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攻防-ラバウル航空隊発進篇

森史郎 光人社

タイトルはラバウル航空隊となっているが、ラバウル航空戦は主題ではなく、どちらかといえばフィリピン航空戦から始まる零戦隊と連合軍航空部隊との戦いを描いている。扱っている時期は日米海戦からガダルカナル攻防戦初日までで、フィリピン航空戦、ジャワ航空戦、スラバヤ沖・バタビア沖海戦、米空母群による機動襲撃、そして本命のラバウル航空戦へと続いていく。この時期は零戦の全盛期として知られているが、航空戦の実際がどうであったかは実の所あまり知られていない。というのもこの時期、連合軍側の記録が混乱しており、出撃機数や損害の実数が良く分かっていないためである。この時期、零戦の強さが最も発揮されていた時期という印象が強く、それはその通りなのだが、実際の戦果が日本側の考えていた通りだったかどうかは別の問題。本書を読み進むに行くにつれて、これらの疑問についても1つの解が得られよう。
太平洋戦争初期の航空戦について興味のある向きには購入して損のない著作と言える。

お奨め度★★★★★