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海戦から見た日清戦争

戸田一成 角川Oneテーマ21

日清戦争における日本、清国両海軍の激突をテーマとし、そこに至る過程や海軍力整備の流れ、個艦整備状況や戦略思想の発展、そして豊島沖、黄海の各海戦や高陛号撃沈、威海衛襲撃等の戦いや、日清戦後の動きについても記している。その中で筆者は三景艦と呼ばれるフランス式設計の主力艦が、日清戦争ではあまり役に立たず、むしろ英国式の高速巡洋艦「吉野」「浪速」といった艦の方が役に立ったということ。あるいはマハンの海軍理論が日本海軍だけではなく、日本国全体で一種のブームとして取り上げられたということ。さらには清国での海軍増強計画についても触れ、その中には日本海軍を圧倒できるような恐るべき建艦計画等もあったことなどを取り上げている。
ページ数が少ないだけにあまり細かい点についての記述は見られないが、それでも日清戦争における海軍作戦についていくつか新鮮な知識を得ることができる点、評価したい。

お奨め度★★★