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「ソロモン夜襲戦」のシナリオ5「スコット隊の挑戦」の強襲バリアントです。
シナリオ5は、史実におけるサボ島沖夜戦(エスペランス岬沖海戦)を扱ったシナリオで、史実では日本艦隊が米艦隊の奇襲攻撃により敗北を喫しています。このバリアントでは、日本軍が米艦隊の出現を予見し、それに対して十分な備えで挑んでいた場合を想定しています。奇襲を回避できたとはいえ、兵力面では質量共に劣勢は否めない日本艦隊。優越要素は夜戦技術の高さと魚雷性能。果たして米艦隊を打ち破ることができるでしょうか。
・日本艦隊:重巡3、駆逐艦2
・米艦隊 :重巡2、軽巡2、駆逐艦5

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1Turn

2Turn

日本艦隊は駆逐艦を左右に配した警戒隊形から、戦闘向きの単縦陣へ変更する。
米艦隊は日本艦隊の進行方向に立ちはだかるように布陣する。両者の距離は約20km。まだ両者とも有効射程距離内ではない。

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3Turn

距離10kmまで接近してきた日本艦隊に対し、米軽巡「ボイシー」がレーダを頼りに照明弾を発射する。照明弾に照らされた日本駆逐艦に対して、速射性を誇る6インチ砲15門艦、「ボイシー」「ヘレナ」が日本駆逐艦に向けて砲火を開いたが、まだ距離が遠いためか、命中弾は得られていない。
重巡「青葉」が発砲閃光を頼りに反撃実施。その一撃が「ボイシー」を捉えた。20cm砲弾3発命中。距離があったために重大な被害が生じなかったことは、「ボイシー」にとって幸いだった。

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4Turn

米艦隊は相変わらず照明弾を使った照射射撃を行う。今度はそれが成功し、重巡「ソルトレークシティ」の射弾が「青葉」を夾叉した。2発が命中。「青葉」は無視できない損害を被った。
一方日本艦隊は「古鷹」の砲火が冴えた。発砲閃光を目標として射撃を行った「古鷹」は見事に敵旗艦重巡「サンフランシスコ」を夾叉。実に5発もの命中弾を与えて「サンフランシスコ」を一時的ながら戦闘不能に追い込んだ。

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5Turn

両軍とも敵方に向けて舵を切る。しかしこれまた両軍ともCP不足で運動するのに精一杯。砲撃にまで回すCPがない。それでも日本艦隊は、至近距離に迫ってきた米艦隊に対し、「古鷹」「衣笠」で反撃を試みたが、有効弾はなかった。

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6Turn

両軍が至近距離で対峙した。米艦隊にとっては危険極まりない状況だが、最早どうしようもない。重巡「ソルトレークシティ」、軽巡「ボイシー」が至近距離から砲火を開く。「ボイシー」の射弾が「古鷹」を捉えた。連続射撃する6インチ砲弾が次々と「古鷹」に命中する。「古鷹」は一瞬にして中破相当の損害を被った。6インチ砲搭載大型軽巡の威力を改めて見せつけられた。

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7Turn

至近距離から駆逐艦「初雪」、重巡「衣笠」が計13本の魚雷を海に向けて放った。「衣笠」の放った93式酸素魚雷は、重巡「サンフランシスコ」に命中した。「サンフランシスコ」大破。「吹雪」からは90式魚雷9本が発射され、そのうち1本が大型軽巡「ヘレナ」に命中。「ヘレナ」も中破した。

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8Turn

このTURN、主導権を米軍が得た。確率20%という低率だったが、この賭けに米軍は勝った。この意味は大きかった。先のTURN至近距離から発射された米軍の魚雷15本を、日本艦隊は回避する余裕を失ったからだ。
重巡「青葉」の左側面から接近した10本のMk15魚雷は、そのうち3本が「青葉」に命中した。重巡とはいっても「青葉」は実質7000トンクラスの中型巡洋艦だ。3本の命中魚雷に耐えられる筈もなく「青葉」は轟沈していった。さらに中破した「古鷹」に対して米駆逐艦3隻の射弾が注ぎ込まれた。「古鷹」は大破した。この時点で勝利条件的には米軍の勝利が確定した。
日本艦隊で唯一生き残った重巡「衣笠」がせめて一矢を報いんと退避中の重巡「サンフランシスコ」を距離7.5kmから狙い撃つ。「衣笠」の主砲弾は精確に「サンフランシスコ」に命中。既に大破していた「サンフランシスコ」は沈没した。この段階で日本艦隊も勝利条件を満たしたが、タッチの差で米軍が先に勝利条件を達成していたので米軍の勝利となった。

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結果

日本軍の損害

沈没:重巡1「青葉」
大破:重巡1「古鷹」

連合軍の損害

沈没:重巡1「サンフランシスコ」」
中破:軽巡1「ヘレナ」
小破:軽巡1「ボイシー」

勝利得点

日本軍70VP、連合軍65VP

結果

連合軍の勝利(VP的には日本軍が優っていたが、先に必要勝利得点を獲得したのは米軍だったため)

感想

案外ちゃっとしたシナリオになるなあ、というのが正直な感想である。奇襲効果なしだと両軍の戦闘に対する動機付けが難しいが、勝利条件で調整出来たと思う。「強襲シナリオ」はいずれの場合でも両軍ともが楽しめる内容になるはずなので、機会があればプレイしてみて欲しい。

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