機動部隊の弱体化を覚悟の上で米軍は基地変更に踏み切った。

イメージ 13その一方で米軍は高速空母4隻を主力とする空母部隊とノースカロライナ級新鋭戦艦2隻を主力とする水上打撃部隊を編成し、ウェーク島からマーシャル、ギルバート一帯に展開する日本軍基地航空部隊を攻撃する。繰り返し行われた攻撃によって日本軍の基地航空部隊に多大な損害を与えたものの(約10LACを失わしめた)、米艦隊も空母「ヨークタウン」が日本機の反撃を受けて大破した他、重巡、駆逐艦など数ユニットを損傷で失う。

イメージ 14一方南東方面では、米第1海兵師団がガダルカナルに上陸。直ちに飛行場の設営を開始した。飛行場の設営は恙無く完了したものの、ガダルカナルに展開した米航空部隊は日本艦隊による激しい妨害を受けることになる。金剛型高速戦艦を主力とする隠密夜襲部隊がガダルカナルを急襲し、展開した米軍基地航空部隊を焼夷弾で焼き払う。慌てた米軍は水上打撃部隊を空母部隊をガダルカナルに急派して日本艦隊を迎え撃つ。日本軍は戦艦8隻を主力とする戦艦部隊をガダルカナルに送り込み、米艦隊と激しい戦いになる。日本戦艦部隊は米空母機の攻撃と水上戦闘によって戦艦2ユニット(扶桑型、伊勢型)が中小破、重巡1ユニット(青葉型)、駆逐艦2ユニットが撃沈、重巡1ユニット(古鷹型)、駆逐艦1ユニットが小破した。また日本軍は一連の作戦でトラック島に蓄積していた燃料の大半を消費し、その後の作戦に多大な支障を強いられることとなる。

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5Turn(1943年冬)

イメージ 15日本軍はなけなしの燃料をかき集めて戦艦部隊を編成し、フィジー近海まで出撃させてきた。暗号解読により日本艦隊の出撃を察知した米艦隊は、高速空母4隻からなる空母機動部隊と重巡中心の打撃部隊をフィジー近海に出撃させて日本艦隊を迎え撃つ。米空母機による攻撃で金剛型戦艦1ユニットを撃沈し、同じく金剛型戦艦1ユニットを大破せしめた。その後の砲撃戦で戦艦「大和」を撃沈、戦艦「武蔵」と長門型戦艦1ユニットを大中破せしめた。一連の戦いで戦艦部隊の大半を失った日本軍は、戦艦による反撃能力を失った。

イメージ 16フィジーにおける一連の戦いが終わった後、米軍はニューギニア方面へ反攻に転じた。空母機動部隊がポートモレスピーに展開する日本基地機に対して空襲を仕掛ける。一連の攻撃で日本機に多大な損害を与えたが(3LAC)、日本機の反撃によって空母「ホーネット」が大破する。米機動部隊の反撃のよって損害の追加を恐れた日本軍は、ポートモレスピーから基地航空部隊と陸上部隊を撤退させる。その間隙をついて米陸軍第32歩兵師団「レッドアロー」がポートモレスピーに強襲上陸を敢行。脆弱な日本軍守備隊を一蹴してポートモレスピーを奪回した。

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6Turn(1943年春)

イメージ 17スタンレー山脈を越えてニューギニア北岸に進出した米軍は、ニューギニア北東岸のブナに飛行場を設営し、忽ちビスマルク海一帯を制空権下に収めた。消耗戦を恐れた日本軍はニューギニアから撤退。米軍は無人の野を進むが如くニューギニア北岸を西進。要域ラエを占領し、さらにニューギニアを西に進む体制である。

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7Turn(1943年夏)

イメージ 18米軍の勢いは止まらずニューギニアを西に進みホーランディアを占領した。ホーランディアは西部ニューギニアの良港で、ここからならパラオ、ウルシー、トラックといった中部太平洋の拠点を1メガヘクスの範囲内に収めているだけではなく、マリアナ、フィリピンといった要域も2メガヘクス以内に収めている。米軍は本格反攻を前にして、重要なスプリングボードを手に入れた。

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Pacific Fleetで違和感を感じることの1つが港湾の扱いである。意外な程評価が高いのが、ウルシー、マーシャルといった史実で米機動部隊の出撃基地になった拠点や、ブルネイ等「知る人には知る」有名所で、ホーランディアも結構評価が高い。一方で評価の低いのが、ガダルカナル、アドミラルティ諸島、レイテ湾等で、いずれも史実では米軍にとって重要拠点となったにも関わらず、Pacific Fleetでは不毛の地となっている。マニラ湾も一応港湾があるものの、その能力は驚く程低い。

イメージ 19太平洋方面では新鋭空母「エセックス」が就役し、艦隊に加わった。「エセックス」を旗艦とする高速空母部隊が真珠湾を出撃し、マーシャル諸島に向かった。マーシャル諸島では在泊艦艇と基地航空部隊が米艦載機の攻撃を受ける。米機動部隊現るの急報に接した聯合艦隊は、トラック環礁で待機中の南雲機動部隊をマーシャル近海に出撃させた。マーシャル近海で日米の空母機動部隊同士が激突する。日本空母6隻と米空母4隻の対決である。日本空母部隊の旗艦「赤城」はZ旗を掲げて決戦場に挑む。

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イメージ 20後にマーシャル沖海戦と呼ばれる空母決戦は、両軍にとって痛み分けという結果に終わった。日本艦隊は空母「加賀」を失い、米機動部隊は空母「サラトガ」「ヨークタウン」が大中破した。

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