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GMT社のEmpire of the Sun(以下、EoS)は間違いなく傑作ゲームである。今回、EoSをVASSALを使ったメール対戦する機会を得た。シナリオは1942年キャンペーン。日本軍にとって勝ち目のない戦争だと言われている太平洋戦争だが、このシナリオは決して「なるようにしかならない」訳ではなく、日本軍も十分に楽しめる内容になっている。

今回、下名は日本軍を担当した。

これまでの展開 --> こちら


6Turn(1943年中盤)

イメージ 11イメージ 12米艦隊がクェゼリン(Kwajalein 4715)環礁に来襲してきた。空母1ユニット、軽空母1ユニット、戦艦3ユニットからなる機動部隊である。無線諜報によってそれを察知した日本軍は、クェゼリンに在泊中の重巡「那智」(12-10)、軽巡「天龍」(4-8)等に出撃を命じると共に、後方の各基地から空母「赤城」(12-12-3)、「翔鶴」(14-12-3)、軽空母「隼鷹」(8-8-3)、戦艦「大和」(18-18)、「金剛」(17-14)等が出撃。米艦隊を迎撃する。
後に「マーシャル沖海戦」と呼ばれる戦いで日本艦隊は米空母2ユニットを撃沈(「レキシントン」(12-12-2)、サンジャシント(10-10-2))。新鋭戦艦3ユニット(いずれも16-16)を撃破した。日本艦隊の損害は、空母「赤城」、軽空母「隼鷹」、重巡「那智」が損傷したのみ。先の珊瑚海海戦に続いて再び日本艦隊の大勝利である。尤もその直後、エニウェトク環礁(Eniwetok 4415)に帰還していた空母「赤城」が英潜水艦から発進したXボートの攻撃を受け、撃沈されるという悲劇もあったが・・・。

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ここで迎撃するかどうかかなり迷った。というのも、今後米軍が強力になってくるので、日本軍としては艦隊を温存しつつ米軍の進攻を遅らせるという「フリートインビーング」構想にどこかの時点で移行せざるを得ないからだ。下手に迎撃を行い、決戦に敗れるようなことがあれば、それこそ目も当てられない結果になる。
結果的に迎撃を行ったのは正解だった。幸いにも艦隊決戦に勝利した。この結果、米艦隊は手持ちの空母の半数以上を失い、護衛の高速戦艦も護衛艦としてはしばらく役立たずとなったからである。すべての米空母がマップ上から(一時的に)全滅した場合、米軍の戦意が1レベル低下するルールがあるので、米軍としてはこのTurn空母を前線に投入するのにかなり抵抗を覚えるだろう。
そして結果から言えば、この海戦の結果が戦争全体の流れをも変えることになる。

イメージ 13艦隊決戦に敗れた米軍は、艦隊を使った本格侵攻を諦め、防備の薄い拠点を狙ったゲリラ的な上陸作戦を仕掛けてきた。トラック基地(Truk 4017)から3ヘクス離れたポナペ(Ponape 4316)に米海兵隊旅団が上陸。同地を占領した。
またニューギニア東南岸に対して、先にギリギリ上陸作戦を失敗していたニュージーランド軍第3歩兵師団が上陸作戦を実行し、今度は橋頭保を築くことに成功した。さらに上陸の第2波として米第24軍団(22-12)、オーストラリア第2軍団(12-12)も上陸してくる。それに対して日本軍は、ニューギニア東部の防備を固めるため、海軍陸戦隊の第2特別陸戦隊をマダン(Madang 3721)に上陸させる一方、サイパン(Saipan/Tinian 3813)から陸軍第25軍(18-12)がラエ(Lae 3822)に、フィリピンのマニラ(Manila/Corregidor 2813)からは第14軍(18-12)がウェワク(Wewak 3720)に進出。ニューギニア北東岸の守りを固める。さらにインド洋方面からは空母「蒼龍」(10-12-3)、戦艦「比叡」(13-14)、軽空母「瑞鳳」(8-8-3)等がインド洋方面から回航されていて、トラック基地の聯合艦隊と合流する。
イメージ 14そしてトラックを出撃する日本艦隊がニューギニア東南部を攻撃した。ヨーク岬(3624 Cape York)から発進するオーストラリア空軍がそれを迎撃するも、圧倒的な兵力差によってオーストラリア空軍は大損害を被って撤退するしかなかった。

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イメージ 15米軍は主に長距離爆撃機を主力とする航空部隊でクェゼリン、エニウェトク(Eniwetok 4415)の日本艦隊及び日本基地航空隊を攻撃する。その度に聯合艦隊が出動し、米軍の基地航空部隊と交戦する。米基地航空部隊は大損害を被ったが、米基地航空部隊は無限に近い補充能力を誇っている。一局面の勝利が全体勝利には繋がらないことは両軍とも百も承知であった。

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イメージ 16米軍がカードを使い切った頃を見計らって日本艦隊はエスピリッツ・サント(Espiritu Santo 4825)に逼塞する米空母「ワスプ」(12-12-2)を攻撃すべく新たな作戦を開始した。作戦名はES作戦。日本軍らしい作戦名だが、ネーミングセンスはない。兎に角空母「翔鶴」、「蒼龍」、軽空母「瑞鳳」、戦艦「大和」、「長門」、「金剛」等が出撃していく。米艦隊も艦隊を集結させてこれを迎え撃つが、2回連続で行われた日本艦隊の攻撃に対して抗すべくもなかった。空母「ワスプ」は撃沈され、他に戦艦「ワシントン」(16-16)も撃沈された。日本軍の損害は、戦艦「長門」「金剛」が損傷したのみである。

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イメージ 17このTurn終了時、米国の戦意は1にまで低下した。この時点で米軍首脳は日本との和平が得策と判断。日本側としても戦争終結は望む所であったため講和に応じた。こうして約2年に渡って繰り広げられた太平洋戦争は、ここに終結を迎えた。

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感想

イメージ 18勝因は第4~6Turnの間、米軍のProgress of Warを完全にストップさせたことが大きかった。ソロモン、ニューギニアを完全に日本軍が抑えたため、米軍としては手の付け所がなかったというのが真相に近い。そういった点では序盤でポートモレスピーを支配したのが結果的には大きかった。
もう1点、米国のInter-Service Rivalry(陸海軍の競争)が大きかった。第4Turn以降陸海軍の競争が続いていたため、米軍の反攻作戦がチグハグになった。逆に日本側は陸海軍の対立がなく、あるいは早期に天皇の仲裁等で対立を解消できていたので、作戦行動に支障を来さなかった。これが連合軍に対する潜在的な脅威となり、反攻を阻止する要因となったことは否定できない。

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イメージ 19今回のプレイでは3つの幸運に助けられた。
1つ目は第3Turn序盤のポートモレスピー攻略である。この時私は連合軍によるリアクションの可能性を全く考慮せずに攻撃を仕掛けたが、運良く連合軍が諜報ダイスに失敗してくれた。その結果、ポートモレスピーを早期に制圧できたが、もしここで連合軍がリアクションに成功していたらポートモレスピー攻略戦の顛末が変わっていた可能性は十分にある。

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イメージ 202つ目は第5Turnにおけるラングーン攻略である。第2Turnにラングーンを取れなかったので、英軍の増強によって難攻不落の要塞と化したラングーン。しかしビルマ作戦を進める上で絶対確保しなければならない要域である。これに対して我々はかなり緻密に確率計算し、概ね7割の成功率を見越して作戦を実施した。しかし敵空挺旅団による予想外の反撃で成功率は4割に前後に急落。下手をすれば大損害を被る可能性があった。ここでダイス目が連合軍最悪、日本軍最良の出目で作戦が成功。ラングーンを奪取できた。
結果的にはビルマ戦線が戦争全般に影響を与えることはなかったが、これは結果論に過ぎない。太平洋正面の戦局如何ではビルマ戦線が日本軍にとって最後の希望になる可能性は十分にあったのだ。そういった意味で曲りなりにもラングーンを奪取したこの攻撃の意味は大きい。

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イメージ 213つ目は第5~6Turnにかけて戦われた2つの海空戦での勝利である。いずれも連合軍の出目が今一つ振わず、日本軍はほぼ満額(One Hit)。これらの海空戦で米海軍は空母3ユニット、戦艦1ユニットを失い、戦艦3ユニットがステップロスした。その結果、連合軍の残存空母が「ワスプ」1ユニットになり、護衛の戦艦も弱体化したため日本軍の攻撃に対する抵抗力が著しく低下した。結果的にはこのことが最終的な勝利に直結したといえる。

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いずれにしてもEmpire of the Sunは面白い。対面戦も良いけど、メール戦も楽しい。対面戦よりも時間がかかるのが難点だが、その分じっくり楽しめる。機会があれば再戦したいものだと思う。